本記事は、今井孝氏の著書『らくらく売る人のアタマの中』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

3択
(画像=78art / stock.adobe.com)

欠乏感が引き起こす3つの症状

この欠乏感があると、いろんな支障をきたします。

よくあるのは、次の3つの症状です。

①「売ろうとすると嫌われる」という恐怖

売ることが苦手な人の多くは、「売ろうとすると嫌われる」と思ってしまい、「売り込みと思われたくない」とよく言います。

実際は売ろうとすることで嫌われるわけではありません。感謝され尊敬されている営業マンもたくさんいます。

実は、売ろうとして嫌われるのは、欠乏感で行動していることが大きな原因です。

欠乏感があり、自分の売上のために売っていると、相手が「金づる」のように見えてしまいます。心のどこかで、「自分のために売るということは、この人から奪うことだ」と思ってしまうわけです。そのような気持ちだと、やはり売るのが嫌になります。

②人と比較して落ち込む

エグゼクティブコーチをされている佐藤恵美さんは、ビジネスの勉強のためにサラリーマン時代から、いろんなセミナーに通っていました。

しかし、どこに行っても、「〇千万円売り上げました!」という人がいて、自分と比較していつも落ち込んでいたそうです。

他の人はいろいろやっていてすごいのに、私はまだこれもできていない、あれもできていないと、ないところばかりに気が向いてしまいます。そして自分を苦しめてしまうのです。

佐藤さんは欠乏感を取り除き、今は他人の成功を素直に喜べるようになったそうです。

③焦ってしまう

ある女性が保険営業をやっていた頃のことです。

ほぼ契約段階までこぎつけたお客様がいたのですが、あと一歩のところでダメになりました。

原因は、焦ってしまったからです。実は、その月のノルマが未達成で、成績を下げてしまいそうだったのです。それで電話で、「いつ来れますか?」と、ちょっと急かし気味に言ってしまったところ、気持ちが伝わってしまったのか、その契約の話は流れてしまったのです。

焦らず、あと少し待てば契約になりそうだったのに、残念なことをしてしまいました。

彼女はまだ良い方です。同僚はお金のためにお客様にニセの保険証券を渡して振り込ませてしまい、逮捕されてしまったそうです。

恐ろしい話ですが、これも、「足りていない」という欠乏感の罠ですね。

成功しても行動し続ける人の特徴

では、欠乏感を感じずに行動できる人とはどんな人なのでしょうか?

それは、「この仕事が楽しい!」という気持ちで動いている人です。

お客様の笑顔、ありがとうの言葉、優秀な成績に対する祝福などを思い浮かべながら頑張っている営業マンもそうです。ワクワクしています。

私はある年、講演会で全国7ヶ所を回りました。その時にこう言われました。

「今井さん、稼いでいるんだから、もうそんなに働く必要ないんじゃないですか?」

実際そうです。おっしゃる通りお金のためであればそんなに働く必要はありません。私には高級車や豪邸を買う予定もないし、宝石や高級時計にもあまり興味ありません。しかしそれでも、そこそこ楽しく幸せに暮らしています。

ですので、講演で全国を回ったのはお金のためではありません。もし、お金しか目的がなければ、ある程度稼いだからと、やる気をなくしてぼーっとしてると思います。

私が働いているのは、楽しいからです。クライアントさんが何かに気づいて「ハッ!」とした表情をしたり、どんどん行動して成果を出したり、自分を認められるようになったり、そんなことが楽しくて、病みつきになってやめられないのです。

日々、行動できるのは、そういう喜びのモチベーションだけだと思います。

もし、お金のためとか、認められるためとか、そういう欠乏感からのモチベーションなら、しんどくて続かないと思います。最初はハングリー精神や悔しさや、欠乏感をエネルギーにしても良いですが、ずっとそれだとしんどいです。

私たちが毎日行動し続けられるのは、その仕事で充実感を得られるからです。そして、それはお金では買えないものなのです。

らくらく売る人のアタマの中
今井孝
株式会社キャリッジウェイ・コンサルティング代表取締役。
3万人以上の起業家にノウハウや考え方を伝え、最初の一歩を導く。マーケティングとマインドに関するさまざまな教材は3、000本以上購入されている。 誰にでもわかりやすく、行動しやすいノウハウと伝え方で、「今井さんの話を聞いたら安心する」「自分もできると思える」「勇気が湧いてくる」と、たくさんの起業家の支持を集めている。
著書にはシリーズ10万部を超えた『起業1年目の教科書』や『誰でもできるのに9割の人が気づいていない、お金の生み出し方』がある。

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