第2位 ドゥカティ 750SS(1974年)
落札台数 2台(2022年7月~2024年6月)
最高落札額 1,506万円(2023年)
平均落札額 1,154万円(2022年7月~2024年6月)
最低落札額 801万円(2022年)
第2位は世界的なコレクター市場が存在する1974年の750SS
過去にはグッゲンハイム美術館での展示やシルバーマン美術館に所蔵されていた経緯もあり、オートバイの枠を超えたビンテージ価値が認められている。
DUCATIの750SSという機種は17年の空白を経て1991年にも再登場しているのだが、歴史的価値を有するのは401台限定で生産された1974年モデルである。
74年型750SSがお宝になっているのは、DUCATIの歴史的転換点を象徴している点にある。
トライアンフやハーレにーBMWが大排気量市場を席巻していたところに日本車(CB750FOURやZ1)が食い込み凌駕しつつあった1970年代前半。 レースシーンでは、AMAスーパーバイク選手権の前身とも言えるフォーミュラ750ではヤマハTZ750が連戦連勝。 当時世界で最も盛り上がりを見せていたお祭りレース「デイトナ200」ではCB750FOUR Racerが1970年に優勝するなど日本車が強かった。
2024年現在ではレースシーンで無双状態のDUCATIも形無しであったのだが、1972年に転機が訪れる。
「デイトナ200」の欧州版として初開催された「イモラ200」でポール・スマートが駆る 750 イモラ デスモ レーサーが優勝。イタリア本国でオールスターのライバル機を撃破した姿に国民が歓喜。
その優勝記念レプリカにして、FIM世界耐久ロードレース選手権に参戦するためのホモロゲーションとして401台が生産されたのが74年型750SSである。
超高額で取引される為、模造品も出回っているが、オリジナル度が高く未使用に近いほど価値は高い。
取引(買取査定額算出)に際しては来歴やオーナー履歴の他、各パーツの真贋を見極めるポイントが多数存在しており、専門的な高いレベルの鑑識眼が要求される。
日本国内の業者間オークションでは過去10年間に2台の取引が記録されており、2022年には801万円、2023年には1506万円で落札されている。
驚くべきは2台ともエンジンがかからない不動車であった点であるが。見栄えは良く極めてオリジナル度が高い個体であった。
2023年に超高額取引となった背景には、オリジナル度がより高く状態が良かった点もあるのだが、その間に急速な円安が進んだ点にも言及しておきたい。
海外のオークション(※個人間)では、2023年には159,500US$(2,400万円換算)と201,600US$で(3,000万円相当)、2022年には172,500£(2,700万円相当)で落札された事例があり、 海外勢にとってはフルオリジナルであれば2,000万円超の仕入れでも割安感が出ている点は見逃せないであろう。
余談であるが、
日本車で例えれば、81~82シーズンを制した記念車ローソンレプリカことZ1000Rではなく、1983シーズンのAMAを戦うために37台限定で生産されたホモロゲーション機Z1000S1が近いだろうか。 CB750 FOUR Racerの公道向けレプリカがもしも存在していたら近しいイメージになるだろうか。
機種 ドゥカティ 750SS
年式 1974年
販売数 401台
当時の価格 北米仕様:3,200$(約96万円換算)
最大馬力 (参考値 73馬力@8,000回転)
記事全文(第3位から第5位の紹介)は公式サイト本文でご確認いただけます。