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不動産管理会社設立の概要

個人で賃貸物件などを管理・経営されている方が、賃貸物件に関わる年間の賃貸収入が増えてくると不動産管理会社を設立する場合があります。不動産管理会社とは、不動産のオーナーの方が所有する賃貸物件の保有・管理を行う会社のことですが、一般的な会社と異なり、主に節税のために設立することが多いといえます。

この不動産管理会社を設立すると、場合によっては、所得税の節税、設立した不動産管理会社からの給与に対して給与所得控除の適用を受けて課税対象を減らすことができる、また不動産管理会社を設立することにより、その他節税対策ができるといったメッリトがあります。

デメリットとしては、法人設立自体に費用がかかる、法人の経理は複式簿記で行う等、事務が煩雑になる、不動産管理会社設立の主な目的の一つは節税であるため、税理士に対する報酬がかかるなどがあります。また、不動産管理会社は、その形態により、委託管理方式、一括借上げ方式、不動産保有方式などがあり、どの形態を採用することが得策であるかについて検討する必要があります。

不動産管理会社を設立した場合でも、所得の状況によっては、税負担が増えることもありえるため、設立に際しては税理士に相談するなどして、充分に検討をする必要があるといえます。


不動産管理会社設立のメリットについて

不動産管理会社設立のメリットについてですが、一つは、所得税の節税です。個人の所得税は超過累進税率により課税されるため、収入が増えるほど課税税率が高くなります(所得税の最高税率については、現在のところ課税所得が1800万円超の場合に40%ですが、平成27年からは、課税所得4000万円超の場合には45%になります。)。

従って、課税所得が増えれば、法人税の税率を考慮した場合、不動産管理会社を設立した方が、節税効果があるケースが出てくることになります。さらに、不動産管理会社を設立した場合、管理会社から給与や退職金を受け取ることができ、給与所得控除や退職所得控除を受けることができます。個人事業の場合、給与所得控除や退職所得控除がないため、その分、課税対象額を減らすことができます。また、妻や子供に所得分散をすることができ、それによっても税負担を減らすことができます。

不動産管理会社を設立することによって、役員については医療保険等を会社で加入することができる、欠損金の繰越、会社の交通費規定を活用することによる節税など、節税対策として取れる方法が広がります。それぞれの場合における具体的な節税対策については、税理士にご相談されることをお勧めします。


不動産管理会社設立のデメリットについて

会社を設立するためには、最低でも法定費用(株式会社の場合:20万250円、合同会社の場合:6万円(いずれも電子定款の場合))がかかります。また、会社の実印や役員の印鑑証明書取得費などその他諸々の諸費用がかかることになります。

会社を設立した場合、たとえ赤字であったとしても7万円程度(均等割り)の法人税が発生します。この法人税の均等割りについては、資本金、従業員数などによって増加します。(資本金1,000万円以下、従業員数50人以下の場合は7万円)また、法人の経理は複式簿記で行うととや、社会保険や個人所得と法人所得の区分計算等による事務の煩雑化により、負担が増加します。

また、新たに決算申告書等や法人税の申告が必要になることから税理士報酬についても増加する可能性があります。その他については、管理会社設立の際、法人へ不動産を移転する際には、登記費用、不動産取得税等が必要となります。 また、含み益のある土地を譲渡すると元の所有者にみなし譲渡所得が課税されます。


管理会社設立による節税効果について

前述しましたように、所得税の最高税率は今のところ課税所得が1800万円超の場合に40%です(平成27年からは課税所得4000万円超という新しい区分ができ、税率は45%になります。)。所得税と住民税の最高税率を合わせると50%ほどになります。

一方、法人の場合は、国税と地方税の税率を合わせると40%ほどで、さらに法人所得が800万円未満の場合はさらに低い税率になります。従って、個人の所得が増えれば、管理会社設立により節税効果があるケースが出てくることになります。また、設立した管理会社から役員や従業員に給与として所得を支払った場合、給与所得控除を受けることができるため、家族への所得分散を図ることができ、給与所得控除額を差し引いた額に課税されるため、節税効果があります。

別のケースとして、管理会社設立の際、個人の土地を会社が賃借する場合、「土地の無償返還に関する届出書」を提出しておくと節税効果がある場合があります。、「土地の無償返還に関する届出書」を提出していない場合、会社に受贈益(法人税)が課税される場合があるからです。また、相続があった場合に、「土地の無償返還に関する届出書」を提出していれば、土地の評価が80/100で評価されることになります。


その他不動産管理会社について

前述しましたとおり、不動産管理会社には主に3つの形態があり、それぞれ委託管理方式、一括借上げ方式、不動産保有方式と呼ばれています。委託管理方式については、個人の賃貸管理業務を不動産管理会社に委託して、管理会社は管理業務(メンテナンス、家賃回収、賃借人の募集、入退去の手続きなど)を行って、その報酬対価を個人が管理会社に支払う形態です。比較的簡単に導入できる反面、管理会社は管理業務を行うだけで、空室リスクなどは個人が追うことになるなどのデメリットがあります。

一括借上げ方式は、不動産管理会社が個人から賃貸不動産を一括で借り上げ、管理会社が第3者に転貸する形態です。一般的には、委託管理方式よりも管理料の上限設定が高いため、より多くの所得を移転することができ、委託管理方式と比べると節税効果も高いというメリットがある反面、第3者との契約手続きなど事務処理が煩雑になるというデメリットがあります。

不動産保有方式は、個人が賃貸不動産の建物を不動産管理会社に売却し、管理会社が個人に地代を支払う形態です。(土地の所有は個人のままです。)一括借上げ方式よりもさらに多くの所得を移転することができ、最も節税効果が高い、消費税の還付を受けることができる可能性がある等のメリットがある反面、不動産の移転に伴う手続きやコストが必要になります。