総括
FX「続・明かりが灯りだした」南アランド見通し
「通貨10位、株価18位」
「予想レンジ 南アランド円7.7-8.2」
(ポイント)
*8月生産者物価は上昇
*中銀はタカ派
*インフレはターゲット内に収まる
*11月にAGOA会議が開催される
*遅々だが電力問題は改善
*中国景気回復の兆し
*南アヘの投資が増加
*問題は財政赤字
*政策金利は8.25%で据え置き
*8月消費者物価の予想は4.9%
*円を抜いて年初来10位へ浮上
*OECDが成長見通し上方修正
*中国による電力支援進展
*南アの最大貿易相手国は輸出入ともに中国
(南アランド円、下げて戻す粘り)
先週の南アランドは、一時、米金利上昇、米株下落、相次ぐ中国の不動産会社の支払い遅延問題でのリスク回避で下落したが、米国も政府閉鎖問題、自動車産業のストの長期化などでのドル安もありランドは買い戻され上昇。南アに必ずしもメリットがあるわけでもないが、資源価格の上昇でカナダドルが、指標改善でNZドルが上昇し南アランドも連れ高となった。ゆっくりと、バンピーであるが停電問題の改善も好感された。
(生産者物価上昇)
8月生産者物価の前年比4.3%への上昇(前月は2.7%上昇)はタカ派の中銀に緩和意欲を後退させるだろう。これまで中銀のややタカ派の政策がインフレを目標圏内に収めている。
(米国とサブサハラ諸国との通商会議を南アが主催)
南アはサハラ以南アフリカ諸国と米国との通商会議を11月2-4日にヨハネスブルクで主催する。アフリカ成長機会法(AGOA)の将来の取り扱いについて協議する。AGOAは条件を満たす国からの輸入に対し、無関税の特恵待遇を与えている。これを南アで開催することはロシアへの武器供与疑惑で悪化した対米関係の改善を意味している。免税特権のある対米貿易の維持は重要だ。
(中国指標改善を好感)
中国経済指標では小売売上、鉱工業生産、製造業PMIが改善したことも好感された。
(南アへの投資が増加)
南アへの2Qの直接投資は28億ドルに増加した。1Qの5億ランドから増加した。外国企業による国内飲料会社の買収が寄与したとしている。オランダのビール大手ハイネケンは4月、南アのアルコール飲料大手ディステルの買収を完了した。
(選挙と財政赤字)
難題は少しずつ改善しているが、残るのは財政赤字の問題だ。南アは現在ジャンク債格付けであり、財政の改善が急務だ。ただ来年選挙を控えており、1994年の政権発足以来初めて与党ANCが過半数を失う危機にあることを世論調査が示していることを考慮すると、支出の抑制はANCにとって難しい課題となるだろう。既にANCの支持団体は予算削減を拒否している。
テクニカル分析(ランド/円)
円を少し引き離す。日足雲の上に出るか
日足、雲の上維持。ボリバン上限へ。9月28日-29日の上昇ラインがサポート。8月29日-9月29日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向く、20日線上向く。
週足、ボリバン中位で切り返す。雲中へ。9月11日週-25日週の上昇ラインがサポート。7月31日週-9月25日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線上向き。
月足、8月は陰線も。9月は陽線。8月-9月の上昇ラインがサポート。7月-9月の下降ラインが上値抵抗。5か月線、20か月線は上向き。
年足、今年は円とデッドヒートを繰り返す、9月はまたもや陽転。20年-22年の上昇ラインがサポート。08年-22年の下降ラインが上値抵抗。
喜望峰
エスコム社の2023年末までの負荷軽減の見通し
電力会社エスコムは、今年の残りの期間と2024年初頭までの負荷削減の見通しを概説した。
エスコムの最高経営責任者代理カシム氏は、南アは需要が計画を下回り発電能力が向上したため、予想よりも順調に冬季を乗り越えたと述べた。
それにもかかわらず、ステージ6の負荷遮断は冬期153日のうち39日で依然として実施されており、停止の平均はステージ3とステージ4の間であると述べた。
これからの夏の展望
エスコムはデータに基づいた主要なシナリオに基づいて見通しを立てている。
すべてが順調に進み、電力会社が計画外の停止を14,500MW未満に抑えることができれば、負荷制限は最大ステージ4に制限できる。
最悪のシナリオでは、エスコムが計画よりも 3,000MW 多く損失した場合、つまり17,500MW の停止が発生した場合、負荷制限により現在の最大ステージ6を超えてステージ7に達する可能性がある。