アマゾンの成功を中小企業経営に活かすには?

アマゾンと同じ経営モデルを中小企業経営にそのまま活用するのは難しいが、成功した要素を自社の運営に組み込むことは不可能ではない。中小企業でも取り組める4つのポイントを紹介する。

顧客第一のビジネスモデルに注力する

どの業界でも言えることだが、収益を上げるには顧客に商品やサービスを提供する必要がある。どんなに自社が革新的で売れる商品だと考えても、消費者のニーズから外れていれば思ったほどの収益は上げられないだろう。

また、商品だけでなくカスタマーサービスにも不備があれば、SNSなどによってあっという間にマイナスイメージにつながる情報が拡散するため、積み上げた信頼まで一瞬で崩れかねない。

顧客第一を意識してビジネスを行って顧客満足度を高めることは、経営の基本でありながら欠かせない成功要因だ。

顧客データを徹底的に活用する

顧客第一のビジネスを行うには、自社が蓄積してきた顧客データの分析とサービスへの活用が必要だ。

例えば小売店の場合は、1日に何がどれくらい売れたかといった漠然としたデータではなく、以下のようなデータを分析して品揃えや接客方法を見直すなどの対策が取れるだろう。

・商品を購入した顧客の年齢層や性別
・時間帯や曜日別の来客者数
・来客者数に対する購入者数 など

経営者がリーダーシップを示し続ける

アマゾンの創業者であるジェフ・ベゾスのように、強いビジョンを持つのはもちろんだが、自社の経営理念に経営者の思いを込めて社内外で共有することも欠かせない。

経営理念は企業経営の上位概念に位置するため、経営理念が明確になっていなければ、経営戦略など具体的な行動方針が定まらない。アマゾンと同様に、分かりやすい言葉で言語化して欲しい。

自社にマッチする人材を採用することを優先する

アマゾンの人材戦略の基盤は「リーダーシップ・プリンシプル」であるが、自社のこのような考え方に対して共感できる人材の採用が欠かせない。

どんなに優秀な人材を中途採用し、新卒社員の人材育成に取り組んだとしても、元々会社の経営理念や社風などに共感していない人材では、職場の雰囲気まで損ねる恐れがある。

中小企業という小さな組織だからこそ、社員同士が共通の価値観を持ってポジティブな行動を取れる環境の構築が欠かせない。

アマゾンを参考に経営理念や人材戦略を言語化してみよう

アマゾンが大きな成功を収めた要因として、創業者のジェフ・ベゾス氏が定めて現在まで脈々と続いている経営理念や、「リーダーシップ・プリンシパル」という人材戦略に関わるメッセージ性の強い14の言葉が挙げられる。

経営理念や人材戦略に関わる言葉が明確に示されれば、社員は共通の目標を持って日々の業務に従事できる。経営者と社員の距離が近い中小企業こそ、まずは経営者の想いを言葉にして社員と共有してみてはどうだろうか。

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文・隈本稔(経営・キャリアコンサルタント)

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