投資初心者は少額から投資を始めてみよう!おすすめの投資先や少ない金額から始める意味も解説

少額投資とは、明確な定義はありませんが一般的には10万円以内の少額で始める投資です。少額投資は、インフルエンサーを中心に「意味がない」「自己投資のほうがまし」などの反対意見も見られますが、意味はあります。詐欺的な投資勧誘にだまされて大切なお金を奪われないためにも、少額投資で経験を積んでおきましょう

この記事では、おすすめの少額投資や少額から投資を始める意味を解説します。

投資初心者が少額から始めるのにおすすめの投資先

投資初心者が少額から始めるのにおすすめの投資先は、以下の3つです。投資信託であれば最低100円から始められます。

投資信託

投資信託は、新NISAのつみたて投資枠または成長投資枠で100円から投資できます。多数の投資家から集めたお金を運用会社(プロ)が運用する仕組みです。1銘柄買うだけで多数の商品に分散投資できる特徴があり、例えばオルカンの愛称で知られる「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」では、2,900銘柄以上の世界中の株式に投資しています。

投資信託は、銘柄によって信託報酬(保有中に発生する主なコスト)が異なります。可能な限り利益を最大化させるためにも、低コストの商品を選びましょう。

【信託報酬が低い投資信託(抜粋)】

eMAXIS Slim 全世界株式
(オール・カントリー)
年率0.05775%以内
eMAXIS Slim 米国株式
(S&P500)
年率0.09372%以内
SBI・V・全米株式インデックス・ファンド年率0.0938%程度
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス年率0.09889%以内
(2024年3月19日現在、CRAZY MONEY Plus編集部調べ)

\低コスト銘柄の取り扱いが豊富/

投資信託のおすすめ銘柄について詳しくはこちら
積立NISAおすすめ銘柄10選!【2023年最新版】初心者も安心の選び方と証券会社比較

単元未満株(ミニ株)

SBI証券
画像引用:SBI証券

単元未満株(1~99株の日本株)は、新NISAの成長投資枠で投資できます。日本株は、原則100株ずつでしか証券取引所でのリアルタイム売買はできませんが、単元未満株に対応している証券会社を利用すれば1株から取引可能です。例えばトヨタ自動車<7203>の株を買う場合、100株だと36万7,500円必要ですが、1株なら3,675円で済みます(2024年3月19日時点)。

手数料無料で売買できる証券会社もあるため、少額から日本株投資を始めたい人にピッタリです。

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ミニ株(単元未満株)について詳しくはこちら
ミニ株購入のおすすめ銘柄と証券会社選びのポイントを徹底解説

米国株

米国株は、新NISAの成長投資枠で投資できます。日本株と異なり1株から米国の証券取引所を通じて売買できるため、少額投資しやすい傾向です。例えばAppleに投資したい場合、1株あたり173.72米ドル(2024年3月18日終値)のため、日本円に換算すると2万6,000円前後(1米ドル150円として換算した場合)で買えることになります。

新NISAなら手数料無料で買える証券会社があるので、Appleなどの米国企業に直接投資してみたい人は、少額から米国株投資を始めてみましょう

\新NISAなら米国株の取引手数料が無料/

米国株について詳しくはこちら
米国株(アメリカ株)の買い方や円貨と外貨のどちらがいいのか解説

少額から投資を始める意味

少額から投資を始める意味は、2つあります。

給料が増えたとしても、それ以上に物価が上がる日本では、投資をせずに幸せな人生を送るのは難しい一面があります。そのため、早めに少額投資を始めて将来の本格的な投資に備えて経験を積んでおきましょう。

投資勧誘を受けたときに本当にいい話なのかを見極められる

少額投資の経験があれば、投資勧誘を受けたときに本当にいい話なのかを見極めることが期待できます。「元本保証」や「年利30%」など、明らかに虫のいい話をおかしいと瞬時に判断できるでしょう。金融庁は詐欺的な投資勧誘について注意喚起をしていますが、被害が後を絶ちません。

