NISA口座数が業界No.1の楽天証券をすすめる人はネット上に多いのですが、デメリットもあります。
本記事では、NISA口座を楽天証券で開設するデメリットを紹介します。
また、楽天証券でNISAを開設するメリットも紹介します。
楽天証券でNISA口座を開設しようか迷われている方は、ぜひご覧ください。
NISAとは?
NISAは「少額投資非課税制度」(Nippon Individual Savings Account)の略称で、日本の個人投資家向けの税制優遇制度です。
この制度を利用すると、株式や投資信託などの金融商品に投資した際の利益(譲渡益や配当)が、一定の条件下で非課税となります。
つまり、投資で得た利益に対して税金がかからないため、より多くのリターンを得られる可能性があります。
NISAには年間の投資上限額があり、この範囲内で投資すれば税制優遇を受けられます。
この制度は、個人の資産形成を促進し、投資を身近なものにすることを目的としています。
初心者投資家にとっても、少額から始められる上に税制メリットがあるため、投資を始めるきっかけとして活用されています。
NISA口座を楽天証券で開設する3つのデメリット
続いては、楽天証券でNISAを開設するデメリットを説明します。
NISA口座を楽天証券で開設する主なデメリットは、以下の3つです。
1. 楽天以外のポイントが使えなくなる
楽天証券は、楽天以外のポイントが使えません。
楽天ポイントと名前が似ている「楽天証券ポイント」もありますが、使い勝手の評判が良くないので、95%の利用者が楽天ポイントを選んでいます。
楽天ポイントを利用しない人が楽天証券に口座を開設すると自分が使いたいポイントを選べないだけでなく、せっかく貯まった楽天ポイントの有効期限が切れる可能性もあります。
SBI証券は複数のポイントから選べます。またマネックス証券のマネックスポイントは他社ポイントへの交換が可能です。
楽天以外のポイント(Tポイント、Pontaポイント、Vポイント)を使いたい場合は、他のネット証券を選んだほうがいいでしょう。
\3種類のポイントでポイント投資が可能/
2.ポイント還元率などの条件変更が多く混乱しやすい
楽天証券は、クレカ積立(クレジットカード決済でできる投信積立)のポイント還元率を2024年までの2年間で2回も変更しています。
変更前の還元率は1.0%でしたが、2022年9月の改悪で人気のある低コスト銘柄は0.2%になりました。
2023年6月買付分から現行のポイント還元率(0.5~1.0%)に変更されており、1年も経たない間での条件変更は利用者も混乱したことでしょう。
楽天証券以外の大手ネット証券では、2年間でクレカ積立のポイント還元率を2回も変更した例はありません。
楽天は、証券だけでなくグループ全体で「よく条件を変更する会社」というイメージがついており、将来的な改悪リスクが心配されています。
\手数料無料化などのサービス拡充に積極的/
3.投資信託専用のアプリがない
楽天証券には、投資信託専用のアプリがありません。
スマホ用のサイトはありますが、アプリと比べて利便性は低い傾向です。
楽天証券は、評価の高い株アプリ「iSPEED」が有名ですが、投資信託用のアプリを開発する予定は現時点ではありません(2024年2月24日時点)。
NISA口座を楽天証券で開設する5つのメリット
楽天証券は多くのデメリットだけでなくメリットもあります。
そうしたメリットのおかげで、NISA口座数が業界No.1にまでなっています。
楽天証券のメリットを解説します。
1.楽天カードで投資信託の積み立てができる
楽天証券は、楽天カードで投資信託の積み立て(クレカ積立)が可能です。
楽天カードのランクに応じて積立金額の0.5~1.0%の楽天ポイントが貯まります。
【楽天証券のクレカ積立】
カード名 | ポイント還元率 (クレカ積立) |
年会費 (税込み) |
---|---|---|
楽天プレミアムカード | 1.0% | 1万1,000円 |
楽天ゴールド カード |
0.75%(※) | 2,200円 |
楽天カード | 0.5%(※) | 永年無料 |
楽天カードを普段から使っている人は、新たに別のカードを発行することなくクレカ積立が始められます。
\楽天カードで投資信託の積立投資ができる/
2.日経新聞が無料で読める
楽天証券は、大手ネット証券で唯一、日経新聞が無料で読めます。
日経テレコン(楽天証券版)からアクセスすると、直近3日分の日経新聞、日経産業新聞、日経MJの閲覧が可能です。
日経電子版と比べて機能面の制約はありますが、月4,000円以上かかる情報が無料で読めると考えれば、十分すぎるメリットといえるのではないでしょうか。
\月4,000円以上の情報が無料で読める/
3.ポイント投資で楽天ポイントが使いやすい
楽天証券は、ポイント投資で楽天ポイントが使いやすいです。
ポイント投資の対象商品は、他の大手ネット証券より幅広く投資信託、日本株、米国株に1ポイントから使えます。
【大手ネット証券のポイント投資の比較】
