本記事は、今井孝氏の著書『らくらく売る人のアタマの中』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています。
無価値感を捨てる5つの考え方
無価値感を捨てるには、どう考えれば良いのでしょうか?
ここでは5つの考え方をご紹介します。
①市場価値を決めるのは自分ではない
まず考えて欲しいのは、「市場価値を決めるのは誰か?」ということです。
ある時、絵が上手な女性が私のセミナーに参加していました。しかし、自分の絵でお金がもらえるとは考えていませんでした。
彼女は「別にそれほどうまいわけじゃないし。プロでもないし」と言っていました。
試しに千円で似顔絵を描いて欲しい人がこの中にいないか聞いてみたところ、「面白そう」ということで10人ぐらいの人が手を挙げました。
彼女はわっと泣き出しました。生まれて初めてゼロからお金を生み出した瞬間でした。
無価値感を持ってしまうと、彼女のように「自分にお金を払ってくれる人なんていない」と思ってしまいがちですが、多くの場合はそんなことはありません。本当です! あなたにはもっと市場価値があります。
大事なのは、自分で自分の価値を低く決めつけず、とりあえずお客様に提案してみることです。実際、予想外の反応があります。
未経験の男性が、研修会社にFAXを送ってみたら、数社が返事をしてくれ、そのうちの2社と契約して、研修講師として登壇できるようになった。
フリーのライターが取引先に年賀状を出してみたら、1社から久々に仕事の依頼が来た。
自分でも高いと思っていたアート作品を、「安い」と言って2つ買ってもらえた。
自分では5万円ぐらいと思っていた研修の依頼を、とりあえず15万円で提案したら、そのまま通った。
などなど、思ったよりもお客様は価値を感じてくれているのです。
②売れてないのは知られてないだけ
次に大事なことは、売れない理由の多くはあなたの商品の価値とは関係がないということです。
ある時、セミナーを開催したのですが、あまり人が集まりませんでした。
後日、SNSにセミナーの写真をアップしたら、知り合いからコメントがありました。
「えっ? そんなのやってたの? 知ってたら行ったのに」
自分ではかなり告知をしたつもりだったのですが、まだまだ足りてなかったようです。
このように、実は売れない原因の大きなものの1つは、「知られていないこと」です。
商品が売れないと、「商品が悪いのかな?」「ニーズがないのかな?」「自分には実力がない」と思い、1回であきらめてしまう人も少なくありません。
しかし、多くの場合は知られていないだけなので、もっともっと告知してください。
思った以上に他人はあなたのことを見ていません。
「この商品はダメだ」と判断する前に、多くの人に届いているかもう一度確認しましょう。
③差別化しなくても相手の役に立てばいい
なぜか、「差別化しなければならない」と多くの人が考えているのですが、あなたはどうでしょうか? それは本当に必要だと思いますか?
あるパーソナルトレーナーも、「差別化しなければ」と必死に考えていました。「もっと栄養のことも学んだほうが良いのでは?」「心理学も学んだほうが良いのでは?」と、ずっと他のトレーナーとの違いを出すことばかりにとらわれていて、その時はあまり売れていませんでした。
しかし、差別化を考えてもらちが明かないので、目の前のお客様にどうなりたいのかを聞くことに集中しました。
「ウエストのくびれをつけたい」「ヒップアップしたい」「長時間立っていられる筋力をつけたい」など、さまざまなニーズがあり、それは対応できることだったので一人ひとり対応していったところ、だんだんと口コミが広がっていき、差別化を考えなくても普通に売れるようになりました。
このように、目の前のお客様に親身になっていたら、ちゃんと売れるものです。大企業でもないのですから、差別化なんてほとんど必要ありません。
また、他社商品を扱っている代理店営業、保険、工務店、士業の方々などは、商品では差別化できないし、かといって値段では大手には太刀打ちできません。そういう場合でも、しっかりと目の前のお客様の話を聞いている人はちゃんと売れているものです。
④大切なことは届け続けよう
あなたは、誰かのマネになるからやめておこうと思ったことはありませんか?
例えば、SNSやブログやニュースレターなどを書こうとしたときに、「これは別の人がすでに言っていたからパクリになる」と思い、まったく記事が書けなくなるという方もいらっしゃいます。
しかし、大事なことはたいてい誰かが既に言っています。
お釈迦様が、「正しく捉えましょう」と唱えています。
多くの偉人が、「人に与えましょう」と言っています。
戦争の経験者が、「戦争は二度と起こしてはいけません」と長年伝えています。
その時に、「お釈迦様がもう言っているからパクリになる」と思う必要はありません。
逆に、ずっと伝え続けるべきではないでしょうか?
また、多くの人が必要とするものはごく普通の商品です。
毎日、料理を作る人がいて、モノを運ぶ人がいて、掃除をする人がいて、それで世の中が回っていくのです。必要なものはずっと提供し続けることが必要です。
新商品が開発されて、世の中は発展していくわけですが、すべての人が目新しい商品を開発する必要はないのです。ありきたりの商品やサービスであっても、堂々と届けてください。
⑤あなたにしか救えない人がいる
さて、次にとても大事なことなのですが、あなたにしか救えない人がいます。
例えば、女性で起業を目指している人からよくある質問で、「家事が忙しくて、自分のビジネスに時間が取れない」というものがあります。
実際のところ、成果を出している人は、元気な朝のうちに自分の仕事をして、後から家事をしています。
それを私が回答すると、「そんなこと言っても難しい」「男性の今井さんには分からない」と反発されることがありました。
別の機会に同じ質問を受けたので、次は受講生で先輩の女性起業家に、私の代わりに同じことを答えてもらいました。すると、質問してくれた女性はとても納得して、「なるほど!」とうなづいていました。
つまり、「誰が言うか」が大事だということです。
やはり経験がある人が言うから説得力があるのです。
倒産した経験がある人が言うからこそ、「倒産しても死ぬわけではありません。またやり直せばいいんです」という言葉に重みがあるのです。
他にも、ご両親の介護や、子どもの引きこもり、大病、失恋など、人それぞれ色々な経験があり、だからこそそれぞれ役に立てる人がいます。
ですので、「自分なんて」と思わずに、「自分にしか救えない人がいる!」と思って下さい。
また、人間には相性というものがあります。
あの気難しいお客様が、なぜか営業マンの彼とは楽しそうに話ができるなどということもあるのです。
きっとあなたにもそういう人がいます。あなたしか救えない人がいるのです。それぞれが自分の持ち場で頑張ればいいのです。
3万人以上の起業家にノウハウや考え方を伝え、最初の一歩を導く。マーケティングとマインドに関するさまざまな教材は3、000本以上購入されている。 誰にでもわかりやすく、行動しやすいノウハウと伝え方で、「今井さんの話を聞いたら安心する」「自分もできると思える」「勇気が湧いてくる」と、たくさんの起業家の支持を集めている。
著書にはシリーズ10万部を超えた『起業1年目の教科書』や『誰でもできるのに9割の人が気づいていない、お金の生み出し方』がある。※画像をクリックするとAmazonに飛びます。