東武東上線は巨大ターミナル池袋駅に直結
池袋駅は、JR東日本(山手線、埼京線、湘南新宿ライン)、東京メトロ(丸ノ内線、有楽町線、副都心線)、西武池袋線、東武東上線が通る、日本有数の大規模な駅です。
池袋駅の1日の平均乗降客数はおよそ170万人(2022年時点)で、この数は世界最多の乗降客数を誇る駅としてギネスにも認定された新宿駅に迫る、巨大ターミナル駅でもあります。
東武東上線の乗降客数
池袋は4つの鉄道会社の電車が走っています。各社とも乗降客数はおよそ40万〜50万人です。東武東上線池袋駅も1日に約40万人が利用します。
東武東上線池袋駅から続く大山、中板橋、ときわ台、成増は、池袋駅まで約10分圏内です。一方で、埼玉に続く路線のため、埼玉県にもアクセスしやすい便利なエリアです。
東武東上線のラッシュ時の混雑率※は、最も混雑する北池袋〜池袋間でも106%程度と、東京圏平均123%と比べても落ち着いた路線です。同じく池袋駅に発着する西武池袋線(椎名町〜池袋)は116%、池袋駅を通る東京メトロ3路線の平均混雑率は130%です。新型コロナウイルスの影響により混雑は緩和していますが、東武東上線はほかの路線と比較してストレスなく利用しやすい路線といえます。
※最混雑時間帯1時間の平均混雑率。2022年度実績。
朝のラッシュアワーに池袋へ向かう電車の本数は5〜6分に1本と、ほとんど待つことなく移動もスムーズです。
4駅のまち自体も、飲食店やスーパー、商店などが充実して住みやすく、都心に近いのに家賃も安く、池袋へのアクセスがよい、快適に暮らすことができるエリアです。
池袋に通う人の住むまちとして、東武東上線沿いの人口も増えています。池袋にある仲介会社によると(2020年11月取材)、最近では池袋駅周辺の1Kに住んでいた若年層が、板橋エリア(大山〜成増)の1LDKと広めの家に引っ越すことも増えているとのこと。別々に暮らしていたカップルがコロナ禍で同棲を始めるケースでは、2DKの部屋を求めて東武東上線に引っ越すケースもあるそうです。
池袋の企業や大学に通う人が暮らすまちとして、選ばれています。
池袋駅周辺の大規模再開発
池袋駅周辺では、複数の開発が現在進行中です。
「消滅可能性都市」からの変貌
池袋の位置する豊島区は、「若年女性(20〜39歳)の転入が大幅に減る」と2014年5月に日本創生会議が予測した「消滅可能性都市」として、23区で唯一名前が挙げられました。豊島区はすぐに緊急対策本部を設置し、日本創生会議の予測は住民基本台帳に基づく最新のデータとはかけ離れていると反論しました。
同時に、人口減少を食い止めるための「女性にやさしいまちづくり」事業を筆頭に、「地方との共生」「日本の推進力」の3つの方針を柱として予算化、素早い対応をとり、それらの成果もあり実際に人口は40年ぶりに一時29万人を突破するなど増加してきています。
2015年策定された「豊島区国際アート・カルチャー都市構想」のもとで計4つの公園が整備されました。消滅可能性都市と指摘を受ける前から計画が進んでいた南池袋公園の整備を皮切りに、2019年に池袋西口公園、中池袋公園、2020年にとしまキッズパークのオープンと、企業と連携しながらまちづくりが進み、池袋は変化してきています。治安に対する不安イメージもありましたが、それも払拭されつつあります。
2016年にリニューアルした「南池袋公園」は、地域の人々の暮らしを変えました。たくさんの人がくつろげる芝生広場やカフェができたことで、平日から子供連れの家族がくつろぎ、ピクニックをする様子なども見られるようになりました。
国際アート・カルチャー都市
2020年7月にオープンしたHareza池袋は、中池袋公園が位置する一帯で、豊島区が掲げる「国際アート・カルチャー都市」の実現に向けた新しい複合商業施設です。
ミュージカルや伝統芸能、アニメ、サブカルチャーを楽しめる異なる8つの劇場を備えています。
そのほかの再開発事業は、東池袋四丁目2番街区地区第一種市街地再開発事業、南池袋二丁目C地区再開発、そのほか東京国際大学 池袋国際キャンパス計画などがあります。
東池袋四丁目2番街区地区第一種市街地再開発事業
2022年2月、池袋駅からグリーン大通りを東南に進み、東京さくらトラム(都電荒川線)と交差するエリアに、高層マンションと2つの広場が完成しました。高層マンションは、1〜3階に保育園やクリニックなどが入る「プラウドタワー東池袋ステーションアリーナ」(地上36階、地下2階、高さ約125m、延床面積約31,192㎡)で、東池袋駅に直結しています。
木造住宅が密集し細分化されていた宅地をまとめることで、地区全体の防災性の向上が見込まれています。
南池袋二丁目C地区再開発
JR池袋駅の南東約700mに位置するエリア、約1.7ヘクタールの再開発です。としまエコミューゼタウン(豊島区役所)に隣り合う形で2つのタワーマンションが建設されます。北棟「グランドシティタワー池袋」は地上52階、地下2階、高さ190m、南棟は地上47階、地下2階、高さ182mとなり、2026〜2027年にかけて完成する予定です。
主な用途は集合住宅(2棟あわせて1,498戸)で、ほかに店舗とオフィス・子育て支援施設などを設けることで、生活支援機能の強化が見込まれています。
東京国際大学 池袋キャンパス計画
2023年9月、サンシャインシティの隣、としまキッズパークも開園した造幣局跡地に大学が誕生しました。
世界各国から教員・研究者を招き、グローバル教育機能を持った教育機関として、東京国際大学 池袋キャンパス(地上22階、延床面積約35,000㎡)が開校。約4,000人の学生が集います。