楽天証券 | SBI証券 | マネックス 証券 | auカブコム 証券 | 松井証券 | |
ポイント 投資 対象 ポイント | 楽天ポイント | Vポイント Tポイント Ponta ポイント | マネックス ポイント | Ponta ポイント | 松井証券 ポイント |
ポイント 投資 対象商品 | 投資信託 日本株 単元未満株 米国株 | 投資信託 日本株 単元未満株 | 投資信託 (積み立てを除く) | 投資信託 単元未満株 (積み立てを除く) | 投資信託 (3銘柄) |
利用単位 (下限) | 1ポイント | 1ポイント | 1ポイント | 1ポイント | 100ポイント |
4.条件達成で楽天銀行の預金金利が最大0.1%に上がる
楽天銀行に口座があれば、口座の連携(マネーブリッジ)により普通預金金利が最大0.1%に上がります。
条件は、楽天証券と楽天銀行の口座開設、マネーブリッジ(無料)申し込みの2つだけです。
少しでも銀行預金の金利を上げたい人は、楽天銀行と楽天証券に口座を開設しましょう。
5.条件達成で楽天市場のポイント還元率が最大1.0%上がる
楽天証券は、楽天市場のポイント還元率が上がるSPU(スーパーポイントアッププログラム)の対象サービスの一つです。
条件達成でポイント還元率が最大1.0%上がります。
【SPU(楽天証券)】
条件 | ポイント 還元率UP |
---|---|
・マネーブリッジの設定 ・投資信託への投資金額が月3万円以上 ・うち楽天ポイントを1ポイント以上利用 |
0.5% |
・マネーブリッジの設定 ・米国株への投資金額が月3万円以上 ・うち楽天ポイントを1ポイント以上利用 |
0.5% |
条件の判定は、毎月おこなわれるため、楽天市場でまとめ買いしたい月だけ条件を達成させてポイント還元率を増やすこともできます。
\条件達成で楽天市場のポイント還元率UP/
楽天証券でNISAを始めたほうがいい人
楽天証券でNISAを始めたほうがいい人は、以下2つのどちらかに当てはまる人です。
特に楽天グループのサービスを使っている人は、楽天証券でNISAを始めたほうがいいでしょう。
1.証券口座をはじめて開設する投資初心者
楽天証券は投資初心者に特におすすめです。
国内株式の買付手数料は全銘柄無料、投資信託の購入手数料も無料(一部を除く)など、低コストで取引できます。
投資初心者にとって、初期費用を抑えられるのは大きなメリットです。
投資信託の積立は100円から始められるので、無理なく資産形成をスタートできます。
また、少額から投資が始められるので、投資に不安がある方でも安心です。
2.楽天会員で楽天グループのサービスを使っている人
楽天証券は、利用者の83.9%(2023年12月時点)が楽天会員であり、楽天グループのサービスを使えば使うほどメリットが大きくなります。
楽天は、楽天ポイントを付与して自社グループのサービスを使ってもらい、ポイントを循環させることでグループ全体の収益につなげる「楽天経済圏」を形成しています。
楽天証券も楽天経済圏の一つのため、楽天証券は楽天グループのサービス利用者におすすめです。
3.手数料を抑えたい人
楽天証券は業界内でも低水準の手数料を提供しており、NISA口座での取引においてもこの利点が生きています。
取引コストが低いことで、投資収益を最大化する機会が増えます。
特に長期投資を考えている場合、この手数料の差は大きな影響を与える可能性があります。
また、NISAの非課税メリットと組み合わせることで、さらなる収益向上が期待できます。加
えて、定期的な投資キャンペーンやポイント還元プログラムなども実施されており、これらを活用することで、投資コストを一層抑えられる可能性があります。
4.スマートフォンやタブレットで取引したい人
楽天証券は、Webサイトとスマートフォンアプリの両方で簡単に取引できるため、利便性が高いです。
投資初心者でも直感的に操作できるインターフェースと、分かりやすい情報提供により、NISAを活用した投資をスムーズに始められます。
さらに、投資に関する教育コンテンツも充実しており、学びながら投資を進められる環境が整っています。
楽天証券のスマホアプリの評価は高く、株アプリ「iSPEED」はApple Storeで★4.5です(2024年3月1日時点)。
使いやすいサイト、アプリを使いたいなら楽天証券を選びましょう。
まとめ
楽天証券は、業界最低水準の手数料で取引ができるため、コスト面で大きな優位性があります。
また、取引に応じて楽天ポイントが貯まり、それを投資に活用できるのも魅力的です。
投資商品の選択肢も豊富で、国内外の株式や投資信託、ETF、債券など、幅広い商品を扱っています。
さらには、楽天グループの他のサービスとの連携により、総合的な資産管理も可能になるため、楽天経済圏内でのメリットを最大限に活用できます。
NISA口座を開設したい投資初心者や、楽天経済圏を活用したい方は、楽天証券に登録してみてはいかがでしょうか。
金融系ライター・個人投資家
(提供:Crazy Money Plus+)