総務省 AIネットワーク社会推進会議 構成員
東京大学大学院数理科学研究科 客員教授
東京大学アイソトープ総合センター 客員教授
一般社団法人日本応用数理学会 代表会員
博士(数理科学)(東京大学)
東京大学大学院理学系研究科情報科学専攻修士課程修了.
IBM東京基礎研究所, 日立製作所中央研究所, 東京大先端科学技術研究センターなどを経て現職.
これまで、最先端数学を応用した独自のAIエンジンを構築してきました。
これらのAIエンジンは、他のAIライブラリでは実現できない高精度化と高速化を実現しています。
私たちはこのAIエンジンを組み合わせることで、気候変動やエネルギー問題などの社会課題解決に向けたソリューションを提供させていただきます。
大田代表のこれまでの変遷について教えてください。
学生時代からの話になるのですが、もともと算数が大好きだったこともあり、大学でも数学を専攻していました。修士を卒業後は、IBMと日立製作所の研究所で働きながら、ビッグデータやDNA解析などの研究を行っていました。その後縁あって大学に戻ったのですが、数学とコンピューターの組み合わせで世界の様々な問題を解決できる可能性を感じたことで起業を決意しました。
現在はArithmer株式会社代表として、最新の数学を活用した社会課題の解決に取り組んでおり、若い人にさらなる数学の可能性を伝えたいと考えています。
一番感銘を受けた書籍とその理由は?
一番感銘を受けた書籍は、イギリスの数学の教授であるイアン・スチュアート氏によって書かれた「世界を支えるすごい数学」です。
本書の中では、CGやスマホ、AIなどが全て数学によって駆動していることを事例を交えながら非常に分かりやすく紹介されています。
読み物として非常に面白いのに加え、これまで私が考えていたもののなかなか上手く言語化できていなかったものが表現されており、心を動かされました。
読書はどのように仕事に生かせたでしょうか。
読書を通じて新しいビジネスの種やインスピレーションを得ることができています。
私たちは「数学で社会課題を解決する」をミッションに掲げていますが、ご存知のように「社会課題」は多岐にわたり、我々も様々な課題にアプローチしています。
一例をあげると、弊社では気候変動の中でも「浸水」という課題に対してAIを活用し、自治体様や企業様に対してシステムの提供を実施しています。そのほかにも、エネルギー問題や食料不足、先進医療に関する課題などにも取り組んでいますが、読書を通じて、数学やAIを活用した可能性をさらに広げることができると感じています。
経営において重要としている考え方を教えてください。
「お客様の声を一番に考えること」と「数学を使いこなすこと」を重要視しています。
「お客様の声を一番に考えること」に関してですが、やはり自分たちの頭の中だけでは発想が狭くなりがちですが、実際に困ってるお客様の声に耳を傾けることでビジネスに広がりが出てくると考えています。
また「数学を使いこなすこと」も同様に大切にしています。言わずもがな経営において様々なものを定量的に数値化することは重要ですが、そこに止まらず論理的に推論していくことで数学を経営に役立てることができています。
一方で、いろいろな経営者の方のお話を伺っても、「経営はこれだ」という解のようなものはなく、時代や外部環境によってどんどんと変化させていくことも非常に重要なのだと考えています。 我々も自分の得意な「数学」というものを一つの軸としながら柔軟に変化していきたいと考えています。
最後に、御社の未来構想や従業員への期待について教えてください。
今はITやAIの影響でグローバル規模で、かつダイナミックな変化のある時代です。
私はこれまで大学で常に欧米とかアジアを意識して研究をし、英語で論文を書いて、というのをやってきたのですが、弊社としても国内のクライアントだけに止まらず、世界にどんどん足を伸ばしていき、世界に広がるような会社を目指してます。
そのために、従業員の方々も常にグローバルな視点を持ち、国内だけではなく、世界全体に視点をあててもらいたいと考えています。
- 氏名
- 大田 佳宏(おおたよしひろ)
- 会社名
- Arithmer株式会社
- 役職
- 代表取締役社長兼CEO