上記の開発以外にも、東京圏国家戦略特別区域の東京都都市再生プロジェクトに追加された「東池袋一丁目地区」などの計画もあります。
大学・企業
池袋には大学や企業も集まっています。
周辺の主な大学
大学院生含む学生数
立教大学 池袋キャンパス | 15,786人(2023年10月時点) |
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帝京平成大学 池袋キャンパス | 3,173人(2022年4月時点) |
東京福祉大学 池袋キャンパス | 3,299人(2022年5月時点) |
東京国際大学 池袋キャンパス | 約4,000人(2023年5月時点) |
周辺の主な企業
従業員数
株式会社良品計画 | 19,009人(2022年8月期) |
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株式会社ビックカメラ | 4,552人(2022年8月現在) |
株式会社クレディセゾン | 3,966人(2023年3月現在) |
アニメ・マンガの聖地でもある池袋
2020年、豊島区の推進する豊島区国際アート・カルチャー都市構想によって「豊島区立 トキワ荘マンガミュージアム」がオープンしました。現在の豊島区南長崎にあたる椎名町に、昭和27〜57年にかけて手塚治虫をはじめとするマンガの巨匠たちが青春時代を過ごしたアパート「トキワ荘」を再現した施設です。
トキワ荘から始まったマンガ文化はアニメ文化へと発展し、現在も池袋に根付いています。近年はさまざまなショップが立ち並ぶ「乙女ロード」など、アニメ関連コンテンツが池袋に集まっています。
ソーシャルゲームの開発などを手がける大手開発企業もサンシャイン60に数年前に移転し、池袋は「アニメ・マンガ」の聖地として盛り上がりをみせています。
1930年代に芸術家たちのアトリエが集まり「池袋モンパルナス」とよばれた文化の流れを汲みつつ、池袋ではさまざまな文化が交流するまちとして、今後の変化が期待されるまちのひとつです。
日々変貌をとげつつある池袋の企業や大学に通えるまちとして、東武東上線の4つの駅は、それぞれの町の魅力もあり、人気上昇中です。次はまちの様子をご紹介します。
大山、中板橋、ときわ台、成増の基本情報
人口推移
2005年から2020年にかけ、大山、中板橋、ときわ台、成増いずれの駅でも人口が増加しているのがわかります。特に成増は右肩上がりに伸びており、今後もさらなる増加が見込まれます。
現在のまちの様子(2020年12月時点)
駅周辺のまち並み
- 大山(池袋まで普通で6分)
- 中板橋(池袋まで普通で9分)
- ときわ台(池袋まで普通で10分)
大山(池袋まで普通で6分)
大山は、駅前広場の整備計画など、東武東上線の中でも再開発が進む人気のあるまちです。
商店街の全長が560mと、東京屈指の長さを誇るハッピーロード大山商店街は、テレビ番組でも取り上げられるなど、地元以外からも人が集まるスポットです。
駅からすぐアーケード商店街となるため、雨の日でも安心して買い物をすることができます。
2021年9月からはハッピーロードから続くエリアの再開発「大山町クロスポイント周辺地区第一種市街地再開発事業」が始まっています。
開発地は「大山ハッピーロード商店街」の中間地点で、4つのエリアに分かれています。2つの高層マンションを含む約340戸の住宅と、1〜3階部分に延床面積4,000㎡超の商業施設が入る計画です。2024年12月の竣工が予定されています。
再開発エリアとは反対側、大山駅徒歩7分の場所には「板橋大山公園」があり、地元の子供たちの遊び場となっています。夏にはじゃぶじゃぶ池で水遊びをすることもできます。
中板橋(池袋まで普通で9分)
駅の北口から始まる中板橋商店街には手ごろな価格の店が立ち並び、地元の住民で賑わっています。
中板橋駅周辺の石神井川沿いでは毎年春に「なかいた さくら祭り」が開催され、多くの人が訪れます。このほか「へそ祭り」や「神輿祭り」など地域に根付いたイベントが積極的に行われています。
ときわ台(池袋まで普通で10分)
「板橋区の田園調布」とよばれているときわ台は、閑静な住宅街が並ぶ高級感あるまちです。開業当時の姿が再現されたレトロなときわ台駅舎がランドマークになっています。
2000年代からマンション建設が相次いだため、比較的築浅な住戸が多くあります。
周辺は落ち着いた雰囲気で、駅周辺には飲食店やスーパーだけでなく、公園や神社など緑があふれるスポットも見受けられます。
地域のシンボル「天祖神社(てんそじんじゃ)」は、旧上板橋村の産土神(うぶすながみ)として古くから祀られている神社です。ここでは年間を通して地元のお祭りやイベントが開催されています。
成増(池袋まで急行・準急で約10分、普通で21分)
成増駅は板橋区の主要ターミナル駅であり、公共施設や商業施設が立ち並ぶ、人気のまちです。
東京メトロ副都心線・有楽町線が通る地下鉄成増駅も徒歩圏内にあるため、アクセス面でとても優れています。
北口周辺は再開発により、24時間営業の西友や470席を持つ成増アクトホールが建設されました。
成増には大小5つの商店街がありますが、その中でも「なりますスキップ村」はチェーン店が幅広く揃い、地元住民の買い物の場として親しまれています。
愛着の湧くまち
大山、中板橋、ときわ台、成増それぞれにカラーがあり、一人暮らしからファミリー層まで暮らしやすい、「活気」と「落ち着き」が共存するまちです。
商店街で地元の人や文化に触れ、自然あふれる街並みに癒やされる、長く住みたくなるまちです。