詐欺的な投資勧誘に該当しない不動産投資でも、実際の利回りをシミュレーションすると株の配当のほうがよっぽどマシなパターンが多い傾向です。株や投資信託で少額でも運用した経験があれば、おかしな投資勧誘に引っかかって大金を失うリスクを大幅に軽減できるでしょう。

大金を運用するときの練習になる

少額投資は、大金を運用するときの練習になります。証券会社の社員として営業していたときは、退職金などまとまったお金を一括投資して500~1,000万円単位の含み損が出ている人を複数見かけました。保有銘柄を見ると、最低限の知識があれば大金を投資するはずのないものに投資していることも少なくありません。

100円でもいいので投資経験があれば、ハイリスクな銘柄に投資して失敗しても給料などですぐに取り戻せます。このような失敗を経験することで、実際に1,000万円単位の金額を投資するときに大きな損失を出すリスクを軽減できます。

少額投資の注意点

一方、少額投資には以下の2つの注意点があります。株や投資信託などの投資は、金額に比例して利益も大きくなるため、少額では大きな利益を出しづらいのが特徴です。

大きな利益を得られる可能性は極めて低い

少額投資は、大きな利益を得られる可能性が極めて低いです。例えば100万円投資した銘柄の株価が2倍になれば利益は100万円ですが、1万円投資した銘柄の株価が2倍になっても1万円の利益しかありません。

短期間で2倍以上になる銘柄を当て続ければ少額投資でも大きな資産を築ける可能性はありますが、現実的ではないでしょう。そのため、少額投資はあくまでも一つの経験として考え、収入を増やして投資金額を大きくしていくことも必要です。

株価上昇時にタイミングを逃しやすい

少額投資をすると、株価上昇時に利益を増やすタイミングを逃しやすい傾向です。株価上昇時は、積立投資よりも一括投資のほうが儲かるのと同じ話で、リスクを抑えるために少額投資するとリターンも小さくなります。資産がないなら少額から投資を始めるしかありませんが、資産があるなら少額投資にこだわりすぎないほうがいいでしょう。

少額投資で失敗をできる限り避けるコツ

投資に絶対はありませんが、少額投資で失敗をできる限り避けるコツが2つあります。

一攫千金を狙おうとしない

少額投資で一攫千金を狙うことはやめましょう。FXやCFD(差金決済取引)など自己資金の5~25倍の金額で取引できる金融商品なら大きな利益が見込めるかもしれません。しかし想定と逆の値動きになれば、最悪の場合は借金を背負うこともあります。初心者が一攫千金を狙う投資は、結果としてギャンブルに極めて近いものになりやすい傾向です。

「もしうまくいけば」などといった淡い期待を持つことはおすすめできません。できるだけ投資信託や株の長期投資から始めましょう。

できる限り手数料が安い証券会社を選ぶ

少額投資を始める場合は、できる限り手数料が安い証券会社を選びましょう。少額投資は、手数料の割合が高くなることが多く株価が上がっていても手数料を考慮すると損になってしまう「手数料負け」が発生することもあります。大手ネット証券の新NISAであれば日本株や米国株の手数料が無料(または実質無料)となるため、少額投資を始める場合は後述する大手ネット証券を選びましょう。

少額投資に向いている証券会社

少額投資に向いている証券会社は、手数料がかからず取扱商品が豊富な大手ネット証券5社です。

【少額投資に向いている証券会社】

※新NISAで投資をする場合
※1 リアルタイム取引の場合は0.22%のスプレッド(コスト)が発生する
※2 2024年2月5日時点
(2024年3月23日現在、CRAZY MONEY Plus編集部調べ)

