NISAは複数銘柄へ投資した方がいい?適切な銘柄数やメリット・注意点やおすすめの組み合わせを解説

2024年に開始された新NISAは、250本ほどの銘柄から自由に組み合わせて運用できます。

だからこそ、銘柄はいくつ買えばいいのか悩む方も少なくないでしょう。

本記事では、NISAで投資信託を複数銘柄を購入するメリットとデメリットを解説します。

さらには、おすすめの銘柄や組み合わせも解説するので、NISAで投資信託を始めてみたい方はぜひご覧ください。

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  1. NISAは複数の投資信託へ投資したほうがいい!
  2. NISAで複数銘柄へ投資するメリット
    1. 1.投資スタイルに合わせてリスク・リターンが向上する
    2. 2.投資先.オリジナルで組み合わせられる
    3. 3.リスク分散効果が高まる
  3. NISAで複数銘柄へ投資するデメリット
    1. 1.分散効果が薄まる可能性がある
    2. 2.管理が複雑になる
  4. 複数銘柄へ投資するときの4つのポイント
    1. 1.投資先の資産で組み合わせを考える
    2. 2.地域が異なる銘柄同士を組み合わせる
    3. 3.インデックス・アクティブファンドを組み合わせる
    4. 4.低リスクファンドを取り入れてリスクを調整する
  5. NISA初心者におすすめの投資信託
    1. SBI・V・全米株式インデックス・ファンド
    2. eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
    3. eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
    4. eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)
    5. SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド(年4回決算型)
    6. eMAXIS Slim 先進国債券インデックス
    7. ひふみプラス
  6. NISAで複数銘柄投資するときのおすすめの組み合わせ
    1. 1.米国株式+日本株式|米国と日本の主要企業に分散投資
    2. 2.世界株式+日本株式|世界と日本の主要企業に分散投資
    3. 3.世界株式+債券ファンド|債券を組み込みリスクを分散
    4. 4.インデックスファンド+アクティブファンド|着実なリターンを目指す方向け
  7. NISA初心者は信託投資1本からでも十分
  8. まとめ|NISAで複数銘柄を保有すればリスク分散や自分に合った投資が可能に

NISAは複数の投資信託へ投資したほうがいい!

結論からいうと「NISAは複数の投資信託へ投資はしたほうがいい!」といえます。

NISAで複数銘柄に投資することは、リスク分散や理想的な資産構成の実現に役立ちます。

異なるリスク特性を持つ銘柄や地域に分散投資することで、特定市場の変動リスクを軽減し、安定した長期運用が期待できます。

例えば、株式と債券、先進国と新興国、インデックスとアクティブファンドなどを組み合わせることで、多様な市場環境に対応可能です。

これにより、自分の投資スタイルやリスク許容度に合ったポートフォリオを形成できる点が大きな魅力です。

これよりNISAで複数銘柄に投資するメリットを詳しく解説します。

またメリットだけでなく、デメリットも解説します。

NISAで複数銘柄へ投資するメリット

NISAで複数の銘柄へ投資する主なメリットは、以下の3つです。

1.投資スタイルに合わせてリスク・リターンが向上する

複数銘柄を組み合わせることにより、自分の投資スタイルに合わせてリスク・リターンを調整したり、改善させたりできます。

基本的に金融商品は、リターンとリスクが比例関係にあるため、ハイリターン銘柄はハイリスクな傾向です。

既存銘柄で自分の投資以降に合ったリターンの銘柄が見つからない場合は、「高リスクと低リスクのファンドを組み合わせる」など、ほどよいリスクの投資の実現が期待できます。

