青木 一平(あおき いっぺい)
2006年に東証一部上場企業である株式会社光通信へ入社。
コールセンター営業部門の統轄部長及び子会社数社の代表を務める。
その後、2011年に起きた東日本大震災をきっかけに独立を決意。 2013年に株式会社Everエフォートを設立後、現在ではメイン事業であるコールセンター事業のみならず様々な事業展開を手掛ける。
2013年4月、東京都豊島区池袋に本社を設立。
主に通信、水道、電気などのインフラサービスのコストダウンや、お客様のニーズにあった様々なサービスの提案をインサイドセールスを通じて行う。 取り扱う商材では全国1位を獲得し続けるなど、圧倒的な営業力を武器に業界からも一目を置かれる存在となる。
これまでの貴社の事業や組織の変遷について
私たちは、基本的にアウトバウンドコールセンターを主軸とした在庫を持たない代理店としての事業を展開してきました。キャリアから商品を取得し、それを販売するという形で事業を推進しています。私が過去に光通信のコールセンターの事業部で統括部長を務めていた経験が、この事業を始めるきっかけとなり、またその頃のノウハウが、私達のこれまでの成長の基盤になっています。
過去10年間で私たちの事業や組織は大きな変革を経験してきました。特に、社会の流れとともに個人事業主が増え、アルバイトや業務委託など働き方が多様化していますので、私たちは人材の多様性を認識し各々の働き方を尊重したうえで、会社の中での選択肢を増やすことで時代の変化への適応を行っています。
組織拡大における課題や苦労した点
我々が組織拡大を進める中で直面した大きな課題は、100人以上の従業員を抱えることの雇用リスクでした。今の時代、業務委託やアルバイトの方が税金などの金銭面でみても、社員と企業両者にとってメリットは多いです。 しかし、私の得意とする事業モデルは“人数×生産性”のモデルでしたので、多くの人数を抱えることでより多くの顧客に対応するというスタイルで、組織を拡大する決断をしました。
また、その分私たちは新入社員の育成にはとくに力を入れてきました。 特徴的な点でいうと、私たちがまず新入社員に伝えることは、『頑張れば昇進したり収入が増える』というようなキャリアアップについて伝える事はもちろんですが、下の階段を見せるようなアプローチも強く行うようにしています。つまり、もし今頑張らずに逃げ出したら、力が身につかないまま転職回数が増え、さらに次の会社でも短期間で仕事をやめることが続き、社会に必要とされないような人材になってしまう。ということを伝え、自分が選んだ仕事に、一定の期間を決めて本気で向き合うことの重要性を伝えています。
組織拡大の過程で重視していることや従業員への向き合い方
組織拡大の過程で最も重視していることは、責任者比率を20%に保つことです。その比率が確保できる場合のみ組織拡大を行っていきます。1人のマネージャーが見れる限界は5人と考えているので、1人がマネジメントする人数については十分に考慮するようにし、逆に、責任者比率が25%を超えてきた際には、新規事業の展開などを検討するようにしています。
従業員への向き合い方については、従業員に対しては常日頃『バッターボックスに立ったら全力でバットを振る』ということを求めています。つまり、それぞれのメンバーが自分の力を最大限に出し切ろうとする姿勢を求めているということです。勇気を出してチャレンジしたメンバーに対しては失敗したとしてもその姿勢が認められるような環境作りを意識しており、逆に、チャレンジする手前で諦めてしまうことに対しては、はっきりと指摘するようにしています。 これらの方針は、私自身が従業員に直接伝えることに加え管理職のメンバーも同じ方針でマネジメントするように徹底してきました。
従業員の価値(人的資本)向上に向けて取り組んでいること
社員が自分の価値を高めるためには、まず目の前の仕事に対してひたむきに努力することが必須だと考えています。経営者は皆さんそうだと思いますが、私がこれまで経験してきた苦労や葛藤は今の立場を築くために必要なものだったと感じており、これらの苦労や努力の成果は、後になって振り返ってみないとなかなか理解できないものだと思います。 これからそういった事を経験していく若い世代にも、その価値を理解してもらいたいですね。 そのため、社員に対しては、どんなに大変でも目の前の仕事に全力で取り組むことの重要性を私自身が直接、何度も何度も伝えています。その結果、社員が自分の部下に対し私を真似して同じように伝えるようになり、さらに彼らの部下に対しても同じように伝えるというように、だんだんと価値観や理念が会社全体に浸透し、社内の文化や風土を形成してきました。
今後の展望と従業員への期待について
私たちの行っている代理店事業は商材元のキャリアの都合でいつでも終わりになる可能性があるという大きなリスクを背負っています。そのため、将来的にはストック型の収益モデルとなるような自社商材を開発し販売することで、安定した収益源を確保し、社員の雇用を守る基盤を強固なものにしたいと考えています。 今はまだ目標に向かっている途中ですが、まずは既存事業で成果を上げ、自社商品を開発するための資金を作るために私自身も全力で仕事をしています。
また、従業員への期待することについては、新たな知識やスキルの習得だけでなく、日々、自身の意識や態度を見つめ直すことを大事にしてほしいと思います。挨拶をするであったり、不正をしないであったり、当たり前のことを当たり前にできる人間になってほしいです。 そのベースの上で努力をすることによって、仕事で価値を得られるようになり、仕事に対して前向きに取り組めるようになり、その努力に見合った成果につながる。という好循環に繋げることで、社員の幸せにつながることを期待しています。