ノンバンク系の融資を利用する

赤字の状態で借入するもうひとつの選択肢として、ノンバンク系を検討する方法がある。ノンバンク系とは、貸付に特化した金融機関のことである。ここでは、ノンバンク系の融資について解説していく。

ノンバンク系の融資とその種類

銀行は、利用者からお金を預かったり送金したり貸付を行ったりとさまざまな業務を行っている。ノンバンク系と呼ばれる金融機関は、主に貸付業務を行う。また銀行とノンバンク系は、適用される法律が異なり、銀行は銀行法、ノンバンク系は貸金業法によって業務を行っている。銀行とノンバンクの違いをまとめると以下のようになる。

ノンバンク系の融資とその種類

ノンバンク系を呼ばれる金融機関には、以下のようなものがある。

①信販会社
②クレジットカード会社
③消費者金融
④ビジネスローン会社

①~③は、主に個人を対象とした生活費などの融資を行っており、④は法人や個人事業主を対象に事業資金の融資を行っている。ノンバンク系で事業資金を借りる場合、ビジネスローン会社を利用することになる。なおノンバンク系は、貸金業法のもとで総量規制があるが、事業資金目的の融資に限っては総量規制の対象外だ。

ノンバンク系融資のメリットとデメリット

ノンバンク系からの融資には、無担保・無保証人、融資までのスピードが速いといったメリットがあるが、当然デメリットもある。

【メリット】
・担保・保証人が原則不要
・最短即日融資
・銀行に比べて提出書類が少なく、審査基準も緩やか
・銀行から融資を受けるのが難しい個人事業主や小規模事業者でも借りられる可能性がある

【デメリット】
・銀行に比べて金利が高い
・銀行に比べて借入できる金額が低い
・業者のなかには金融庁への貸金業登録をせずに営業している者もいる

ノンバンク系の融資を使う場合はメリット・デメリットを十分に考える

赤字決算の場合、銀行から融資を受けるのは難しい。時間的に余裕があれば、政府系金融機関の融資制度を活用するとよいだろう。政府系金融機関の融資は、金利が低い点がメリットだが申し込みから融資が行われるまで1ヵ月程度かかることもある。もし時間的余裕がない場合は、ノンバンク系の融資を使うことも検討するとよい。ただしメリット・デメリットを十分に勘案して使いたい。

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著:せがわ あき
会計事務所に10年勤務。その後、会計ソフトメーカーでの勤務を経て、現在は会計・税務・金融などをテーマにライティング活動を行う。会計事務所では、顧問先の会計業務や融資支援に従事。融資のための提出資料作成や融資・資金繰りのアドバイスなどを行う。会計ソフトメーカー時代には、お客様対応業務に加えてソフト開発にも携わり、お客様の声を製品に反映させる仕事に従事。
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