値動きの特徴が異なる銘柄をうまく組み合わせれば、単発商品へ投資するよりも同程度のリスクで高いリターンを狙える効率よい投資が実現できる場合もあります。

2.投資先.オリジナルで組み合わせられる

複数銘柄を組み合わせれば、自分にあったオリジナルの資産構成を自由に形成できます。

例えば「世界中の株に投資したいけど、よく知る日本企業に多めに投資したい」と考えている場合は、以下のような組み合わせを検討するのが有効です。

  • 世界の株式へ投資するインデックスファンド
  • 日経平均のインデックスファンド、もしくは日本の個別株

必ずしも市場指数に連動するインデックスファンドか、指数を上回るリターンを狙えるアクティブファンドの二択にする必要はありません。

また、インデックスファンドとアクティブファンドを好みの比率で組み合わせることもできます。

例えば、REITと株式といったような投資信託1本ではあまり見られない資産の組み合わせも可能です。

1本だけで自分の思い描く資産の組み合わせが実現できない場合は、複数銘柄を組み合わせて理想のポートフォリオを形成するのがおすすめです。

3.リスク分散効果が高まる

特徴の異なる銘柄を組み合わせると、リスク分散効果を高められる場合があります。

大きな損失リスクを抑制して、より安定した長期運用が可能です。

典型的な例として、株と債券は次のように特徴が異なるため、組み合わせるとリスク分散効果が期待できます。

債券
リスク 相対的に高い 相対的に低い
景気拡大時 リターン向上が期待できる リターン低下・損失リスクが高まる
景気収縮時 リターン低下・損失リスクが高まる リターン向上が期待できる
※あくまで一般論であり、実際の値動きは銘柄や金融市場の動向により異なります

例えば景気収縮時には、株で損失が出ても債券が補って投資資産全体の損失を抑えられる場合があります。

このように値動きの特徴が異なる資産同士をうまく組み合わせると、損失リスクが低減し長期でより安定した運用が可能となります。

NISAで複数銘柄へ投資するデメリット

一方、NISAで複数の銘柄へ投資するデメリットは、銘柄の投資対象地域が一部被るような組み合わせで分散効果が下がったり、それを見極める商品選びや管理が大変になるという点です。

主なデメリットとして、以下の2つを具体的に解説します。

1.分散効果が薄まる可能性がある

国内株式と新興国株式、米国株式、欧州株式といった異なる地域の組み合わせはリスク分散に効果的ですが、以下のような対象地域が被るような組み合わせでは、分散効果が低下してしまいます。

