積水ハウスをスポンサーとする総合型REIT積水ハウス・リート投資法人(J-REIT:3309)が、2023年12月21日に2023年10月期(第18期)決算説明会を実施しました。


資産運用を通じて人・社会・未来を豊かにする ―― 積水ハウス・アセットマネジメント阿部社長による決算説明



本記事は、積水ハウス・アセットマネジメント株式会社 代表取締役社長 阿部 亨氏による説明会での発表の一部を抜粋・編集して紹介します。詳細については、こちらの動画を御覧ください。

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目次

  1. 運用ハイライトと今後の取組み
  2. 【外部成長】ガーデンシティ品川御殿山について
  3. 【外部成長】ポートフォリオ構築方針の変更について
  4. 【内部成長】住居:稼働率推移

運用ハイライトと今後の取組み

1口あたりの分配金については、 2023年10月期(第18期)は1,976円となり、前期比プラス195円、公表予想比プラス81円となりました。2024年4月期(第19期)、2024年10月期(第20期)の分配金は、それぞれ1,835円、1,732円と予想しています。

巡航EPU(当期純利益から発生した譲渡益及び譲渡益にかかる資産運用報酬を控除し、 ATA(注)を加算した1口あたりの利益)は、東京でのオフィスビルの収益低下を主因として、減額予想となっています。今後、この巡航EPUの回復に向けて抜本的な対策を行っていく必要があると考えています。

外部成長ですが、資産の入れ替えについては第18期ですでに契約を行っている御殿山SHビルで10分割での売却の第1回目、10パーセント分の持分の譲渡を行っています。また、金沢に所在するシャーメゾンステージ金沢西泉についても今後の収益性に期待ができないため、売却をしました。取得については、川崎市のエスティメゾン登戸の住居1物件です。 内部成長については、オフィスビルの期末の稼働率は、前期末より0.8%アップの94.4%となりました。赤坂ガーデンシティでは、新規契約と増床で93.5%まで回復をしました。一方、 ガーデンシティ品川御殿山は新規契約が2件あったものの、稼働率がほぼ横ばいとなっています。また、ガーデンシティ品川御殿山の鑑定評価額が、前期末の880億円から667億円と大きく低下しました。

住居は、期末の稼働率は97.3%と引き続き97%を堅持し、新規契約時の賃料変動率も、プラス4.2%に上昇しています。 東京23区のシングルタイプでもプラス1.9%に上昇しており、全体的に回復から好調に移行しているという段階です。 東京23区のシングルタイプの復調は非常に力強く、全国主要都市の稼働も引き続き好調です。今後も高稼働率を維持、継続しながら、賃料増額、礼金取得による収益向上を図っていきます。

ホテルについては、現在保有しているセントレジスホテル大阪でインバウンド需要が戻り、業績は回復してきています。引き続き、固定マスターリース契約の継続を基本としつつ、更新後の契約内容を検討していきます。 ESGについては、初めてDJSI Asia/Pacificの構成銘柄へ選定されたのがトピックです。

(注)ATAとは、一時差異等調整引当額(譲渡に係るものを除く)のことをいいます。

(※)詳しくは説明会動画を御覧ください。

【外部成長】ガーデンシティ品川御殿山について

ガーデンシティ品川御殿山の稼働率は、今後新規契約や館内増床が無かった場合には、来年の7月末で大口テナントの退去を控えているため、 50%を下回る見込みです。現在もリーシングを続けているため少し上振れてくるとは思いますが、非常に厳しい稼働率になると予測をしています。 また、期末の鑑定評価額は新規契約での賃料水準が低下したことと、周辺ビルの募集賃料等の下落をベースにして、前期末の880億円から213億円マイナスの667億円となりました。 こちらの額については、期末の帳簿価格を27億円下回るという内容になっています。本物件を継続保有するということで巡航EPUの押し下げ要因となるため、基本は譲渡をしていく方針です。

(※)詳しくは説明会動画を御覧ください。

【外部成長】ポートフォリオ構築方針の変更について

大規模オフィスビルの需給に不透明感があること、 一方で住居についてはコロナ前の水準まで回復をし、コロナ禍もオフィスビルほどの影響が出なかったこと、スポンサーパイプラインで住居の物件が多くそろっているということ等から、 ポートフォリオの構築方針を変更します。具体的には、これまで住居とオフィスビルがそれぞれ45%程度を目標としていたのを、今後は住居65%程度、 オフィスビル30%程度とします。 スポンサーグループが最も得意としている住居を主軸に、我々のアセットを構築していくことで収益の安定性を構築していきたいと考えております。

(※)詳しくは説明会動画を御覧ください。

【内部成長】住居:稼働率推移

住居の第18期の平均稼働率は97.2%、 期末時点で97.3%まで回復しています。 東京23区内シングルタイプの稼働についても、10月末時点で96.5%まで回復してきています。東京都は引き続き人口流入の傾向が強く、 また、有効求人倍率も上昇しているため、23区の稼働率向上と賃料アップは今後さらに注力をしていきたいと考えています。

(※)詳しくは説明会動画を御覧ください。