不動産投資は投資する金額が大きいため、始める場合は基礎知識を押さえてから取り組むことが大切です。本記事では、不動産投資の仕組みや必要な資金、始め方、メリット・デメリットなどの基礎知識を解説します。併せて、不動産投資初心者におすすめの物件についても紹介します。
目次
1.不動産投資とは?
不動産投資とは、賃貸用物件を購入して第三者に貸し出し、家賃収入や売却益を得る投資方法のことです。多くの場合は金融機関から融資を受けて物件を購入します。サラリーマンの副業として注目されている他、老後の資金対策や相続時の節税対策などを目的に行う人もいます。
1-1.不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンの投資
不動産投資は投資する金額が大きいため、リスクは小さくありません。入居者がいれば安定して家賃収入を得られますが、空室が出た場合は区分所有1室なら家賃収入が途絶えます。その意味で、ミドルリスクの投資といえます。
一方で、家賃収入の他に物件の売却益も得られるので、トータルである程度の見返りが期待できます。そのため、ミドルリターンの投資ともいわれています。
1-2.不動産投資で利益が出る仕組み
前述したとおり、不動産投資で得られる利益には家賃収入と売却益の2つがあります。毎月家賃収入という利益が発生し、ローン完済後には物件を売却してまとまった現金を得られます。これが不動産投資で利益が出る基本的な仕組みです。
・家賃収入(インカムゲイン)
不動産投資は空室が出ない限り、毎月一定の家賃収入を得られます。ローンを組む場合は、家賃収入から返済することになるため、空室リスクが低い好立地物件を選ぶことが重要です。毎月の経費は家賃収入の15〜20%程度が目安といわれており、家賃収入から経費を引いた残りでローンを返済し、余ったお金が純利益になります。
・売却益(キャピタルゲイン)
不動産投資では家賃収入を得ることがメインになりますが、出口戦略として売却も考えなければなりません。購入価格より高く売却できた場合は売却益を得ることができます。
しかし、物件は経年劣化により資産価値が下がりますので、ハイグレードマンションでない限り購入価格より安い価格で売却するのが一般的です。購入価格より安く売却した場合は売却損(キャピタルロス)となりますが、それまで家賃収入を得ているので、トータルで黒字であれば損をしたことにはなりません。
2.不動産投資の元手はいくら必要?
「不動産投資はお金持ちがすること」というイメージを持つ人も少なくありませんが、実際に不動産投資を始める場合、どれくらいの資金が必要になるのでしょうか。
2-1.一般的な目安は物件価格の2割程度
住宅金融支援機構の「2021年度フラット35利用者調査」によると、マンション融資利用者の手持金(自己資金)の平均は購入価格の17.4%となっています。これは住宅金融支援機構の例なので、民間の金融機関の場合はもう少し厳しく見積もって2割程度の自己資金が目安と考えればよいでしょう。
例えば3,000万円のワンルームマンションの場合、自己資金2割であれば600万円程度の頭金で購入できます。全額自己資金で購入するのは富裕層でないと難しいかもしれませんが、融資を利用すればサラリーマンでも十分に購入することが可能です。
2-2.融資をフル活用すれば元手なしでも可能
不動産投資を始める際は、自己資金を用意した上で融資も利用するのが一般的ですが、中にはフルローンの利用が可能な金融機関もあります。ただし、フルローンの場合はローンの返済額が大きくなるため、入居者の付きやすい優良物件であることが条件となるでしょう。
3.不動産投資の始め方
初めて不動産投資を行う場合、どのような手順で進めればよいのか迷う人もいるでしょう。ここでは、不動産投資を始める際の一般的な流れを紹介します。
3-1.不動産会社に相談する
不動産投資は不動産会社に相談することから始まります。不動産ポータルサイトなどで気になる物件を見つけて、その物件を扱っている不動産会社を訪れるか、最初から不動産会社に足を運び、購入可能な物件を紹介してもらいましょう。
3-2.物件を内覧する
不動産会社に相談して投資してみたい物件があれば、現地で内覧します。新築物件の場合は完成前に売り出されるケースが多いため、モデルルームで説明を受けることになるでしょう。気になる点は内覧の時点で営業担当者に確認することが大切です。
3-3.融資の申し込みを行う
購入したい物件が決まったら金融機関に融資の申し込みを行い、事前審査を受けます。金融機関に自分でアポをとって訪れるケースと、不動産会社から紹介してもらうケースがありますが、後者のほうが審査を有利に進められる可能性が高いでしょう。
