本記事は、今井孝氏の著書『らくらく売る人のアタマの中』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

フットワーク
(画像=chachamal / stock.adobe.com)

楽しく大量行動できる3つのノウハウ

楽をしようと思わない方がうまくいくということが、だんだんと腑に落ちて来たのではないかと思います。

では、楽しようとせずに、楽しんで大量行動するためにはどういう工夫をすればいいのでしょうか?

ここでは、3つの具体的なノウハウをご紹介します。

①目的を常に貼っておく

まずできることは、目的を常に見えるところに貼っておくことです。

友人の鈴木ケンジさんは、マーケティングを教える仕事をされていましたが、事業拡大をしてフリースクール事業なども始めました。赤坂の一等地に綺麗なオフィスを構え、正社員も20人近くになりました。

しかし、その矢先に金銭トラブルに巻き込まれてしまい窮地に陥りました。

その時に雇った社員に辞めてもらうお願いをし、残った社員の給料を支払うために悪戦苦闘の日々が続きました。一時期は声が出なくなったりもしました。

しかし、何とか乗り切り、今は通常営業されています。

その時、心の支えになったのはご自身の理念です。理念を忘れなかったので苦しいときでも投げ出さずに乗り切れたのです。

鈴木さんの理念とは、「努力の方向が間違っている人を助ける」ということです。その思いを忘れなかったから、どん底でも踏ん張ることができたそうです。

ご自身がサラリーマン時代に徹夜で頑張っているのに成果が上がらず、心も身体も壊してしまっていた時、ある方の一言で頑張り方を変えて成果が出た経験があり、自分と同じように頑張り方を間違っている人を救いたいということで事業を始めたのでした。

理念を忘れないために鈴木さんがやっていたことがあります。それは、発信しているメールマガジンや自分の著書に、いつも自分の理念を書いたり、セミナーで毎回話すということです。起業当初の気持ちを毎日配信しているので忘れないでいられるのです。

多くの人は目的を忘れて、目の前の作業に忙殺されます。そして、最初はやりたかったことのはずなのに、いつの間にか義務感、やらされ感に陥り、結局は面倒でやめてしまうのです。

しかし、常に目に触れるところに置いておくだけで目的を忘れずにいられます。

名刺に自分のポリシーを書いている人もいます。

WEBサイトに自分の思いを書いている人もいます。

講演をする人は、毎回自分の理念を語っています。

努力し続けられる人は、ストイックなのではなく、ただ目的を忘れない工夫をしているだけなのです。

②最初は強制力を使う

次のコツは強制力を使うことです。

私は一時期、いくつかのプロジェクトは順調に進むのに、なぜか進まないプロジェクトが2つか3つあるという状態がありました。

その原因はすぐに分かりました。進まないプロジェクトはどれも自分1人でやろうとしていたのです。本の執筆、自社WEBサイトのリニューアル、動画の撮影など、サボっても誰も何も言わないものは、ずるずると後回しになっていました。

それに気づいてから、「1人プロジェクトを作らない」ということに気をつけるようになりました。要は、必ず強制力を使うということです。

もともと講座や教材制作は、プロデューサーやスタッフの皆さんがいるのでサボれません。ちゃんと次のミーティングまでに進めておこうと思いますので。

本の執筆の場合はコーチをつけると毎週進むようになりました。

動画の撮影も、シナリオ作りの打ち合せを隔週で入れることや、ライブ配信して視聴者がいるところで収録をすることでどんどん進むようになりました。

なかなか進まないときには、このように人との約束を入れてしまって強制力を使うことがお勧めです。

提案書ができてから取引先にアポを取るのではありません。訪問のアポを取るから前日までに提案書を作るのです。

セミナーの内容が決まったら告知しようと考えていると、ずるずると先延ばしになります。まずは日程を決めて、必要なら場所も決めましょう。そして告知してしまいましょう。

内容は前日には決まっているはずです。

③習慣化する

最後のコツは習慣化できるしくみを作ることです。

ある時、私は『竜馬がゆく』という長編小説を一気に読もうとしたら挫折してしまいました。文庫本で全8巻あるのですが、最初の1巻で挫けて、本棚に4年ぐらい置きっぱなしになっていました。

このままでは永遠に積読になると思い、それならば毎日1ページずつでも読むことにしました。ページを数えたら10年かかる計算ですが、ほったらかしで4年経ったのだから、それでもいいかと思いました。毎日1ページなら負担にはなりませんので。

そして、「コーヒーを淹れるときに読む」という習慣にしました。

すると、ドリップする時間でだいたい毎日4ページは読めますし、面白い箇所は20ページぐらい進んだりしました。そして、結局4ヶ月弱で読み終わりました。

一気に読もうと思うと挫折して数年間ほったらかしで、毎日コツコツ読めば、たった4ヶ月で読めてしまうのです。習慣化して毎日取り組むことの威力を感じました。

これで自信をつけて、『風と共に去りぬ』『戦争と平和』『ドラッカー名著集』などを読破していきました。

売ることに関する仕事も、ぜひ習慣化してコツコツ続けてください。

例えば、私はメールマガジンを毎日書いていますし、SNSも日々投稿しています。すべて毎日の習慣にしています。だいたい、どれも午前中のどの時間にやるかを決めていますので迷うことがありません。

毎日の分量は小さくてかまいません。習慣化してコツコツやっていると、いつの間にかすごい領域にまで到達できています。

らくらく売る人のアタマの中
今井孝
株式会社キャリッジウェイ・コンサルティング代表取締役。
3万人以上の起業家にノウハウや考え方を伝え、最初の一歩を導く。マーケティングとマインドに関するさまざまな教材は3、000本以上購入されている。 誰にでもわかりやすく、行動しやすいノウハウと伝え方で、「今井さんの話を聞いたら安心する」「自分もできると思える」「勇気が湧いてくる」と、たくさんの起業家の支持を集めている。
著書にはシリーズ10万部を超えた『起業1年目の教科書』や『誰でもできるのに9割の人が気づいていない、お金の生み出し方』がある。

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