人民元見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「人民元円は、ドル安に伴い反落」人民元見通し

(通貨7位、株価18位)

予想レンジ 人民元/円20.4-20.9

(ポイント)
*通貨は高値で安定も、ドル下落とともに小反落
*10月工業利益は伸び鈍化
*今週は各種PMIの発表
*政府は対外に経済を開放すると主張も海外は警戒
*為替は慎重にコントロール
*金融緩和は継続
*株価は弱く年初来マイナス圏
*米中首脳会談は再び開催される予定
*HSBCがIMFに続き成長見通し上方修正
*ドル売り人民元買い介入か
*中国の米国債保有高が8054億ドルに減少
*BYDが過去最高益
*1兆元の国債発行し景気対策へ
*米の経済制裁は続く
*世界では中国回避の流れもあるが、14億人の消費は捨てがたい
*対米貿易では首位を陥落

(ドル安で人民元も後退)
11月24日に今年の高値20.937をつけた。昨年の高値20.896を上抜いた。それでも年間では7位、円がいかに弱いといことだろう。今週はドル下落で、ドルとある意味ペッグしている人民元も下落している。
一方、株価は上海、ハンセンともに弱い。上海総合指数は11月29日終値で年初来2.19%安、香港ハンセン指数は14.09%安。景気減速や海外資金の流出が要因だと言われている。
中国からの報道では景気回復のものが多いが、そうならば、もう少し株が上ってもいい筈だがそうはなっていない。

(工業利益、10月は大幅に伸び鈍化-デフレ圧力続く)
10月工業利益は、デフレ圧力が続く中、伸び率が前月を大幅に下回り、2023年末の景気回復が依然脆弱であることを示唆した。
 10月の工業利益は前年同月比で2.7%増。9月の11.9%増、8月の17.2%増から大きく伸びが鈍化した。1-10月は前年同期比7.8%減。1-9月は9%減だった。

(今週の指標)
今日は11月政府版製造業・非製造業PMI、明日は財新製造業PMIの発表がある。いずれも小幅改善の予想だ。

(為替レートのオーバーシュートリスクを断固として防止)
 人民銀行は、2023年第3四半期の中国の金融政策実施報告を発表した。市場の需要と供給に基づき、通貨バスケットを参考に調整される管理変動相場制を堅持し、現在を起点として長期的な視点に立って、市場のプロシクリカルな行動を断固として是正し、不当な行動に対しては毅然と対処するとした。市場秩序を混乱させ、為替レートのオーバーシュートリスクを断固として防止し、一方的なコンセンサス期待の形成と自己強化を防ぎ、人民元為替レートの基本的な安定を合理的で均衡のとれた水準に維持する。主要分野における金融リスクを効果的に防止および解決し、金融機関が地方債務リスクの解決を積極的かつ着実に支援するよう導き、システミックな金融リスクがないという収益を維持する。

(中国人民銀総裁、金融緩和の継続表明) 
 人民銀行の潘功勝総裁は、景気下支えで緩和的な金融政策を続けるとしたほか、成長のためのインフラ・不動産依存を減らすため時間をかけて構造改革を行う必要があるとの認識を示した。
ここ数カ月の景気モメンタムは中国が2023年に成長目標(5%前後)を達成することを示唆していると指摘。「24年以降も健全で持続可能な成長を享受できると確信している」と述べた。
食品価格、特に豚肉価格の下落が持続しないため、今後数カ月で消費者物価伸び率が上向くとの見通しを示した。また、企業活動を示す購買担当者景気指数(PMI)に明るい兆しがあるとも指摘した。
また、世界のマクロ経済政策対話の強化に貢献する考えも示した。外国金融機関が中国で事業を展開しやすくするとともに、国際金融センターとしての香港の役割を支援すると表明した。

(世界の中国回避の動き)
中国の李強首相は、コロナ禍後の外国企業からの投資を積極的に受け入れると宣言したが、一部の西側企業は懐疑的な目を向ける。改正反スパイ法やコンサルティング企業への家宅捜索などの要素が背景にある。
米商工会議所のマイケル・ハート代表は「中国現地で働く企業幹部は事業を継続したがっているが、米本国の取締役会が及び腰だ」と述べた。
欧州企業は、中国政府が同国製造業への融資を指示しているため公正な競争が保たれないとの懸念を呈してきた。またカナダの企業団体は、2018年から21年まで2人のカナダ人が中国で拘束され続けたことを巡る「わだかまり」が残っていると説明する。
プリマベーラ・キャピタルの創業者フー氏は、マクロ経済に対する不透明感の高まりや、資本市場の先行きが見えにくいこと、ハイテクや教育といった高成長業界への過去の締め付けを巡る根強い懸念に言及。「ハイテク企業や他の民間企業は公開市場で資金を調達して流動性を確保できなければならないので、現在の中国の市場環境は実体経済にとってかなりの痛手を与えている」と述べ、中国専門のPE企業は資金を東南アジアやオーストラリア、欧州に移しつつあると付け加えた(ロイター)

テクニカル分析(人民元/円)

年初来高値更新から3日連続陰線

日足、3連続陰線、ボリバン下位へ下落。10月31日-11月29日の上昇ラインがサポート。11月28日-29日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向く、20日線上向き。
週足、ボリバン2σ上限近から反落。9月11日週-10月30日週の上昇ラインがサポート。5週線、20週線上向き。
 月足、ボリバン2σ上限。今週はここまで十字線。9月-10月の上昇ラインがサポート。22年10月-23年9月の下降ラインを上抜く。
年足、3年連続陽線。23年も陽線。ただ22年は上ヒゲが長い。20年-21年の上昇ラインがサポート。

人民元見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

チーファンラマ

衣料通販シーイン、米IPOを申請

中国発のファッション通販大手SHEIN(シーイン)が米国での新規株式公開(IPO)を非公開で申請したことが分かった。2024年に上場する可能性があり、ゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェース、モルガン・スタンレーが主幹事に起用されたという。
企業価値は5月時点で600億ドル以上と評価された。IPOが実現すれば、米国に上場する中国設立企業の価値としては、21年に評価額680億ドルで上場した配車大手ディディ・グローバル以来最高となる見通し。

情報提供元:FX湘南投資グループ
本レポートは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたしま す。また、本レポートに記載された意見や予測等は、今後予告なしに変更されることがございます。 なお、本レポートにより利用者の皆様に生じたいかなる損害についても、FX湘南投資グループグならびに株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承願います。