ウイスキー「厚岸」について
北海道の地名が名前についた「厚岸」はスコッチウイスキーの伝統製法によって造られています。
厚岸の豊かな自然環境が育む厳選された原料を使用することで、地域の特色を映し出しています。
ウイスキー「厚岸」の製造地
ウイスキー「厚岸」は北海道の南東部に位置する厚岸町にある厚岸蒸溜所で製造されています。
厚岸蒸溜所を営む堅展実業株式会社は、異業種からウイスキー造りに参入。
スコットランドの伝統的な製法に倣ってアイラモルトのようなウイスキーを造ることを目指しています。
「厚岸」はアイヌ語で「牡蠣のあるところ(アッケシシ)」という意味です。
南側には厚岸湾が入り組み、厚岸湖を形成しています。
そんな厚岸の地は深い霧と豊富な泥炭が特徴で、ウイスキー造りに適した土地です。
厚岸蒸溜所の歩み
アイラへの憧れと敬意からスタートし、一歩ずつ手探りで製造工程を築き上げてきた厚岸蒸溜所の歩みを追ってみましょう。
完全ゼロからのウイスキー製造を開始する
厚岸蒸溜所は製造経験者のいない「完全ゼロ」の状態からウイスキー製造をスタートさせました。
彼らはスコットランドの文献や技術者の知識を学ぶだけでなく、トップレベルの企業が行う品質管理を取り入れます。
2013年にはウイスキーの試験熟成を開始し、2016年に蒸留を開始。
厚岸蒸溜所は、徹底した学習と努力でウイスキー製造のすべてをゼロからスタートし、自らの道を切り開いてきたことが分かります。
「多層レイヤー」によるブレンド法にたどり着く
厚岸蒸溜所は、ウイスキー造りにおいて独自のブレンド法「多層レイヤー」を確立しました。
多層レイヤーとは、季節ごとに異なる原酒や樽を組み合わせ、ウイスキーの味や香りに多様な層を重ねる手法です。
この手法により、独自の個性を引き出すことに成功しました。
多層レイヤーによる「厚岸」独自の味わいは、男性だけでなく特に若い女性にも喜ばれるそうです。
フルーティーな風味を持ちながらも、豊かなコクと余韻を楽しめるウイスキーとして、高い評価を受けるようになりました。
国内外から高く評価される「厚岸」
厚岸蒸溜所は多彩な種類のウイスキーを世に送り出し、国内外から高い評価を受けています。
2018年には「NEW BORN FOUNDATIONS」のリリースをスタート。
その後も「SARORUNKAMUY」や「二十四節気シリーズ」など独自のウイスキーを発売し、多くは国際的なコンペティションで受賞を果たし、いずれも高品質だと認められました。
二十四節気シリーズ「寒露」のWWA2021最優秀賞、「厚岸ウイスキー SARORUNKAMUY」のSFWSC2020最優秀金賞は、厚岸蒸溜所のクオリティーを証明した一例といってもよいでしょう。
「厚岸」成功の背景には、ウイスキー造りの情熱と試行錯誤を重ねてきた蒸留所の姿勢があります。
「厚岸」のこれから
ウイスキー造りのプロでない者たちが、スコットランドの知識と技術を学びながら、独自のブレンド法を確立した厚岸蒸溜所の挑戦。
彼らは現在も心地よいピートの世界を広める使命感を胸に、独自のウイスキー造りを続けています。
彼らの思いは、「心地よいピートの世界を1人でも多くの人に届けること」。
今後も地域との深いつながりを大切にし、世界でも認められるオリジナルなウイスキーを創造していくことでしょう。