SBI証券

SBI証券
画像引用:SBI証券

【SBI証券の新NISAの概要】

取引手数料 無料
クレカ積立
(ポイント還元率)
三井住友カード
(0.5~5.0%)
ポイント投資
(対応ポイント)
Tポイント
Vポイント
Pontaポイント
ポイント投資
対象商品
投資信託
単元未満株
日本株
つみたて投資枠 224銘柄
成長投資枠
(投資信託)
1,188銘柄
単元未満株 3,900銘柄以上
米国株 5,176銘柄
※取引手数料は日本株、米国株、投資信託を売買した場合。Vポイントは積み立てを除く投資信託のみポイント投資可能
(2024年3月23日現在、CRAZY MONEY Plus編集部調べ)

SBI証券は、新NISA以外でも単元未満株を含む日本株の手数料が無料になる証券会社です。貯まるポイントは、6種類から選択可能でTポイント、Vポイント、Pontaポイントのいずれかを選べばポイント投資もできます。ネット証券最大手で取扱銘柄も豊富なため、証券会社選びに迷った人はSBI証券を選びましょう。

\新NISA以外でも日本株の手数料が無料/

SBI証券について詳しくはこちら
SBI証券で口座開設するメリットを紹介

楽天証券

楽天証券
画像引用:楽天証券

【楽天証券の新NISAの概要】

取引手数料 無料
クレカ積立
(ポイント還元率)
楽天カード
(0.5~1.0%)
ポイント投資
(対応ポイント)
楽天ポイント
ポイント投資
対象商品
投資信託
単元未満株
日本株 米国株
つみたて投資枠 222銘柄
成長投資枠
(投資信託)
1,140銘柄
単元未満株 1,575銘柄(※2)
米国株 5,072銘柄
※取引手数料は日本株、米国株、投資信託を売買した場合。単元未満株はリアルタイム取引のみ0.22%のスプレッドが発生する
※2 2024年2月5日時点
(2024年3月23日現在、CRAZY MONEY Plus編集部調べ)

楽天証券は、SBI証券と同様に新NISA以外でも日本株の手数料が無料になる証券会社です。ポイント投資の対象商品が幅広く、楽天ポイントで投資信託、単元未満株、日本株、米国株に投資できます。楽天銀行との連携で「預金金利が最大0.1%に上がる(300万円まで)」「条件達成で楽天市場のポイント還元率が最大1.0%上がる」など楽天グループのサービスを利用するメリットが大きい傾向です。

楽天グループのサービスをよく使う人は、楽天証券で少額投資を始めてみましょう。

\楽天グループのサービス利用者におすすめ/

楽天証券について詳しくはこちら
楽天証券のメリットやデメリットは?つみたてNISAにおすすめな理由や口コミ・評判も

マネックス証券

マネックス証券
※2024年9月30日までのキャンペーン。月5万円まで
画像引用:マネックス証券

【マネックス証券の新NISAの概要】

取引手数料 無料または実質無料
クレカ積立
(ポイント還元率)
マネックスカード
(1.1%)
ポイント投資
(対応ポイント)
マネックスポイント
ポイント投資
対象商品
投資信託
(積み立てを除く)
つみたて投資枠 219銘柄
成長投資枠
(投資信託)
1,124銘柄
単元未満株 3,900銘柄以上
米国株 4,972銘柄
※取引手数料は日本株、米国株、投資信託を売買した場合。クレカ積立のポイント還元率は月5万円までの場合
(2024年3月23日現在、CRAZY MONEY Plus編集部調べ)

マネックス証券は、クレカ積立(クレジットカード決済できる投信積立)のポイント還元率が高い証券会社です。月5万円までならポイント還元率が1.1%、2024年9月30日まではキャンペーンで2.2%になります。クレカ積立に利用できるマネックスカードは、年1回以上利用すれば年会費が無料になるため、サブカードとしても発行しやすいでしょう。

貯まったマネックスポイントは、投資信託のポイント投資に使えるほか、dポイントやAmazonギフトカードなどに1ポイントから交換可能です。手数料や商品ラインナップ、ポイント投資の利便性はSBI証券や楽天証券に劣りますが、投資信託への積立投資をメインで考えている場合はマネックス証券を選びましょう。

