この記事は2023年9月27日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=beeboys/stock.adobe.com)

2023年9月27日(水)の午前11時すぎに、現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

西原宏一
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。

現在の為替相場の傾向や相場観

日銀のドル売り介入は保有する米ドルに限界があるため、米ドル/円が150円、もしくは155円にならないと介入の可能性は高まらないだろうというのがコンセンサスだった。ただ149.00円レベルでも介入警戒感が徐々に高まってきたためシェアしたい。 まずイエレンFRB議長のコメント。

ロイター通信は先週19日(火)、イエレン米財務長官が日本による円買い・ドル売りの為替介入に一定の条件で理解を示す趣旨の発言をしたと報じた。鈴木氏は日米の通貨当局が連携して対応しているとし、「過度の変動に対してはあらゆる選択肢を排除せず、適切な対応をとる」と改めて強調した。

これは介入に関して米国からある程度の理解を得たという意味になる。 次は我が国の総理。

岸田文雄首相は一昨日25日(月)、円安が進む為替市場について「引き続き高い緊張感を持って注視していきたい」と語った。首相官邸で円安への対応を巡る記者団の質問に答えた。「為替相場はファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)を反映して安定的に推移することが重要だ。過度な変動は望ましくない」とも指摘した。(出所:日経新聞)

鈴木財務相が「円安に対してあらゆる選択肢排除せず」と繰り返し警告しているが、前述のように米国要人や総理などからのコメントを引き出しているのをみると、いつでも介入ができるように外堀は埋めてきたともいえる。

現在の為替相場の戦略やスタンス

拡大する日米の金利差から考えれば、米ドル/円の上昇トレンドは変わらず。ただいったん介入が入れば3~5円は急速に円高に傾斜すると想定されるので、日銀の介入に対して警戒したい。

▽米ドル/円 日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。