いざ投資を始めようと思っても株や投資信託、FX、暗号資産(仮想通貨)、不動産などさまざまな選択肢が出てくるため、何から始めたらいいのか迷う人も多いのではないでしょうか。迷っている投資初心者は、月100円から始められて1銘柄買うだけで分散投資ができる投資信託の積み立てから始めるのが無難です。
本稿では、初心者が何から資産運用を始めたらいいのかと資産運用の始め方について解説します。
初心者の資産運用は何から始めるべき?
初心者の資産運用は、以下の3つから始めるべきです。
投資信託や単元未満株であれば新NISAで運用できるため、証券会社にNISA口座を開設して始めてみましょう。
新NISAにおすすめの証券会社はどこ?各社の特徴を踏まえつつ解説
投資信託の積み立て
新NISAを利用すれば、最大月30万円の非課税枠で投資信託の積立投資が始められます。SBI証券をはじめとした大手ネット証券であれば100円からの投信積立も可能です。投資信託とは、不特定多数の投資家から集めた資金を運用会社(プロ)がさまざまな銘柄に投資して運用する商品のことを指します。
どの商品を選ぶかで信託報酬をはじめとした運用コスト(保有コスト)が変わるため、できる限りコストが低い投資信託を選びましょう。
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投資信託(銘柄)について詳しくはこちら
積立NISAおすすめ銘柄10選!【2023年最新版】初心者も安心の選び方と証券会社比較
単元未満株への投資
単元未満株(1~99株の日本株)であれば少額から日本株に投資可能です。日本株は、原則100株単位(1単元)で取引しますが、大手ネット証券を中心に1株からの売買に対応しています。通常では50万~100万円、場合によっては数百万円以上必要な日本株も単元未満株であれば手ごろな金額で始められるでしょう。
【主な単元未満株の最低投資金額】
銘柄名<証券コード> | 最低投資金額 |
---|---|
トヨタ自動車<7203> | 3,675円 |
JT<2914> | 3,950円 |
ソニーグループ<6758> | 1万3,460円 |
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日本株が1株から買える証券会社はどこ?単元未満株(ミニ株)に投資する場合のおすすめを紹介
iDeCo
iDeCoは、新NISAと異なり口座管理料がかかる点はデメリットです。しかし掛金を年末調整や確定申告の際に記載することで全額所得控除となり所得税や住民税の負担を軽減できるメリットがあります。例えば掛金が月5,000円の場合、年間2,052円のコストで軽減できる税金は年間9,000円以上です。
受取時にも所得控除(退職所得控除または公的年金等控除)が使えるため、退職金がない会社員やある程度収入が安定している個人事業主は税制優遇によるメリットがデメリットを上回ります。
【iDeCoの概要】
掛金の限度額 (※) | 個人事業主:月6万8,000円 会社員:月1万2,000円~2万3,000円 公務員:月1万2,000円 専業主婦/夫:月2万3,000円 |
---|---|
取扱商品 | 投資信託 元本確保商品(定期預金など) |
税制優遇 | 運用益の非課税 掛金全額の所得控除 受取時の所得控除 |
運用期間 | 75歳まで |
掛金の引き出し | 原則60歳から可能 |
加入時手数料 | 2,829円 |
口座管理手数料 | 月66円~ |
拠出時手数料 | 105円/回 |
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初心者が最も始めやすい資産運用は新NISAでの投資信託の積み立て
初心者が最も始めやすい資産運用は、新NISAでの投資信託の積み立てです。最低100円から始められ、新NISAのつみたて投資枠で購入できる銘柄であれば購入手数料もかかりません。口座管理手数料もなく、いつでも出金可能なため、iDeCoより気軽に始められます。
【新NISAとiDeCoの比較表】
新NISA | iDeCo | |
---|---|---|
非課税投資枠 | 年間360万円 | 年間14万4,000円~81万6,000円 |
非課税保有限度額 | 1,800万円 | 上限なし |
