2023年10月下旬、秋晴れの東京原宿。イベントスペース・ジングにハーレーダビッドソンのニューモデルX350とX500が展示されていると聞いて行って来ました。
中免(普通自動二輪免許)で乗れるモデルがハーレーから出ると聞いた時は「えー、本当なの?」と驚きました。それがいよいよ現実のものになろうとは。
ハーレーディーラーに勤めていた時は「中免で乗れるハーレー無いの?」とさんざん聞かれたのでようやくその問いかけに「ハイ、ありますよ!」と堂々と言えるようになるのは、ディーラーのセールスにとっては悲願成就と言えるでしょう。
ということでその中免で乗れるというX350をご紹介します。
本気度を感じさせるスタイリング!
X350 車両本体価格 699,800円(税込)
デザインはまさにフラットトラッカースタイル。
ハーレーがこの排気量で出すなら〝このデザインしかない〟と言ってもいい本気度を感じます。このスタイルだけでハートを鷲づかみされた思いです。乗らなくても飾って置くだけでもいいと思えるカッコよさです。
気になる各部をくまなくチェック!
まずは気になる足着きですが、身長169cmの私でかかとが着くので160cmくらいの女性でも問題なく乗れると思います。
車重は195kg。この排気量クラス帯のモデルとしては決して軽い車重ではないものの、これまでのハーレーの重さを体験している人にとっては車体を起こした瞬間に「おーっ、軽い!」と思わず声が出てしまうでしょう。
ライディングポジションはというと、ハンドル位置は近いです。アップライトな姿勢となり、高さを意識することなくグリップに自然と手を添えられました。
ステップの位置は少しバックステップ気味なので膝が曲がりますが、停車時に足を降ろした際にステップへ足が干渉しないのがいいですね。これなら普通自動二輪免許取り立ての人や初心者の人にも安心して薦められます。
スイッチ周りの使い勝手はどうでしょう。この部分はX350とX500は共通です。第一印象としてこのレイアウトは操作しやすいと感じました。比較して申し訳ないがナイトスターのレイアウトより格段に操作しやすいです。国産車からの乗り換えでも戸惑うことはないでしょうね。操作性の良さは安全にも繋がるので大事です。
ステップや各部の作り込みも安っぽさは感じられませんでした。これで70万円を切るのか!
排気音は水冷のパラレルツインエンジンを採用していることからも、ハーレーの代名詞でもあるドコドコ感とかは期待しないでください。その代わり小気味よく回るエンジンフィーリングはVツインとは別次元のパフォーマンスを感じることが出来ると思います。
X350を購入する多くは普通自動二輪免許の方かと思いますが、すでに大型のハーレーを所有している方がセカンドバイクとして購入するケースもあると思います。
既存のモデルでは新車はもちろん、たとえ中古でも価格がネックになり踏み出せなかったのがX350なら手が届くのではないでしょうか。
例えばですが私の息子は中免は持っているのでもしX350を手に入れたら親子でハーレーでツーリングが出来ます。私のようなお父さんたちがワクワクしながら親子でディーラーに足を運ぶ姿が目に浮かびます。中免で乗れるハーレーなんて必要無いとか、Vツインじゃなければハーレーじゃないとか言う人もいると思いますが、ハーレーが作りハーレーディーラーで販売したら何ccでもそれは紛れもなくハーレーです。
導入に踏み切った英断に拍手を送りたい!!
35年前私が初めてハーレーを買った頃、883もありましたが、その頃ハーレーに乗っていた先輩たちやディーラーのスタッフから883は厄介者のように見られていました。
でも、その後スポーツスター全体のラインナップも増え883は生産が終了した今でも中古車市場では大人気です。こうして時代は変わってきました。
X350もこれからどういう運命を辿るか分かりませんが温かく見守って欲しいものです。中免で乗れるX350が日本のハーレーの未来を切り開いていくと期待しています。
ハーレーダビッドソンジャパンが意を決して導入に踏み切った英断に拍手を送りたいと思います。
すでに多くの予約が入っていると聞いていますので気になる方はお早めに最寄りの正規販売店にお問い合わせください。