不動産投資ローンに必要な年収を解説!融資が受けやすくなる対策も

不動産投資に興味はあるけれど、年収が低いとローンが通りにくいというイメージを持っている方もいるのではないでしょうか。しかし、実際には不動産投資は高所得の方に限定されるものではなく、不動産投資未経験者や収入に自信がない方でもチャレンジすることが可能です。

そこで本コラムでは、不動産投資ローンを組むのに必要な年収のほか、年収別に購入可能な不動産を紹介します。また、年収に不安がある方に向けて融資が受けやすくなる対策についても解説しますので、ぜひご覧ください。

不動産投資ローンを組むのに必要な年収とは?最低ラインはどのくらい?

不動産投資ローンに必要な年収を解説!融資が受けやすくなる対策も
(画像:PIXTA)

不動産投資ローンを組むために必要な年収は、一般的には700万円といわれており、金融機関が融資の審査を行う際の目安となっています。ただし、年収が700万円に満たない場合でも、他の条件を満たせば不動産投資ローンを組むことは可能です。

金融機関は、年収だけでなく信用度や資産状況なども考慮し総合的に判断しています。例えば、安定した職業や将来の収入見込み、過去の借入履歴や貯蓄額、担保となる不動産の価値などが審査するうえで重要な要素となります。

そのため、年収が700万円に満たなくても、他の面で十分な信用度を示せれば融資を受けることが可能です。ただし、年収が低い場合は金利が高くなったり、審査が厳しくなったりすることも考えられますので、事前に十分な調査と準備が必要です。

なお、地域や金融機関によっても条件は異なります。一部の地域や金融機関では年収500万円以下でも融資を受けられるケースもあります。

このように不動産投資ローンの審査では単純に年収だけでなく、多岐にわたる要素を総合的に判断されます。自分の状況に合った金融機関や融資条件を探し、適切な準備をすることが重要です。

年収以外に知っておくべき審査項目を紹介

金融機関は年収だけでなく信用度や資産状況なども含めて総合的に判断するため、年収700万円に満たない場合でも、他の条件を満たせば不動産投資ローンを組むことは可能であると解説しました。

それでは、他にどのような審査項目があるのでしょうか。ここでは、年収以外に知っておくべき審査項目を以下の表にまとめました。

審査項目説明
完済時年齢と借入時年齢 一般的な基準は、借入時の年齢が20歳以上65歳未満かつ完済時の年齢が80歳未満であることです。
健康状態 団体信用生命保険に加入できるかどうかが審査の基準として判断されます。
資産状況 貯金や投資証券を多く持ち、複数の不動産を所有している場合、審査で有利になります。住宅ローンを完済していると、さらに有利になります。
勤続年数 勤続年数が短いと収入の安定性や推移を確認できないため、一般的にはある程度の勤続年数が必要となります。
雇用形態 一般的に派遣社員や契約社員だと融資が受けられません。
連帯保証 ローン借入れでは基本的には不要ですが、収入合算をする場合や複数の債務者形式となる場合、自営業の場合などの条件によっては必要となることがあります。
金融機関の営業エリア 金融機関によっては営業エリア内に居住しているか、勤務地がエリア内にあることが審査条件となる場合があります。
担保評価 ローンの担保となる不動産の評価額以上の借入れを申し込んだ場合、審査に通りにくくなる場合があります。
返済負担率 既存の借入れに対する返済も含めた年間のローン返済額を年収で割った数字が低いほど、審査に通りやすくなります。
融資率 購入予定の物件価格に対する借入金の割合が少ないほど、審査に通りやすくなります。
他の債務の状況と返済履歴 他の借入金や未払いの履歴がある場合、審査で評価が下がります。
国籍 日本国籍または永住権を持っていることが一般的な条件とされています。

【年収別】購入可能な不動産を紹介

不動産投資ローンに必要な年収を解説!融資が受けやすくなる対策も
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前章の表で解説した通り、不動産投資ローンの借入金額は年収以外の項目も考慮されて決定しますが、一般的に借入可能額の目安は年収の7〜10倍とされています。ここでは、以下の年収別に、目安としてどんな不動産が購入可能なのかを紹介します。

  • 年収1,000万円の方が購入可能な不動産
  • 年収500万円から700万円の方が購入可能な不動産
  • 年収300万円や400万円の方が購入可能な不動産

年収1,000万円の方が購入可能な不動産

年収1,000万円の方は、目安として7,000万円~1億円程度の融資を受けられます。購入可能な具体的な不動産は以下の通りです。

  • 中古の一棟マンション
  • 新築または中古の区分マンション
  • 新築または中古の一棟アパート

ここでいうアパートは木造や軽量鉄骨造で2階または3階までの建物を指し、マンションは鉄筋コンクリート造(RC物件)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC物件)で3階以上の建物を指します。

