本記事は、今井孝氏の著書『らくらく売る人のアタマの中』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています。
他人の評価を捨てる3つのコツ
最後に、他人の評価を捨てるためにできることを3つご紹介します。
すぐにできることですが、とても効果があります。
①相手から質問をもらう
「相手のために」という意識を持てば、自分がどう思われているか気にならなくなると書きましたが、具体的にどう意識を向ければいいのでしょうか? そのためにとても簡単にできることがあります。
それは、相手から質問をもらうことです。
例えば、私は起業当初、企業研修やセミナーに登壇するときに、とても緊張していました。
ある時、参加者が少ないときがあったので、セミナーの冒頭で参加者に自己紹介と参加した目的を1人ずつ話してもらいました。あんなことが知りたい、こんな問題がある、ということを一人ひとりが話してくれました。
そうすると不思議なことに、「この人のためにはあれを話そう」「あの人のためにこの話をしよう」と、その瞬間から、完全にお客様のほうに意識がシフトしていきました。何を伝えたら喜んでもらえるかが分かったので、自然にスルスルと言葉が出ました。
このように、相手の求めている悩みや情報を知ると、自然に意識が相手の問題解決に向かっていきます。
営業のときも、まずは相手の悩み事を一生懸命聞くと、自然と相手のために自分ができることを提案したくなります。そうすると、まったく売り込みっぽくなりません。
では、相手の知りたいことが聞けない場合はどうでしょうか?
例えば、よく交流会で1分間の自己紹介タイムがあったりします。つまらないと思われないか? うまく話せるだろうか? と、自分に意識が向いていると緊張します。たった1分でも手が汗でびしょびしょという方も多いと思います。
この場合は、何が知りたいかを質問するようなことはできませんが、「相手から質問された」というイメージを持って話してみてください。
たぶん、あなたを見ている聴衆は、
「どんな仕事をしているのだろう」
「どうしてここに参加したんだろう」
「どんな感じの人なんだろう」
と漠然と思っていることでしょう。
それらを、自分が質問されたとイメージしてください。自分が勝手に話しているというよりは、心の中にある質問に答えてあげるという感じです。そうすると緊張せずに落ち着いて話せます。
こんなふうに、どんな時も相手のためにと考えると、他人からの目が気にならなくなり、緊張しなくなります。
②ありがたくアドバイスを受け取る
まれに的を射た批判をもらうこともあるでしょう。本質を突いているだけに、グサッと傷ついてしまう人も少なくありません。
そういう場合はどうすればいいかというと、相手の言葉をポジティブに言い換えてください。
「商品のこの部分が使いにくい!」という批判であれば、
「申し訳ありません。ここを使いやすくすれば良いのですね」と。
「分かりにくい」という批判であれば、
「ごめんなさい。この点を分かりやすくすれば良いんですね」に。
「このチラシは誰がターゲットなのか明確ではない」という批判であれば、
「すみません。ターゲットをもっと明確に言葉にしたほうが良いですね」とポジティブ表現に変換してみてください。
このような指摘をくれる方は、本当にあなたのことを思って意見をくださっているのだと思います。
批判的な表現だと心理的に受け取りづらいと思いますが、至極まっとうな意見の場合はポジティブ表現に変えると納得できます。そして、その意見を活かして改善していけば、どんどんお客様の満足度も上がっていくことでしょう。
③仲間と一緒に行動する
他人の評価を気にせず成果を出すコツの最後は、仲間と一緒に行動することです。
ある時、他人にどう思われるかが気になりすぎて、「どうしてもSNSに投稿できない」という人がいました。
そこでまずやってもらったのが、仲間一人だけに投稿を読んでもらうということです。
とりあえず文章を書いて、SNSには投稿せず、バディともいえる仲間に送り感想を言ってもらいます。もちろん、厳しい感想ではなく普通に「けっこう面白いですよ」「分かりやすいです」という感想です。
それを1週間ぐらいやったら、自分の文章に少し自信が持てるようになりました。
すると、SNSに投稿する勇気も出てきて、その方は生まれて初めてSNSに投稿できました。フォロワーの反応も悪くなかったので、その後は普通に投稿ができています。
このように、周りの目が気になる人は、ぜひ、ほめてくれる人や応援してくれる人と一緒に行動してみてください。
プレゼン資料や提案資料に自信がないなら、最初は仲間に見てもらいましょう。
交流会も1人で参加せずに誰かと一緒に参加してみてください。
SNSに写真をアップするのが苦手なら、仲間と一緒の写真をアップしましょう。
セミナーや勉強会を開催したいなら、仲間と共同で開催すれば安心です。
そんなステップを経て、最後は1人でできるようになります。
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