最低投資金額 | 100円 (投資信託) | 月5,000円 (年間6万円) |
運用期間 | 無期限 | 75歳まで |
引き出し | 可能 | 原則60歳から可能 |
取扱銘柄数 | 1万銘柄以上(※) | 35本以下 |
加入時手数料 | 無料 | 2,829円 |
口座管理手数料 | 無料 | 月66円~ |
拠出時手数料 | 無料 | 105円/回 |
iDeCoの税制優遇メリットを受けられない専業主婦や、勤務先の退職金が多くiDeCoの運用資産を受け取る際に課税される可能性が高い会社員や公務員は、いつでも出金できる新NISAを選んだほうがいいでしょう。
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投資初心者向けの資産運用の始め方
資産運用は、以下の5ステップで始められます。
ステップ1. 証券会社を選んで口座を開設する
まずは、証券会社を選んで口座開設しましょう。投資信託であれば銀行でも買えますが、株は買えません。また投資信託の取扱銘柄数も証券会社のほうが多いため、証券会社のほうがおすすめです。
【投資信託(つみたて投資枠)の取扱銘柄数の比較】
証券会社 | 銀行 | ||
---|---|---|---|
SBI証券 | 224銘柄 | 三菱UFJ 銀行 |
24銘柄 |
楽天証券 | 222銘柄 | 三井住友 銀行 |
4銘柄 |
マネックス 証券 |
219銘柄 | みずほ 銀行 |
14銘柄 |
auカブコム 証券 |
220銘柄 | ゆうちょ 銀行 |
15銘柄 |
松井証券 | 224銘柄 | りそな 銀行 |
13銘柄 |
証券口座の開設は、マイナンバーカードまたは運転免許証とマイナンバー通知カードがあればできます。証券会社は、手数料など以下4つのポイントから比較して選んでみましょう。
・手数料
【手数料の比較表(税込み)】
単元未満株 | 日本株 | 米国株 | |
SBI証券(※1) | 無料 | 無料 | 0.495% (上限22米ドル) |
楽天証券(※1) | 無料 (※2) |
無料 | 0.495% (上限22米ドル) |
マネックス証券(※1) | 購入時:無料 売却時:0.55% (52円~) |
55円~ | 0.495% (上限22米ドル) |
auカブコム証券(※1) | 0.55% (52円~) |
1日100万円まで 無料 |
0.495% (上限22米ドル) |
松井証券(※1) | 0.55% (売却のみ) |
1日50万円まで 無料 |
0.495% (上限22米ドル) |
野村證券 | 1.1% (550円~) |
152円~ | 2,389円~ |
大和証券 | 11円~ | 1,100円~ | 0.66877~1.141% |
SMBC日興証券 | 23円~ | 137円~ | 0.495% (上限22米ドル) |
・取扱商品
【取扱商品の比較表】
つみたて投資枠 | 投資信託 | 米国株 | 単元未満株 | |
SBI証券 | 224銘柄 | 2,582銘柄 | 5,176銘柄 | 3,900銘柄 以上 |
楽天証券 | 222銘柄 | 2,557銘柄 | 5,072銘柄 | 1,575銘柄※1 |
マネックス証券 | 219銘柄 | 1,756銘柄 | 4,972銘柄 | 3,900銘柄 以上 |
auカブコム証券 | 220銘柄 | 1,799銘柄 | 1,888銘柄 | 3,900銘柄 以上 |
松井証券 | 224銘柄 | 1,874銘柄 | 3,836銘柄 | 売却のみ |
野村證券 | 19銘柄 | 1,190銘柄 | 942銘柄 | 3,900銘柄 以上 |
大和証券 | 43銘柄 | 628銘柄 | 2,000銘柄 以上 |
3,900銘柄 以上 |
SMBC日興証券 | 149銘柄 | 1,053銘柄 | 約2,200銘柄※2 | 3,900銘柄 以上 |
・ポイントサービス
【ポイントサービスの比較表】
クレカ積立 (ポイント還元率) |
貯まるポイント | 投信保有ポイント (※2) |
|
SBI証券 | 三井住友カード (0.5~5.0%) |
Vポイント (※1) |
326ポイント (年間) |
楽天証券 | 楽天カード (0.5~1.0%) |
楽天ポイント | 190ポイント (累計) |