  • 全世界株式+日本株式
  • 全世界株式+先進国株式
  • 全世界株式+新興国株式
  • 先進国株式+米国株式

全世界株式は、国内株式や先進国株式、新興国株式を含むため、どの銘柄を組み合わせても同じような運用成績となってしまいます。

また、先進国株式には米国株式が含まれるため、この組み合わせも分散効果が低いといえます。

2.管理が複雑になる

複数の銘柄を組み合わせれば、管理も複雑になります。

例えば、米国株式の銘柄と新興国の銘柄に投資している場合、両方の値動きを追いかける必要があります。

情報量が多くなり、自分が何に投資しているのかわかりづらく、どれくらい資産を持っているのか把握しづらくなるでしょう。

また、資産配分が時間の経過とともに変化し、その都度バランスを整える必要性も出てくるので長期運用も困難になってしまいます。

複数銘柄へ投資するときの4つのポイント

NISAの組み合わせを考えるときには、次のようなアイデアがあります。

この4つのなかから、自分が実践しやすい方法で組み合わせる銘柄を検討してみてください。

1.投資先の資産で組み合わせを考える

投資する資産の組み合わせをもとに複数銘柄を組み合わせることも一案です。

NISAで投資できる投資信託は、株式や債券など特定の資産カテゴリーのなかで分散投資するものが多数あり、一部は1つの銘柄で複数の資産カテゴリーに投資します。

そのため投資先の資産に着目して、異なる資産へ投資する投資信託同士を組み合わせるとよいでしょう。

また、株式やREITなどNISAの成長投資枠で投資できる個別銘柄と投資信託を組み合わせる方法もあります。

リスクを分散する観点からは、異なる値動きの特徴を持つ資産同士を組み合わせるのが基本です。

2.地域が異なる銘柄同士を組み合わせる

地域に着目して分散投資を実現することもひとつの方法です。

株式ひとつをとっても、日本株、米国株、先進国株や新興国株など投資する国や地域が異なるさまざまな投資信託があります。

異なる国に投資する投資信託や個別銘柄を組み合わせて、投資する地域の面から分散投資を実現することも一案です。

新興国へ積極的に投資したい場合は、「先進国株+新興国株」の組み合わせで新興国株の投資信託を多めに保有する方法があります。

また「日本株+新興国株」など、投資信託1銘柄では実現できない組み合わせでの投資も可能です。

3.インデックス・アクティブファンドを組み合わせる

複数銘柄を組み合わせることで、インデックスファンドとアクティブファンドを組み合わせることもひとつの方法です。

投資信託は、大別すると市場指数に連動する「インデックスファンド」と市場指数を上回ることを目指す「アクティブファンド」に分けられます。

単一銘柄への投資では、事実上インデックスファンドとアクティブファンドのいずれかを選択しなければなりません。

一方、複数銘柄の投資信託を組み合わせれば、インデックスファンドとアクティブファンドの両方を取り組むことが可能です。

例えば「インデックス投資を主体としつつも情報を入手しやすい日本だけアクティブ投資にチャレンジする」といった戦略も考えられます。

複数銘柄の組み合わせにより、さまざまな投資戦略の投資信託を取り入れることが可能になります。

4.低リスクファンドを取り入れてリスクを調整する

低リスクファンドを適度に取り入れて、リスクを抑える方法も有効です。

NISAの人気銘柄には、株式へ投資する投資信託が多く見られます。

過去の実績に基づくと、長期で見れば魅力的なリターンが期待できる株式市場です。

しかし経済ショックの時期には、大幅な下落を見せる場合もあり「株式ではリスクが高すぎる」と考える方もいるでしょう。

資産の一部を債券へ投資する投資信託などの低リスクファンドへ投資すると、損失リスクの抑制が期待できます。

複数銘柄を組み合わせることで、安心して長期で保有し続けられる資産構成が実現します。
2024年9月現在、つみたて投資枠の対象銘柄には債券のみに投資する投資信託がありませんが、成長投資枠には複数銘柄が対象となっています。

成長投資枠もうまく活用して、投資銘柄の組み合わせを検討しましょう。

NISA初心者におすすめの投資信託

投資信託の組み合わせを考える前に、まずは初心者におすすめの投資信託を紹介します。

いきなり個別株やREITで組み合わせを考えるのは難易度が高いので、おすすめ銘柄を軸に複数銘柄の組み合わせを検討してみましょう。

SBI・V・全米株式インデックス・ファンド

SBI・V・全米株式インデックス・ファンドファンドは、アメリカの株式市場全体の値動きを示す代表的な指数である「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」に連動するように運用されています。

アメリカの大型株から小型株まで、ほぼ全ての銘柄に幅広く投資することで、アメリカ経済全体の成長を取り込むことを目指します。

・SBI・V・全米株式インデックス・ファンドのメリット

アメリカ経済の成長に期待できること、約4,000銘柄への分散投資によりリスクを抑えられること、運用コストが非常に低いことなどがメリットとして挙げられます。

長期的な視点で資産形成を考えている方におすすめです。

特定の企業に集中投資するのではなく、アメリカ市場全体に投資することで、個別企業のリスクを抑えながら成長を享受できる可能性が高いといえるでしょう。

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eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

世界中の株式に投資できるインデックスファンドで、先進国から新興国までを対象にしています。

1本の投資で約3,000銘柄に分散投資が可能で、リスクを抑えつつ世界経済の成長を享受できます。

信託報酬も業界最低水準で、コスト面でも初心者に優しい設計です。

どの地域に投資すべきか迷う方には、これ1本でバランスの良い投資が実現できるのでおすすめです。

・eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)のメリット

世界経済の成長に期待できること、先進国と新興国を含む広範囲な分散投資でリスクを抑えられること、運用コストが低いことなどがメリットとして挙げられます。

世界経済の成長にまるごと投資したいという方におすすめです。

これ一本で世界中の株式に投資できるため、手軽に国際分散投資を始められます。

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eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)

株式・債券・REITを含む8つの資産に均等に投資するバランス型ファンドです。

以下の8カテゴリーの資産に均等投資(すなわち1資産カテゴリーあたり12.5%)します。

  • 1. 国内株式
  • 2. 先進国株式
  • 3. 新興国株式
  • 4. 国内債券
  • 5. 先進国債券
  • 6. 新興国債券
  • 7. 国内REIT
  • 8. 先進国REIT

1つのファンドで多様な資産に分散投資ができるため、リスクを軽減しながら安定した運用を目指せます。

初心者でもわかりやすく、どの資産に投資するか迷わず始められるのが魅力です。

リスクを抑えた運用をしたい方や幅広く分散したい方にぴったりの選択肢です。

・eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)のメリット

分散投資の効果が非常に高く、リスクを抑えられること、様々な資産にまとめて投資できることなどがメリットとして挙げられます。

リスクを抑えながらバランスの取れた投資を行いたい方におすすめです。

これ一本で複数の資産に分散投資できるため、ポートフォリオ構築の手間を省けます。

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eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)

