物価上昇や超高齢化社会など、様々な問題を背景に資産運用の必要性がクローズアップされています。初心者が資産運用を始める場合は、少額から投資できる商品を選ぶことが大切です。本記事では、初心者におすすめの資産運用を7つ紹介するとともに、失敗しないためのポイントも解説します。
目次
1.初心者におすすめの資産運用7選
投資初心者が資産運用に取り組む場合、どの商品を選ぶかは重要なポイントです。ここでは、数万円の少額から始められる7つの資産運用方法について紹介します。
1-1.NISA
NISA(少額投資非課税制度)は、年間で決められている非課税限度額の範囲内で投資すれば、売却益や配当金に対してかかる税金が非課税になる制度です。個別株、投資信託、ETF(上場投資信託)、J-REIT(上場不動産投資信託)などに投資でき、2024年からスタートする新制度では年間360万円まで非課税で投資できるようになります。
1-2.iDeCo
iDeC(確定拠出型個人年金)は自分で申し込んで掛金を拠出し、自分で選んだ運用方法で掛金を運用する仕組みです。得られた運用益の合計は、60歳以降に年金として給付を受けることができます。掛金、運用益、給付金は税制上の優遇措置を受けられるため、大変有利な制度です。なお、iDeCoで運用できるのは元本確保商品か投資信託で、個別株に投資することはできません。
1-3.投資信託
投資信託は、資産運用の専門家が組成したファンドに1口単位で投資する金融商品です。大きく分けて、株式投資信託、公社債投資信託、不動産投資信託(REIT)の3つがあります。株式投資信託には日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)など著名な株価指数と連動して動くように設計されている「インデックス投資信託」があるので、初心者でも投資しやすいでしょう。
1-4.ポイント投資
最近ブームになっているのが、現金を使わずに投資できる「ポイント投資」です。一例を挙げると、SBI証券とSBIネオモバイル証券ではTポイントで投資信託に投資でき、楽天証券では楽天スーパーポイントで投資信託や個別株に投資できます。値下がりしても現金で投資した場合より気楽に株価の回復を待てるのがメリットです。
1-5.単元未満株(ミニ株)
日本の株式市場は100株を単元としていますが、証券会社によっては1株単位でも売買できます。例えば単元株なら30万円資金が必要な銘柄でも、単元未満株なら1株3,000円で投資できるので、毎月同じ銘柄を単元未満購入し、いずれ単元株にするのもよいでしょう。
1-6.ロボアドバイザー
ロボアドバイザーは、AI技術を使って運用する投資商品のポートフォリオを最適化し、リバランスも行ってくれる投資サービスです。顧客のリスク許容度に応じてポートフォリオを提案してくれます。運用方法は「アドバイス型」と「投資一任型」があり、アドバイス型はAIが提案しますが、最終的な投資判断は自分で行います。一方の投資一任型は運用まですべてAIに一任できるので手間がかかりません。
1-7.不動産投資型クラウドファンディング
不動産投資型クラウドファンディングは、インターネット上で投資家から資金を募って不動産を取得し、その不動産を運用することによって得た利益を投資家に分配する仕組みです。1口1万円の少額から投資できるファンドもあり、予定利回りも高いため近年人気が高まっています。複数の物件に分散投資するREITと違って単一の物件に投資するため、現物不動産投資に近いイメージがあります。
2.そもそも資産運用とは?