マネックス証券 | マネックスカード (1.1%) |
マネックス ポイント |
300ポイント (年間) |
auカブコム証券 | au PAY カード (1.0%) |
Pontaポイント | 50ポイント (年間) |
松井証券 | 非対応 | 松井証券 ポイント |
326ポイント (年間) |
野村證券 | 非対応 | ─ | ─ |
大和証券 | 非対応 | ─ | ─ |
SMBC日興証券 | 非対応 | dポイント Vポイント |
─ |
・ポイント投資
【ポイント投資の比較表】
対応ポイント | 対象商品 | |
SBI証券 | Tポイント Vポイント Pontaポイント | 投資信託 単元未満株 日本株 |
---|---|---|
楽天証券 | 楽天ポイント | 投資信託 単元未満株 日本株 米国株 |
マネックス 証券 | マネックス ポイント | 投資信託 (積み立てを除く) |
auカブコム 証券 | Pontaポイント | 投資信託 単元未満株 (積み立てを除く) |
松井証券 | 松井証券 ポイント | 投資信託 (3銘柄) |
野村證券 | なし | ─ |
大和証券 | なし | ─ |
SMBC 日興証券 | dポイント | 単元未満株 |
ステップ2. 入金する
株を購入する場合は、銘柄購入前の入金が必要です。例えばネット証券の場合、メガバンクやネット銀行からのネットバンキングを利用すれば、手続き後に即時入金できます。銀行窓口から振り込む場合を除いて、振込手数料を無料にしている証券会社が多い傾向です。例えばSBI証券なら住信SBIネット銀行、楽天証券なら楽天銀行と連携すると入金しなくても銀行口座にある資金を使って株が買えます。
なお投資信託の積み立てでは、積立設定後に入金すれば問題ありません。クレカ積立(クレジットカード決済でできる投信積立)の場合は、入金不要です。
ステップ3. 銘柄を選んで購入or積立設定する
あとは、株や投資信託を選んで購入または積立設定をしましょう。投資信託の積立設定をする場合は、決済方法も指定します。クレカ積立に対応している証券会社では、クレジットカード決済または現金のどちらかを決めます。クレジットカード決済を選ぶ場合は、事前に各証券会社でクレジットカードの登録を済ませておきましょう。
銘柄や買い方について詳しくはこちら
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株の買い方は3ステップ!初心者でも簡単に始める方法や証券会社・銘柄選びのコツを紹介
ステップ4. 分配金・運用報告書の受け取り
決算日を迎えると、運用の成果に応じて分配金が支払われ、運用報告書が交付されます。
運用報告書とは、投資したお金がどのように運用され、その結果どうなったかなどをまとめたもので、投資信託を保有している投資者に交付されます。
ステップ5. 投資終了
投資の終了には2つのパターンがあります。投資家の意思で行う売却”換金”とファンドの規定に基づいて行われる払い戻し"償還"について説明します。
・解約を申し込み換金する
換金とは投資の運用中に投資家の意思で債権を売却することを指します。
投資信託では、原則としていつでも換金(解約)することができます。通常は数営業日以内に換金が可能ですが、一部の投資信託では換金できない期間(クローズド期間)が設けられている場合もあります。
換金の方法は2つあり、買取請求では保有している投資信託を販売会社に売却することができ、解約請求では運用会社との契約を解除し、投資信託を完全に手放すことができます。
・設定期間の終了後に償還される
償還とは運用期間が満期に達し、投資者に対して保有口数に応じた償還金が支払われることを指します。
一般的に償還によって投資が終了することが多いです。
資産運用が始めやすい証券会社
資産運用が始めやすい証券会社は、大手ネット証券のなかでも特に人気のあるSBI証券と楽天証券です。どちらも口座開設数が1,000万口座を突破しており、日本株や単元未満株が手数料無料で取引できます。
SBI証券:自分に合うポイントが選びやすい
SBI証券は、自分に合うポイントが選びやすい証券会社です。貯まるポイントは6種類から、ポイント投資は3種類(Tポイント、Vポイント、Pontaポイント)から選べます。TポイントまたはPontaポイントを選べば、投資信託だけでなく日本株、単元未満株に1ポイントから使えます。取扱銘柄数や商品ラインナップも豊富なので、複数のポイントを使っている人はSBI証券を選びましょう。