1億円の融資が受けられるのであれば、一棟もののマンションも購入できる可能性があります。耐久性が高く、地震や火災などのリスクが低いRC物件や比較的安く購入できて収益性の高い高利回り築古木造物件、複数の区分マンションを保有することも選択肢に入れておきましょう。

また、同じ利回りの物件であっても価格の高い不動産を購入し、その後、数年でローンを返済することで信用や融資額の増加につながります。その結果、より大規模な物件での投資が可能になります。

年収500万円から700万円の方が購入可能な不動産

年収500万円の方は3,500万円〜5,000万円、700万円の方は4,900万円~7,000万円の融資を受けられます。購入可能な不動産は以下の通りです。

  • 中古一棟アパート
  • 新築または中古区分マンション

一棟アパートは、新築になると物件価格が1億円を超えてしまうことがありますが、築10年程度であれば7,000万円程度で購入できる可能性があります。そのため、年収700万円の方が一棟アパートを投資対象とする場合は中古物件が検討範囲内となります。

年収500万円の方でも賃貸需要の低い地域であれば、中古一棟アパートを購入できる可能性はあります。しかし、物件の構造や立地、管理状態によっては区分マンション投資の方が適している場合もあります。

区分マンションは比較的少額から始めやすく、多くの人が購入を検討します。そのため、高需要で売りやすく、資産の売却価格も比較的安定しやすくなるというメリットがあります。年収500万円の方は、賃貸需要の高い都心のワンルームマンションを購入する方が、賃貸需要の低い地域で中古一棟アパートを購入するよりも良い可能性もあることを覚えておきましょう。

年収300万円や400万円の方が購入可能な不動産

年収300万円の方で融資額2,100万〜3,000万円、年収400万円の方で融資額2,800万~4,000万円が目安です。購入可能な不動産は以下の通りです。

  • 中古の区分マンション
  • 中古戸建

融資額3,000万円前後であればファミリー向け中古戸建を選択し、安定した入居率を維持するという方法も考えられます。

ただし、近年では融資審査が厳しくなっており、審査条件に年収のボーダーラインを設けている金融機関が多いです。年収のせいで融資が受けられない可能性があることを把握しておく必要があります。

年収に不安があっても融資が受けやすくなる対策5選

不動産投資ローンに必要な年収を解説!融資が受けやすくなる対策も
(画像:PIXTA)

年収に不安があるからこそ、不動産投資をして収入を増やしたいと考えているが、年収がネックとなり融資が受けられないのではないかと心配されている方も多いと思います。ここでは年収に不安があっても融資が受けやすくなる以下の対策を紹介します。

  • クレジットカードを解約したり限度額を引き下げたりする
  • 既存のローンの見直しをする
  • 自己資金を多く用意する
  • 定期預金を実施する
  • 不安定な副業は避ける

クレジットカードを解約したり限度額を引き下げたりする

使用していないクレジットカードは解約することを検討しましょう。クレジットカードは融資額に影響を与える要素の一つであり、複数のクレジットカードを所有している場合、それぞれのカードの限度額や年会費が借入額として扱う金融機関もあるため、高い限度額を持つクレジットカードが多いほど融資額は制限されてしまうこともあります。

特に年収が低い場合、これらのクレジットカードが不動産投資ローンの審査において属性を下げる要因となる場合もあります。

また、クレジットカードの限度額を引き下げることで、借入額を最小限に抑え、融資を受けやすくすることができます。

クレジットカードを利用してのリボ払いや分割払いにおいても注意が必要で、支払いが遅延すると信用情報に影響を及ぼします。遅延履歴は融資審査においてマイナス要因となりますので、遅延を避けることが重要です。支払いの際には必ず期限内に完済するよう心がけましょう。

既存のローンの見直しをする

消費者金融や信販系クレジットカードのキャッシングなど、資金使途が明確でない借入は、与信判断に影響を及ぼすため、できるだけ早く返済しましょう。ただし、住宅ローンやマイカーローンなど使途が明確である借入は悪影響となりません。悪影響とはならないものの、年収に対して借入の金額が大きい場合は、融資が通らないこともあるため注意が必要です。

自己資金を多く用意する

自己資金を多く用意することで、必要な融資金額が下がるため、金融機関からすると貸倒リスクが下がることになります。そのため、同じ融資金額でも自己資金を多く用意している方が受けやすくなります。また、自己資金を用意していることは計画的に事前準備をしているという証拠にもなり、融資の審査では有利に働きます。

定期預金を実施する

計画性をアピールするには定期預金を実施することも有効です。金融機関は定期預金を通じて、資金管理に対する真剣さや将来への準備があると判断します。たとえ数千円からでも、実際に始めていくことが大切です。

不安定な副業は避ける

融資を受けやすくするためには、不安定な副業は避けることも大切です。収入が不安定な副業は赤字が発生しやすく、与信にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。与信を損なうことなく、安定した収入源を確保するためには、リスクの少ない副業や定期的な収入が見込める副業を選択しましょう。

(提供:manabu不動産投資

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