公的補助金を活用する

国や地方自治体の補助金は、開業や新規事業など特定の目的に必要な資金を援助するものだ。資金調達の目的と合致する補助金があれば、ぜひ活用を考えたい。ただし対象となる事業について全額が補助されるとは限らない。補助額に上限が設定されていることもあるので、募集要項をよく読もう。公的補助金の交付を受けるには、審査に通過することが必要だ。

しかし採択(補助金・助成金交付の対象となること)されたからといっても、すぐに交付されるわけではない。先に対象となる事業を実行し、事後に再び審査を受けて補助金が交付される流れになるため、先に補助金の対象事業に必要な資金を確保しておく必要がある。また募集期間が設定されているものもあるため、公的補助金の活用を考えている場合は情報収集が欠かせない。

資産を現金化する

所有する不動産や設備などを売却して現金化する方法だ。特に車両や機械など中古の売買が盛んに行われている資産は、現金化するまでに時間もかからない。また不動産については、単なる売却ではなく「リースバック」という手法も行われている。リースバックとは、リース業者へ売却して資金調達する際に賃貸契約を付け、売却後も家賃を払いながら不動産を利用する方法のだ。

不動産や設備などの資産のほかに売掛金や約束手形も現金化できる。どちらも支払われる期日よりも前に業者に売却し、本来の支払額から手数料を引いた金額を受け取る仕組みだ。資産を現金化するうえで注意したい点は、手数料が発生して現金が目減りしてしまうこと。また売却する業者によっては不当に買いたたく者もいるため、注意したい。

運転資金調達はメリット・デメリットを理解する

借入以外にも運転資金を調達する方法はある。それぞれの方法についてメリットとデメリットを十分に理解したうえで方法を選ぼう。また資金調達の際は、運転資金について具体的にどれぐらい何に必要なのかを明らかにしておくことも重要である。

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著:せがわ あき
会計事務所に10年勤務。その後、会計ソフトメーカーでの勤務を経て、現在は会計・税務・金融などをテーマにライティング活動を行う。会計事務所では、顧問先の会計業務や融資支援に従事。融資のための提出資料作成や融資・資金繰りのアドバイスなどを行う。会計ソフトメーカー時代には、お客様対応業務に加えてソフト開発にも携わり、お客様の声を製品に反映させる仕事に従事。
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