\貯まるポイントが6種類から選べる/
SBI証券について詳しくはこちら
SBI証券で口座開設するメリットを紹介
楽天証券:グループのサービス利用者ならメリットが大きい
楽天証券は、楽天グループのサービス利用者ならメリットが大きい証券会社です。楽天カードでのクレカ積立に対応しており、貯まった楽天ポイントは投資信託、日本株、単元未満株、米国株の投資に使えます。
楽天銀行との連携(マネーブリッジ)で「普通預金金利が最大0.1%(300万円まで)に上がる」「条件達成で楽天市場のポイント還元率が最大1.0%上がる」など、楽天グループとの連携でさまざまな特典が受けられます。楽天会員やこれから楽天のサービスを使おうと考えている人は、楽天証券を選びましょう。
\楽天グループのサービス利用者におすすめ/
楽天証券について詳しくはこちら
楽天証券のメリットやデメリットは?つみたてNISAにおすすめな理由や口コミ・評判も
投資初心者によくある失敗の原因3選
短期間で売却してしまう
金融商品の価格は日々変動し、一時的な下落も頻繁に起こることです。
一時的な下落に焦って売却すると利益を最大化させることはできません。長期的な目線で値動きを見守り、短期の変動に振り回されないよう注意が必要です。
リスクや特徴を理解していない
勧められた金融商品やネットで見た情報を鵜呑みにし投資をしてはいけません。
自分で調べて特徴やリスクをきちんと理解した上で投資を行うことが重要です。
余剰資金での運用ができていない
余剰資金で運用することは生活への影響を配慮しているだけではなく、メンタル面への配慮の意もあります。
日常生活に影響を及ぼす資金で運用していると、価格が下落した時に焦りが募り、冷静な判断ができなくなります。
常に冷静で長期的な目線を持つためにも、余剰資金での運用を心がけましょう。
初心者が資産運用の失敗を避けるためのコツ
初心者が資産運用の失敗を避けるためのコツが4つあります。
少額から始める
投資は、少額から始めましょう。最初にトラウマを感じてしまうほどの損失が出ると嫌になって見向きもしなくなるかもしれません。意欲が落ちて投資をやめてしまうと、利益を得るチャンスも逃す可能性があります。最初から投資でうまくいく人ばかりではないので、投資したお金が半分になったとしても「もう一度やってみよう」と思えるくらいの金額で始めるのが無難です。
投資先を分散しておく
最初は、できる限り投資先を分散しましょう。集中投資のほうが儲かることは事実ですが、株価が上がる銘柄をピンポイントで当てるのは難しいです。株に投資する場合でも、少なくとも3~5銘柄くらいに分散しましょう。例えば投資信託であれば、1銘柄買うだけで多数の日本株や外国株などに分散投資ができます。
長期的に運用する
投資では長期的な視点を持つことが重要であり、短期的な価格変動に振り回されてはいけません。
長期の運用をすることで、好不調が相殺され、利益を得る可能性が上がります。短期間で利益を上げようとせず、長期的なプランを持って投資に挑戦しましょう。
自分で勉強して判断する
投資に関する情報は、信頼できるかどうか自分できちんと判断することが重要です。
投資に関するセミナーや情報提供には、主催者の信頼性や目的を確認することが大切で、不確かな情報を発信している可能性も十分にあり得ます。
また、市場は常に変動しているので、継続的に勉強し知識をアップデートしていくことが大切です。
初心者は投資信託の積み立てから資産運用を始めてみよう
投資初心者は、投資信託の積み立てから資産運用を始めてみましょう。ネット証券であれば100円から投資できるところも多いため、誰でも始めやすく分散投資もしやすい傾向です。投資信託の積み立てをするなら、取扱銘柄数が豊富でポイントサービスも充実しているSBI証券を選びましょう。三井住友カードがあれば、クレカ積立でVポイントも貯められます。
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金融系ライター・個人投資家
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