入出金サイトを改善することでキャッシュフローを回す

中小企業のキャッシュフローは、入出金サイトにも大きく左右される。例えば、売上の回収までに仕入れや税金の支払いがあると、資金力の乏しい企業は借入が必要になってしまう。

入出金サイトの改善は、「回収サイトの短縮」と「支払いサイトの延長」に分けて考えることが重要だ。具体的にどのような方法があるのか、いくつか例を紹介しよう。

キャッシュフロー

会社に入るキャッシュや支出額は変わらないが、入出金サイトを改善すると資金繰りに余裕が生まれる。余計な借入金を増やさないためにも、財務三表や会計ツールなどを活用しながら、徹底的な改善を目指していきたい。

キャッシュフロー改善では資金の使い方も見直そう

キャッシュの生み出し方や回し方を改善しても、使い方が悪いと資金繰りは悪化してしまう。投資は会社の成長に欠かせないものだが、キャッシュを温存するための工夫も同時に考えておきたい。

例えば、オフィスの移転では繁忙期を避けると、「敷金礼金なし」などのお得な物件が増える。そのほかの設備投資についても、業者がキャンペーンや割引をしている時期を狙うだけで、多くのキャッシュを温存できるかもしれない。

また、事業の中核に含まれない業務や、高度なスキルを要する業務は、外注に回すことを検討したい。自社だけで難しい問題を解決しようとすると、多くの人的リソースが無駄になり、本業で稼ぐ力を失ってしまうためだ。

ほかにも営業利益につながらない投資を減らす、効果の低い人材教育制度を撤廃するなど、企業によっては多くの改善点がある。長期的な視点をもって、資金の使い方を全体的に見直してみよう。

長期的な資金繰り対策でキャッシュフローを改善しよう

中小企業のキャッシュフローは、経営の安定度に直結する要素である。手元のキャッシュを増やし、かつ入出金サイトがうまく回るように調整できれば、多少の経営難は乗り越えられるはずだ。

黒字倒産のリスクを抑えるには、長期的な視点で資金繰りを改善することが重要になる。短期的なキャッシュ増減に惑わされず、大きな効果を期待できる対策に絞って取り組んでいこう。

著:片山 雄平
1988年生まれのフリーライター兼編集者。2012年からフリーライターとして活動し、2015年には編集者として株式会社YOSCAに参画。金融やビジネス、資産運用系のジャンルを中心に、5,000本以上の執筆・編集経験を持つ。他にも中小企業への取材や他ライターのディレクション等、様々な形でコンテンツ制作に携わっている。

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