このファンドは、日本の代表的な株価指数である日経平均株価に連動します。

日本の大手企業に分散投資でき、日本経済の成長を直接反映したリターンを期待できます。

信託報酬も低く、日本株に興味がある初心者におすすめです。

特に日本市場に馴染みがあり、国内投資を重視したい方には最適な選択肢です。

・eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)のメリット

日本経済の動向を把握しやすいこと、運用コストが低いことなどがメリットとして挙げられます。

日本の株式市場に特化して投資したい方におすすめです。

日経平均株価はニュースなどで頻繁に取り上げられるため、投資状況を把握しやすいという利点もあります。

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SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド(年4回決算型)

米国の高配当株に投資するこのファンドは、配当収入を重視する方に最適です。

年4回分配金があり、安定的な収益を得られる可能性があります。

信託報酬も低水準で、米国市場の魅力を活かしながら収益を得たい初心者におすすめです。

配当金を得る喜びを感じながら投資を学ぶことができます。

・SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド(年4回決算型)のメリット

メリットは、安定した配当収入が期待できること、米国企業の成長と配当の両方を享受できる可能性があることなどが挙げられます。

インカムゲイン(配当収入)を重視する方におすすめです。

ただし、分配金は必ず支払われるわけではなく、また分配金を受け取ることで再投資の効果が薄れる場合もありますので、注意が必要です。

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eMAXIS Slim 先進国債券インデックス

先進国の国債に分散投資するインデックスファンドで、リスクを抑えた運用が可能です。

株式投資が不安な方や、安定性を重視したい方に適しています。低い信託報酬でコストを抑えながら、世界主要国の安全性の高い債券に投資できる点が魅力です。

株式と組み合わせることでリスク分散効果も期待できます。

・eMAXIS Slim 先進国債券インデックスのメリット

株式に比べて値動きが安定していること、ポートフォリオのリスク分散に役立つことなどがメリットとして挙げられます。

株式投資のリスクを抑えたい方や、安定的な運用を重視する方におすすめです。

債券は株式とは異なる値動きをするため、ポートフォリオに組み入れることでリスク分散効果が期待できます。

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ひふみプラス

主に日本株に投資するアクティブファンドで、一部は海外株も対象としています。

市場の変動に応じて柔軟に運用し、下落時には現金比率を高めて損失を抑える仕組みが特徴です。

初心者でも手厚い運用が期待でき、日本企業に投資したい方や積極的な運用を目指す方におすすめです。

長期的な視野で資産を成長させたい方に最適です。

・ひふみプラスのメリット

積極的な運用による高いリターンが期待できること、運用会社による銘柄選定の恩恵を受けられることなどがメリットとして挙げられます。

市場平均を上回るリターンを積極的に狙いたい方におすすめです。

ただし、運用コストはインデックス型に比べて高くなる傾向があり、また市場平均を下回る可能性もあるため、注意が必要です。

ここまで紹介した投資信託の概要を以下にまとめました。

\信託報酬率に応じたポイント還元も受けられる!/

NISAで複数銘柄投資するときのおすすめの組み合わせ

今回紹介した投資信託も活用しながら、NISAで複数銘柄に投資するときのおすすめの組み合わせを4パターン紹介します。

1.米国株式+日本株式|米国と日本の主要企業に分散投資

組み合わせ例
  • SBI・V・全米株式インデックス・ファンド
  • eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)
  • SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド(年4回決算型)
  • eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)

1つ目は、米国株式と日本株式を組み合わせる例です。

米国の株式市場は、過去長期にわたって順調に市場拡大を実現させています。

今後も米国の経済成長を期待する場合は、米国へ一定割合を投資することが有効です。

一方で、米国に集中させるのはリスクが高いと考える場合は、情報収集がしやすい日本株と組み合わせることも一案といえます。

あくまでも全米で分散投資させたいのであれば、米国株式は「SBI・V・全米株式インデックス・ファンド」がおすすめです。

一方で長期投資するなかで分配金収入にも期待するのであれば「SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド(年4回決算型)」を選ぶのもよいでしょう。

日本株式については、今回紹介した「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」であれば、日本の代表的な企業に分散投資ができます。