3-4.物件の購入手続きを行う
事前審査に通ったら、売買契約を結び手付金(売買価格の5〜10%程度)を支払います。売買契約と同時に金融機関の本審査を受け、本審査に通ったら金融消費貸借契約(ローン契約)を結びます。
3-5.物件の引き渡し
買主、売主、不動産会社が立ち会って物件の引き渡しが行われます。問題なければ決済に進み、登記手続き、融資の実行、決済金の処理が行われます。売主から鍵や物件に関する書類を受け取り引き渡しが完了
します。
3-6.管理会社と委託契約を締結
マンションを自主管理するのは手間がかかるため、通常は管理会社と委託契約を締結します。日常的な業務を管理会社に任せることで、サラリーマンでも物件を運用することが可能になります。委託管理費の相場は家賃の5%程度といわれています。
3-7.運用スタート
管理会社と契約したら運用がスタートします。区分マンションの委託管理では、管理会社が契約した1室について入居者募集や契約業務、家賃の徴収、クレーム対応などを行います。これによってオーナーは本業の仕事に専念でき、振り込まれた家賃だけ確認する効率の良いマンション経営ができます。
4.不動産投資のメリット・デメリット
不動産投資には、メリットがある一方でデメリットもあります。以下に代表的な項目を挙げますが、メリットがどの物件にも共通する内容であるのに対し、デメリットは物件選びによって避けられる内容もあります。
4-1.不動産投資のメリット
不動産投資のメリットは以下の通りです。
・現物資産のためインフレに強い
不動産は現物資産のため、物価が上がると不動産価格の上昇や家賃の値上がりにつながります。インフレの状況下では貨幣価値が下がってしまうため、現金ではなく不動産を所有することでインフレ対策になります。
・節税対策になる
相続税評価額は現金や預貯金が100%の評価額になるのに対し、不動産は70%程度に軽減されます。賃貸用不動産ではその価格のさらに70%程度になるため、節税効果が高くなります。また、不動産所得が赤字になった場合、給与所得などと「損益通算」して所得税を減らすことも可能です。
・生命保険代わりになる
不動産投資ローンを組むと、原則として団体信用生命保険(団信)に加入することになります。団信の加入者が万一死亡または重度障害者になった場合は、ローン残債の返済が免除され、遺族に借金のない不動産を遺すことができます。
4-2.不動産投資のデメリット
一方、不動産投資のデメリットとして以下のようなリスクが考えられます。
・空室リスクがある
入居者にはそれぞれに事情があるため入居期間はまちまちです。そのため、不動産経営において空室リスクは避けられません。区分所有1室の場合は空室が出ると家賃収入が途絶えるので、手持ち資金からローンを返済することになります。
・災害リスクがある
自然災害が頻発している昨今、不動産オーナーにとって災害リスクは身近な問題になっています。そのため、購入する前に物件があるエリアの災害リスクを確認することが大切です。災害リスクは、以下のハザードマップポータルサイトなどで確認可能です。
・流動性が低い
出口戦略として物件を売却したくても、買い手が見つからない場合があります。見つかったとしても数ヵ月以上かかることもあり、流動性が低いのがデメリットです。少しでも早く売却するためにも、好立地物件など買い手の付きやすい物件を選ぶことが重要です。
5.不動産投資初心者におすすめの物件は?
不動産投資初心者には、新築区分マンションがおすすめです。新築マンションはいつの時代も一定の人気があり、新築限定で物件を探しているユーザーもいるため、中古マンションに比べて入居者が付きやすいというメリットがあります。
また、新築マンションであれば当面の間は修繕がほとんど発生しないことから、運用コストを抑えられる点も初心者にとっては安心できるポイントです。さらに、新築マンションはデベロッパーが直接販売するため、仲介手数料が不要な点も魅力といえます。
6.初めての不動産投資なら新築区分マンション投資が最適
不動産投資には一棟所有と区分所有、新築と中古など、いくつかの選択肢がありますが、初めて行うなら新築区分マンション投資が適しています。なぜなら、常に需要がある新築マンションは、初心者にとって一番の心配ごとである空室リスクを回避しやすいからです。
また、新築マンションは最新の設備を導入している可能性が高く、利便性を重視している人からも選んでもらいやすいでしょう。
初めての不動産投資はリスクが少ない新築区分マンションでスタートさせてみてはいかがでしょうか。
(提供:Dear Reicious Online)
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