海外におけるアニメのマーケット

続いて日本のアニメの海外マーケットについて説明しよう。

市場規模について

先ほどと同様に日本動画協会の調査結果を紹介すると、日本アニメの海外市場は2009年、2,544億円だったが、2019年には1兆2,009億円まで拡大している。増加率は10年間で372%増であり、日本市場の29%増と比べると、いかに海外市場の方が大きく拡大しているかがよく分かる。

アニメ関連ビジネスの事例

海外市場に着目してビジネスを展開する場合、海外からのインバウンド観光客に注目するのが手っ取り早い。たとえば、訪日観光客向けにアニメの聖地をめぐるツアーを展開する、といった具合だ。海外に拠点を有していなくても、外国人に狙いを絞ったビジネスは展開できる。

「国内+海外」のマーケット規模の推移

国内と海外を合算した日本アニメの世界市場の規模も紹介していく。2009〜2019年にわたって以下のように推移してきた。一度も前年比減となったことがない。

「国内+海外」のマーケット規模の推移
出典:日本動画協会

アニメ業界の最新トレンドをチェック

アニメをテーマにビジネスを展開する場合、アニメの最新トレンドについても知っておきたい。具体的に何のアニメ作品が人気であるかだけではなく、どのようなテーマやジャンルのアニメが増えているのかというマクロ的な視点も持っておきたい。

近年は、主人公が異世界に転生して活躍する「異世界転生作品」や、人気作品のサブキャラを主人公にした「スピンオフ作品」などが増えつつある。異世界転生作品としては「転生したらスライムだった件」、スピンオフ作品としては、たとえばマンガ作品では「刃牙シリーズ」のスピンオフ作品が有名だ。

今後、これらのアニメ化も進みそうだ。

市場の「成長性」に着目を

アニメに限らないが、趣味がビッグビジネスのきっかけになることは十分にあり得る。ただし、今後そのような視点で趣味を選ぶのであれば、そのジャンルの市場規模が今後拡大する見込みである趣味の方がベターだ。アニメはその筆頭格と言える。

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文・岡本一道