そのほかでは、TOPIXに連動するインデックス投信を組み入れることも一案です。

2.世界株式+日本株式|世界と日本の主要企業に分散投資

組み合わせ例
  • eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
  • eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)

「世界中の株式に分散投資しながら国の比率を下げたい」「日本株の比率を増やしたい」という方におすすめです。

「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は、全世界に分散投資する投資信託ですが、連動するインデックスの投資銘柄構成が「時価総額加重平均」のため、2024年現在では大部分が米国に投資されています。

もし米国への集中度が気になる場合は、別の銘柄を組み合わせることも一案です。

例えば同ファンドは、日本の組入率が5.6%(2024年3月29日現在)にとどまっているので、日本株のインデックスと組み合わせて日本の投資比率を高めることも一つの考え方といえるでしょう。

3.世界株式+債券ファンド|債券を組み込みリスクを分散

組み合わせ例
  • eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
  • eMAXIS Slim 先進国債券インデックス

「世界中の資産へ分散投資したいけど市場悪化時の下落リスクが気になる」という方におすすめの組み合わせです。

グローバルな経済ショックや金融不安が起こると世界同時株安となって、地域で分散投資しても損失抑制につながらないリスクがあります。

例えば、リーマンショックによる影響が本格化した2008年に世界株式の市場指数「MSCI全世界株価指数」は、41%も下落しました。

こうした損失リスクを抑えるためには、相対的に低リスク債券と組み合わせて投資することも一案です。

今回紹介した「eMAXIS Slim 先進国債券インデックス」を保有すれば、債券側も多様な先進国の国債へ分散投資できます。

「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」と組み合わせれば、地域と資産の双方でリスク分散が可能です。

4.インデックスファンド+アクティブファンド|着実なリターンを目指す方向け

組み合わせ例
  • eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
  • ひふみプラス

資産の一部にアクティブファンドを取り入れて、市場悪化時の損失抑制や長期での資産成長の加速を目指す方法もあります。

例えば「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」で全世界に分散投資しつつ、日本については長期でTOPIXを上回った実績のあるアクティブファンド「ひふみプラス」を取り入れることも選択肢の一つです。

この組み合わせにおいては、アクティブファンドのコンセプトにも着目して銘柄を選びましょう。

ひふみプラスの場合は「割安株への投資」「市場悪化時に現金比率を高められる」といった特徴があるため、市場悪化時の損失を抑制しながら長期で安定したパフォーマンスが期待できるファンドです。

インデックスファンド単体での投資と比べて、リスクを高めず長期で着実なリターンを追求したい方におすすめです。

NISA初心者は信託投資1本からでも十分

ここまで複数銘柄へ投資するときのポイントや考えた方を紹介してきました。

しかし初心者は、無理に複数銘柄へ投資する必要はありません。

投資信託は、1本でも分散効果が働くうえ、ファンドによっては1本で異なる特徴を持つ多様な資産へ投資が可能です。

投資信託は、投資家から集めた資金を多数の資産に分散投資する仕組みの金融商品です。

そのため1本に投資するだけでも分散効果が期待できます。

例えば、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、世界中の約3,000銘柄(2025年1月時点)の株式を組み入れており、個別株を購入するのと比べればはるかにリスクが分散されています。

「うまい銘柄の組み合わせが思いつかない」という方は、まず単一の投資信託を購入してみてはいかがでしょうか。

まとめ|NISAで複数銘柄を保有すればリスク分散や自分に合った投資が可能に

NISAで投資信託を複数銘柄保有すれば、リスク分散効果の向上や自分の理想に合った資産構成の構築が期待できます。

「株式だけではリスクが高すぎる」と感じる方は、適度なリスク水準にするために資産構成を調整可能です。

複数銘柄へ投資するときには、投資先の資産の違いや投資する国や地域の違いに着目して、銘柄の組み合わせを検討してください。

伊藤圭佑

資産運用会社に勤める金融ライター。証券アナリスト保有

新卒から一貫して証券業界・運用業界に身を置き、自身も個人投資家としてさまざまな証券投資を継続。 キャリアにおける専門性と個人投資家としての経験を生かし、経済環境の変化を踏まえた投資手法、投資に関する諸制度の紹介などの記事・コラムを多数執筆。
<保有資格>
資産運用会社に勤める金融ライター。証券アナリスト保有
・日本FP協会認定 AFP

(提供:Crazy Money Plus+