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(画像=ZenGroup株式会社)
ソン・マルガリータ
ZenGroup株式会社CO-FOUNDER, CEO
Far Eastern Federal Universityにて日本語を専攻し、2006年から1年間富山大学へ留学。帰国し、Far Eastern Federal Universityを卒業。その後日本へ渡り、東京大学に研究生として入学。2014年、ゼンマーケット合同会社(のちZenGroup株式会社)を創業し、代表に就任。
ZenGroup株式会社
ZenGroup株式会社は「世界の越境EC販売額20%を日本に」をミッションに掲げ、日本の販売額シェア20%を目指しています。海外向け購入代行サービス「ZenMarket」、海外向けサブスクリプションボックスサービス「ZenPop」、越境ECモール「ZenPlus」、海外プロモーション代行サービス「ZenPromo」を運営。会員数は200万人を超え、これまで世界175か国へ発送を行ってきました。

これまでの変遷について教えてください。

ZenGroup株式会社は2014年に創業し、それ以降様々な経験を積んできました。創業して最初の1年は、思うように利用者が伸びず目の前のことに精一杯で、目先の売上をいかに作るかばかり考えていましたが、市場調査や販路拡大を行うことで次第にお客様が増えてきました。お客様が増える中で、朝から晩まで忙しく働きましたが、とてもやりがいがあり楽しい毎日でした。その頃から、徐々に自分の考え方が変わり、企業をより大きくすることや成長することに面白さを感じ、仕事を通してもっと面白いことができないかと考えるようになり、仕事を楽しめるようになりました。

ZenGroup株式会社
(画像=ZenGroup株式会社)

また、我々の会社は代表が4人いるため、仕事を分担しながら興味のあることに取り組んでいます。もし代表がひとりなら、自身の考えに従い迅速な意思決定ができると思います。4人集まれば、当然違う意見を持つ人が出てきます。しかし、その時に対話することで、会社にとって必要な意思決定を下していくことが重要です。4人で違う意見をぶつけ合うことは、意思決定に時間がかかったとしても大切だと思っています。今まで一度も4人での歩みを止めようと思ったことはありません。4人だからこそ、互いの強みを活かして前に進めていると感じています。

一番感銘を受けた書籍とその理由は?

私が一番感銘を受けた書籍は、ナシーム・タレブの「ブラック・スワン」という本です。彼が語っているアンチフラジャイルという概念に引かれました。この概念は要するに、不確実な事象に襲われても生き残る仕組みを作ることが大切だということです。これはビジネスだけでなく、個人の人生でも活用できると思います。

私はこの本を読んで、一つのことに依存しないで、できる限りいろんなことをやって、アンチフラジャイルな仕組みを作ることを常に考えています。例えば、コロナやウクライナとロシアの戦争は予期せぬ出来事でしたが、私たちは対応言語や配送方法を多様化することで生き残ることができました。これからも購入代理事業部だけでなく、幅広いプロジェクトに力を入れていきたいと思っています。

読書はどのように仕事に生かせたでしょうか。

書籍から影響を受けたり学びを得たりしたことは多数ありますが、組織構築や従業員育成の際にもアイデアや考え方を取り入れています。特に、私たちの企業の文化を作ることの必要性を学びました。組織としてのアイデンティティを作らないと、組織を拡大させることができないことを学び、現在は組織文化を作ることとそれを浸透させることに尽力しています。そのため私たちの会社ではカルチャーに重きを置いていますので、採用の際にも能力よりも、カルチャーフィットできるかを重視した選考を行っています。

また、マネジメントや従業員が増えるなかで、どこまで権限譲渡するのか、またどこまで仕事を任せればいいのかという調整が難しく、そのさじ加減に悩んでいるフェーズです。ここでもいろいろな本を読んで自由な環境を作ることが大切だと気付きました。私自身も旅行会社で働いていた時に、権限と責任が重要だと感じたので、従業員にも権限を与えて自由に考えさせることが、効率やモチベーション向上につながると考えています。

経営において重要としている考え方を教えてください。

オープンコミュニケーションが重要だと考えております。様々な書籍でも自由に意見を言える環境を作ることで、効率が上がると強調されていることが多いです。そこでオープンコミュニケーションを実現するためにグループセッションを実施しています。これはまだ始めたばかりですが、徐々に成果が見えてきており、積極的に続けたいと考えています。大事なことは、みんなが心理的安全性を担保して意見を言える環境を作ることです。

また、目標管理手法のひとつである「OKR」についても、3年ほど前から積極的に取り組んでいます。重視していることは、トップダウンではなく、各チームレベルで目標を設定し、自主的に実施してもらうことです。各チームが直面している問題や課題について、経営陣が全てに対応することはできないので、各チームレベルで解決できることが必要です。そのような環境の中で、自分の力で目標を達成するという成功体験を積むことでモチベーションにもつながります。自分の力で変えることができるという感覚を掴むことが重要だと考えています。

ZenGroup株式会社
(画像=ZenGroup株式会社)

最後に、御社の未来構想や従業員への期待について教えてください。

当社の今期の目標としては、売上180億を掲げております。この目標を達成するためには、主力事業の拡大だけでなく、他のプロジェクトでも売上を伸ばし、事業を多角化していくことが必要だと感じています。また、そうすることでアンチフラジャイルな企業になっていくことができると考えています。

また、組織においても従業員に権限を与え自由に働けるような文化や環境作りに努めていきたいと思っています。採用においても企業文化に合ったメンバーを採用することで、生産性の高い状態で組織を拡大していきたいと考えています。理想としては、全社員がどのような人物で、どのような価値観を持っているのか、すぐにわかるような状況を作りたいと考えています。そうすることで「私たちが一緒に働くことで様々なことにチャレンジできる」という組織効力感を持てるようにしたいと考えています。

ZenGroup株式会社
(画像=ZenGroup株式会社)
氏名
ソン・マルガリータ
会社名
ZenGroup株式会社
役職
CO-FOUNDER, CEO