資産運用は大きく分けると「預貯金」と「投資」があります。預貯金は普通預金、定期預金、定期積金など銀行で運用するタイプの金融商品です。元本保証なので資産を減らしたくないという人には向いていますが、長引く超低金利で利息はないに等しくなっており、資産運用としての意義は薄れています。
投資は株式、債券などの証券投資と、不動産、金(ゴールド)などの現物投資があります。基本的に元本保証ではなく、株式では5%程度の配当利回りを得られる銘柄もありますが、株価が値下がりすれば損失を被る場合もあります。投資するなら元本保証ではない点を心得たうえで行うようにしましょう。ただし、個人向け国債は元本保証なので安心して投資できます。
3.初心者でも始めやすい資産運用の条件
初心者が資産運用を始める場合、主に以下の3つの条件を満たした投資先を選べば、大きな損失を被る可能性は低いでしょう。
3-1.少額から始めることが可能
繰り返しになりますが、初心者であれば少額から始められる商品を選んだほうがよいでしょう。最近は資産運用を始める人が増えており、少額投資が可能な商品も多数登場しています。例として、積立投資信託や単元未満株などは100円程度から投資が可能です。
3-2.長期にわたって運用できる
資産運用は長期にわたり、複利運用することがポイントです。例えば株式であれば、受け取った配当金をそのまま再投資すれば年を追うごとに保有資産残高を増やしていける可能性があります。再投資した分にも配当金が付くため、利回りも向上するでしょう。
また、長期投資の代表である不動産投資は家賃収入でローンを返済し、完済後は純資産となるため、老後資金を作るのに適しています。
3-3.値動きが比較的緩やか
投資する商品を選ぶ場合、値動きが激しい商品は避けたほうが無難です。例えば暗号資産(仮想通貨)は、1日で数十万円の値動きが発生することもあります。
株式も日本を代表するような大型優良株は値動きが安定していますが、小型株は短期間で2倍になったり、人気が離散すると半値になったりするため初心者が投資するのには向いていません。チャートを見て変動が緩やかで、着実に上昇しているような銘柄を選ぶとよいでしょう。
4.初心者が資産運用で失敗しないためのポイント
初心者が資産運用を始める際は、「失敗したら怖い」という思いがどうしても付きまとうものです。実際に、大きな損失を出してしまう人もいます。ここでは、初心者が資産運用で失敗しないためのポイントを3つ紹介します。
4-1.余剰資金で少額から行う
初心者の場合、資産運用は余剰資金でなおかつ少額から行うことが大切です。例えば、家計簿をつけて1ヵ月3万円程度手元に残るのであれば、その範囲で行えば生活費に影響を与えることなく投資することができます。3万円ずつ積み立て方式で続けていけば、3年間で100万円以上の資産にすることも可能です。
4-2.分散投資を心がける
安全な資産運用の原則は分散投資です。分散する方法としては、以下の3つが挙げられます。
- 資産の分散=不動産と株式、債券と金(ゴールド)など
- 地域の分散=国内株と米国株、国内債券と外国債券など
- 時間の分散=一度に1,000株購入せず、100株ずつ10回に分けて購入するなど
「卵は1つのカゴに盛るな」という格言があるとおり、1つの資産に集中投資するとカゴを落としたときにすべての卵が割れてしまうので、いくつかのカゴに卵を分けておくこと(分散投資)がリスクの低減につながります。
4-3.短期的な値動きは気にしすぎない
資産運用はライフプランに合わせて、中長期で行うことが基本です。運用期間が長いほど複利効果で資産規模が拡大し、投資元本を割り込むリスクが低くなります。そのため、デイトレードやスイングトレードのような短期で結果を出すような投資は避けるべきでしょう。初心者は短期的な値動きを気にせずに済む投資先や投資方法を選ぶことが大切です。
5.資産運用の初心者は「少額・長期・分散」を意識しよう
初心者の資産運用について証券投資を中心に紹介しましたが、国債以外は基本的に元本保証ではないため、投資する際はそれぞれの商品の特徴をよく確認することが大切です。初めての投資で失敗しないためにも余剰資金で少額から始め、分散投資をこころがけましょう。加えて、目先の値動きを気にしないように長期投資でじっくり取り組むこともポイントです。
また、記事中で紹介した方法のほか、初心者には新築区分マンション投資もおすすめです。新築マンションの1室を所有することで安定的に家賃収入を得られ、管理や運営は外部に委託できるため手間がかかりません。初めての不動産投資では入居者が付くか不安になるものですが、新築マンションは物件数自体が少なく希少価値が高いので、中古マンションよりも入居者が付きやすい点もメリットです。
さらに、仲介手数料がかからない、修繕費がしばらく発生しないなどほかにもメリットが多数あるので、興味がある人は新築区分マンション投資を選択肢の1つに加えるのもよいでしょう。
※本記事は2023年7月27日現在の情報を基に構成しています。記事中で紹介した投資方法は一例ですので、最終的な投資の判断はご自身でお願いします。
(提供:Dear Reicious Online)
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