株式会社トラース・オン・プロダクト
(画像=株式会社トラース・オン・プロダクト)
藤吉 英彦(ふじよし ひでひこ)
株式会社トラース・オン・プロダクト 代表取締役社長
1995年、有限会社アイ・ディー・ディー(現株式会社トラース・オン・プロダクト)設立代表取締役社長(現任)。2012年、北京大学EMBAコース修了。2013年、株式会社さんぽ路取締役(現任)。2016年、WORLDFPTE.LTE.設立取締役(現任)。2017年、TRANZASAsia Pacific Pte .Ltd .設立Director (現任)。
株式会社トラース・オン・プロダクト
当社は、「お客様への“真の価値提供”を第一にモノづくりを通じVirtualとRealを融合最適化した新しい社会の礎を創造する」を経営理念とし、モノは買う物から、サービス提供に付帯するプラットフォームになるべきであり、モノの価値は物体価値になくサービス価値にあると考えております。 「モノづくり4.0」(当社ウェブサイト「モノづくり4.0」参照)の価値の主体から、本当に求められる製品を0から組上げられる調合士であり、今後の社会が待ち望んでいるサービス価値の提供に貢献してまいります。

目次

  1. これまでの事業変遷について
  2. 経営判断をする上で最も重要視していること
  3. 経営者としてのルーツ、過去の経験から積み上がったご自身の強み
  4. 思い描いている未来構想
  5. ZUU onlineユーザーへ一言

これまでの事業変遷について

冨田: これまでの事業変遷について教えてください。

株式会社トラース・オン・プロダクト 代表取締役社長・藤吉 英彦氏(以下、社名・氏名略):

今の事業に至るまで何度も事業転換を経験しました。結果的に現在は、新たなビジネスや製品開発を目指す企業にIoTソリューションを活用したサービスを提供しています。

創業は1995年で、静岡大学の学生だった頃に起業しました。光通信が展開していた直営電話の代理店業が最初の事業でした。当時は、携帯電話やPHS(移動型無線通信機器)がスタートした時代で業態を拡大できました。しかし1999年にマイラインが始まり、その事業を終了しなければならなくなりました。

次に、インターネットサービスプロバイダー(​​以下略称:ISP)としてマンション、集合住宅へサービス展開を始めました。この事業を日本で2番目に展開したことと、大手建築業者さんと共同で販売を実施したため、事業として成功することができました。しかし、NTTなど大手企業が参入し、無料でISP導入を始めたため、サービスの価値がなくなったと感じ、ソフトバンクに売却しました。

冨田: なるほど。連続起業家として、何度もバイアウトを経験されてきたのですね。

藤吉: そうですね。次に事業譲渡で得た資金を、セットトップボックス(ディスプレイに接続して動画などのコンテンツを表示させる機材)の開発に投下し、開発メーカーとしての新しい事業を始めました。当初は、KDDIのau Boxのプロトタイプ開発を手掛けたり、大手証券会社のIP放送端末の提供等をしていましたが、最終的にサーバー含めたトータルソリューションを提供するようになり、日本全国のホテルで映画視聴端末として当社のSTBが幅広く利用されるようになりました。その当時からセットトップボックスにおいて、小型コンピュータを元にIoT分野に進出したいと考えていました。

その後、セットトップボックスにおいてIoT分野の研究に力を入れていたのですが、コロナの影響を大きく受け、ホテルはじめ既存のビジネスに大打撃を受けました。 結果的に、私たちの本来の目的である技術価値の提供に集中しようということになり、当社が特許を有するOMOソリューションである店舗DX、エネルギー削減のAIソリューション及び工場IoTソリューションなどの価値の高い事業に集中して事業を展開しています。

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経営判断をする上で最も重要視していること

冨田: 藤吉社長が、経営判断をする上で最も重視していることは何ですか?

藤吉: 2点あります。 1点目は、金銭対価以上のサービス価値をお客様に提供することです。金銭対価以上のサービス価値がない限り、事業は続きません。最初にKDDIの代理店をやっていた時、他社は集合住宅全体に設備を入れて電話代を安くする事業が採算に合わず、事業拡大ができませんでした。しかし、我々は事業拡大ができました。それは、お客様からいただく金額よりも安いコストで、サービス提供ができる土台を作ったからです。会社としても、お客様が損をするのであれば、サービスを導入しない方針にしています。

2点目は、自然の摂理と原理原則です。この2つ以外は信用していません。物事を判断する上で、自然の法則、原理原則に則っているかどうかを軸に考えています。以前、ISP事業を実施していた時に大手メーカーの開発会議に参加しました。その際に、社長命題として新規事業立ち上げを推進していましたが、理に適っていない製品でした。社長に言われたため、無理矢理作った製品にしか見えませんでした。絶対に成功しないと考えており、案の定、失敗しました。これら過去からの経験から私は、理に適っていないものや自然の摂理に反するものは信用しないと決めています。

経営者としてのルーツ、過去の経験から積み上がったご自身の強み

冨田: ご自身のルーツや強みについて教えてください。

藤吉: 私は普通という概念が違うと周りから言われることが多く、これが逆に言えば強みだと捉えています。 もっと言えば、普通という言葉がとても嫌いです。

普通やルールというものは過去の社会において共同活動に必要だった事から誰かが決めたもので、多様化した現在において適しているとは言えないものが大半で、誰も変えていないだけだと考えています。そのため、理にかなっていないものに対しては、形を変えることに抵抗感はありません。

また、経営者が新しいことを始める場合、賢い方々は行動した時のリスクを検討しますが、私は行動しないリスクを持つことが耐えられない性質です。新しい事業を始めるリスクと、何も変化しないリスクのどちらが大きいかを考えると、動かないリスクの方が大きいと考えています。

冨田: 普通とは違った考え方が藤吉社長の強みになっているのですね。だからこそ様々なイノベーションが生まれているのだと感じました。

思い描いている未来構想

冨田: 思い描いている未来構想についてお聞かせいただければと思います。

藤吉: 世界展開を目指しています。日本市場で足場固めを行い、将来的には世界で必要とされるサービスを徹底的に追求したいと考えています。過去にタイやシンガポール、マレーシアなどで事業を展開したことがあるため、世界展開の感覚は掴んでいます。日本で成果を出し、海外展開を進めていきたいと考えています。

ZUU onlineユーザーへ一言

冨田: 最後に、ZUU onlineユーザーへ一言お願いいたします。

藤吉:

30年間の起業経験を経て、今仕込んでいる事業は、これまでで最も価値のあるものだと感じています。成果が出るまで少し時間がかかる事業ではありますが、内容を理解いただいた上で、ワクワクしながら見守っていただければ嬉しいです。

氏名
藤吉 英彦(ふじよし ひでひこ)
会社名
株式会社トラース・オン・プロダクト
役職
代表取締役社長