「フィッシング詐欺」による被害が後を絶たない。一方、よくある手口や気を付けるポイントを知っていれば、被害に遭わずに済むケースも多い。そこで、事前に知っておきたいこれらの知識を解説していく。
フィッシング詐欺とは ?
警察庁はフィッシング詐欺について、以下のように説明している。
「実在のサービスや企業をかたり、偽のメールやSMS (携帯電話のショートメッセージ) で偽サイトに誘導し、IDやパスワードなどの情報を盗んだり、マルウェアに感染させたりする手口」
クレジットカード情報や、ID・パスワードなどのアカウント情報が盗まれると、インターネット上で勝手に買い物をされたり、アカウントが不正利用されてお金を奪われたりする。
「マルウェア」とは悪意のあるソフトウェアのことを指し、マルウェアに感染すると自分のパソコンやスマートフォンが乗っ取られ、情報を奪われるだけではなくフィッシング詐欺のためのメールやSMSの発信源として使われてしまうこともある。
フィッシング詐欺では、クレジットカード番号やインターネットバンキングのID・パスワードなどのほか、氏名や住所、電話番号、生年月日の情報を入力させられたり、最近ではマイナンバーカードの画像のアップロードを求められたりすることもある。
フィッシング詐欺のよくある手口
フィッシング詐欺の誘導方法としては、大きく「メール」「SMS」「ウェブサイト」「ウイルス感染」「SNSのDM (ダイレクトメッセージ) 」に分けられる。
メール
電子メールを使った手口の場合、大手企業などになりすましてメールが送付されてくる。本文中に記載されたリンクをクリックしてしまうと、情報を奪い取るためのウェブサイトに飛び、被害につながってしまう。
SMS
電子メールだけではなく、携帯電話のショートメッセージであるSMSが利用されるケースも多い。「荷物が届きましたがご不在でした。以下のリンクから確認ください」といった嘘の内容で、フィッシングサイトへ誘導してくる。
ウェブサイト
インターネットでネットサーフィンをしていると、知らず知らずのうちにフィッシングサイトのリンクをクリックし、アクセスしてしまうことがある。検索エンジンの結果に表示される広告で詐欺サイトが表示されることもある。
ウイルス感染
フィッシング詐欺の被害を防ぐためには、ウイルス感染にも最大限の注意が必要だ。メールに添付されているファイルを展開 (クリック) すると感染するといった手口が典型例だ。
SNSのDM
近年はメールやSMSだけではなく、FacebookやX (旧Twitter) などのSNSのDM機能を使って詐欺サイトに誘導しようとしてくるケースも多い。
フィッシング詐欺に遭わないための4箇条
フィッシング詐欺の手口や誘導方法を知ったところで、被害に遭わないための4つのポイントを解説する。
① URLはすぐにクリックしない
メールやSMSに記載されたリンクを安易にクリックしないこともポイントだ。不審な内容だった場合、まずは家族や警察に相談しよう。
② よく使うサイトはブックマーク登録しておく
インターネットで検索をしたりリンクをクリックしたりする回数が増えるほど、フィッシング詐欺に遭うリスクも高まる。よく使うサイトはブックマークに登録しておくなどし、詐欺サイトに誘導されるきっかけを減らしておく姿勢も大切だ。
③ ポップアップウィンドウに個人情報を入力しない
フィッシング詐欺では、リンクをクリックした際に別ページが新たに開く「ポップアップウィンドウ」上で個人情報を入力させようとするケースも目立つ。唐突に新たなページが別ウィンドウで表示されても、すぐに個人情報は入力せず、②で解説したブックマーク登録した公式サイトにアクセスし、操作ガイドなどで、正しい手続きや入力方法であるかを確認しよう。
④ セキュリティ対策ソフトを導入しておく
使っているパソコンにセキュリティ対策ソフトをインストールしておくことも重要だ。ただし、ウイルス対策は日々進化しているため、ウイルスへの感染を防止するためには常に最新化しておく必要がある。ソフトウェアの設定で最新版に自動でアップデートする設定にしておくと、より安心だ。
インターネットバンキングを装うフィッシング詐欺も多い
最近はインターネットバンキングを装ったフィッシング詐欺の手口も多い。IDやパスワードを盗んで預金をだまし取ろうという目的で、「銀行取引が制限されました」「不正なログインがありました」といったメールを送りつけてくる。メールアドレスが銀行の公式のものか確認することが対策の一つとなる。
不審な点があったら、すぐに家族や警察などに相談を
各都道府県警察のフィッシング相談窓口は、以下の警察庁の公式ページから確認できる。
▼フィッシング対策|警察庁
https://www.npa.go.jp/bureau/cyber/countermeasures/phishing.html
メールやSMSの内容に少しでも不審な点があったら、すぐに家族や警察などに相談しよう。
(提供:大和ネクスト銀行)
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