\クレカ積立のポイント還元率が高い/

マネックス証券について詳しくはこちら
マネックス証券のメリットは?メリット・デメリットを知って新NISAに備えよう

auカブコム証券

auカブコム証券
画像引用:auカブコム証券

【auカブコム証券の新NISAの概要】

取引手数料 無料
クレカ積立
(ポイント還元率)
au PAY カード
(1.0%)
ポイント投資
(対応ポイント)
Pontaポイント
ポイント投資
対象商品
投資信託
単元未満株
(積み立てを除く)
つみたて投資枠 220銘柄
成長投資枠
(投資信託)
1,034銘柄
単元未満株 3,900銘柄以上
米国株 1,888銘柄
※取引手数料は日本株、米国株、投資信託を売買した場合。
(2024年3月23日現在、CRAZY MONEY Plus編集部調べ)

auカブコム証券は、auのサービスを使う人に向いている証券会社です。au PAY カードのクレカ積立で1.0%のPontaポイントがもらえます。auマネ活プランに加入するとクレカ積立のポイント還元率が1.5%になり、NISA口座を開設してau PAY ゴールドカードで積み立てれば最大3.0%に上がります。

取扱銘柄数や商品ラインナップは、他の大手ネット証券に及びませんが、auグループのサービス利用者はauカブコム証券も選択肢の一つでしょう。

\auマネ活プラン加入でポイント還元率UP/

auカブコム証券について詳しくはこちら
auカブコム証券はauユーザーにメリットが多い!おすすめの理由を解説

松井証券

松井証券
画像引用:松井証券

【松井証券の新NISAの概要】

取引手数料 無料
クレカ積立
(ポイント還元率)
非対応
ポイント投資
(対応ポイント)
松井証券ポイント
ポイント投資
対象商品
投資信託
(3銘柄)
つみたて投資枠 224銘柄
成長投資枠
(投資信託)
1,094銘柄
単元未満株 売却のみ
米国株 3,836銘柄
※取引手数料は日本株、米国株、投資信託を売買した場合。
(2024年3月23日現在、CRAZY MONEY Plus編集部調べ)

松井証券は、大手ネット証券で唯一、銘柄選びや投資判断についての相談が電話でできる証券会社です。事前にネットで予約すれば、受付時間外でも相談できます。松井証券は、商品ラインナップやクレカ積立などのサービス面で他社に劣りますが、顧客サポートに力を入れています。日本株や米国株の銘柄選びでプロに相談したい人は、松井証券で少額投資を始めてみましょう。

\銘柄選びや投資判断の相談もできる/

松井証券について詳しくはこちら
松井証券のメリットとデメリットは?松井証券が向いている人まで解説

投資初心者はネット証券で少額から投資を始めてみよう!

投資初心者は、大手ネット証券で少額から投資を始めてみましょう。SBI証券をはじめとした大手ネット証券であれば新NISAでの投資信託、単元未満株、米国株の取引手数料が無料になるため、手数料負けを気にしないで投資ができます。なかには「少額投資は意味がない」という人もいますが、物価が上がり給料がなかなか上がらない今の日本で平均以上の生活をするには、金融投資は避けて通れません。

どの証券会社で投資を始めたらいいのか迷った場合は、まずネット証券最大手のSBI証券で始めてみましょう。

\新NISA以外でも日本株の手数料が無料/

北川 真大

金融系ライター・個人投資家

明治大学法学部卒業後、証券会社に入社。入社後すぐに2級ファイナンシャル・プランニング技能士を取得し、個人営業に従事。証券営業の経験をもとに金融系の記事執筆やKindle出版を開始し、現在はフリーライターとして活動中。日本株、投資信託、暗号資産、不動産を保有する個人投資家でもあり、日本株の投資歴は累計7年以上に及ぶ。

(提供:Crazy Money Plus+