茨城県出身、筑波大学卒業後、NTTに入社。
その後、サイバーエージェントにて同社初のコンテンツ企画制作部門を立ち上げ。
同部署メンバーと2002年ライトアップ創業。企業のメールマーケティングの企画制作からメディア運営、ITツールの開発提供等を実施。
2018年6月東証グロース市場に新規上場(証券コード6580)。
「全国、全ての中小企業を黒字にする」を目標に掲げ、金融機関、電力会社、生損保等と連携し2万社超の中小企業に対しITを活用した経営支援を実施。
これまでの事業の変遷について教えてください。
NTTに4年在籍した後、学生のサイバーエージェント社に転職し、そこでコンテンツ部門の立ち上げに関わりました。元々、私が学生時代から自身でWebコラムを連載しており、その読者が当時6万人おり、その実績と経験を買われての抜擢でした。コンテンツ部門では現場責任者として、大手企業のメールマーケを企画したり、CA社の自社メディアを日々立ち上げていました。
その後、外的要因によりCA社自身がコンテンツ企画制作に力を入れないという方針になってしまい、ライトアップを創業しました。初めての主力事業として、ライターやデザイナーを3000名ネットワーク化した「クリエイターネットワーク」を立ち上げました。今で言うクラウドソーシング事業です。専門的なコンテンツを安価でスピーディーに作り出す事ができ、その後の事業展開に大いに役に立ちました。自社が企画制作を代行していたメールマガジンは、合計で年間10億通もの配信数にまで増加しました。
その後は、ビジネスブログ、バズマーケティング、クラウドツールの開発提供、そして経営コンサルと、事業を次々に展開していきました。これらはすべて、「全国、全ての中小企業を黒字にする」というビジョンを軸に展開しています。企業はなぜインターネットに予算を投じるのか、それは売上と利益を上げ、事業体を継続させ続けること。その思いにしっかり答えたいと考え、日々、新規サービスを開発・提供し続けています。
一番感銘を受けた書籍とその理由は?
「ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か」です。週末、たまたま立ち寄った葉山の書店で、このシリーズの1つである「ザ・クリスタルボール編」を見つけたことがきっかけでした。何気なく水色の背表紙を手に取り読み進めたところ衝撃が。「これは、シリーズの一冊目から読み進めないといけない」と直感的に感じ、すぐにAmazonで注文しました。当時は、会社はIPO準備等のバタバタで業績が一時的に悪くなったタイミングでもありました。
この書籍では、物理学の権威であるゴールドラット博士がアメリカで開発したビジネス理論である「TOC」を解説しています。すぐに理論に基づいて業務を行ったところ、売上と利益が安定していきました。これは後にIPOを成功させる一つの要因になったと考えています。特に、対立解消図はビジネス以外でも非常に有用なフレームワークだと思います。私達は日々さまざまな悩みを抱えると思いますが、それらを正しく因数分解し、最適な選択をするための実践的な仕組みだと思います。
読書はどのように仕事に生きたのでしょうか。
「ザ・ゴール」は、ボトルネックが全体の生産性を決めると定義しています。営業で言えば、どんなに受注率が高くても、どんなにリピート率が高くても、新規見込み顧客が毎月3社しかいなければ3社以上の受注は有りません。ボトルネックは新規集客にあり、そこに予算と稼働を割くことが重要だと説明しています。
私たちが様々な事業を進める中で、ボトルネックが1つでも存在していたらそれは成功の妨げとなります。そのボトルネックをしっかり把握し、そしてコントロールすることで安定的に売上と利益を成長し続けることができるようになります。それらを実践するための、前述の対立解消図や問題構造ツリーなどのフレームワークが解説されています。是非試していただきたいです。
経営において重要としている考え方を教えてください。
長く続く事業というのは、やはり「社会に貢献しているかどうか」ではないかと思います。その会社があり続けることで世の中が少しでも良くなっている、それが企業の存在意義だと思います。私たちは、社会生活の中で本能的に困っている人を助けたいと思っているはずです。その思いを大切にし、道に迷っている企業がいたら積極的に助けたいと考えています。そのために日々たくさんのIT・AI系サービスを開発し提供しています。それが最終的に、売上へと繋がると信じています。
最後に、御社の未来構想や従業員への期待について教えてください。
現在の(株)ライトアップは、中小企業の新規事業をまるごと支援する会社になりつつあります。例えば社員数10名の企業が新規事業にチャレンジしたい場合、弊社では、その開発資金の確保から開発の支援、そして出来上がったサービスの販売代理まで支援します。しかもそのすべてを【成果報酬で】請け負います。「資金もない」「開発ノウハウもない」そして「営業力もない」、でも「アイデアとやる気はある!」そういった中小企業の経営者を徹底的に支援しています。今期は、合計で5000社ほどの支援を実施できる見込みです。これからもっと伸ばしていきたいと考えています。
私たちの会社がチャンスをもたらす存在になること、それが未来への願いです。ライトアップと出会うことで、自社の未来が見えた!と思ってもらえるような存在になることが目標です。
最後に、社員を含めて私たちは、皆様から大きな期待をいただいています。私たちは、「自社が儲かればそれだけでいい」ではなく、「困っている人に支援を届けたい、それで最終的には売上が上がる」ことを大切にしています。それを社員全員が実感し、共有できるような企業になるために今後も邁進していきます。
- 氏名
- 白石 崇(しらいし たかし)
- 会社名
- 株式会社ライトアップ
- 役職
- 代表取締役社長