株式会社タイミー
(画像=株式会社タイミー)
八木 智昭(やぎ ともあき)――取締役CFO
三菱UFJ銀行で法人営業に従事後、三菱UFJモルガン・スタンレー証券にて投資銀行業務に従事。SaaS企業で事業推進を主導後、2020年タイミーに参画。2021年に海外投資家から総額53億円のシリーズD調達、2022年にはセカンダリー取引で海外投資家の資本参画や総額183億円のDebt調達、2023年にも総額130億円のDebt調達を主導。2024年7月には、グローバルオファリングでのIPOを主導。
タイミーは、「『はたらく』を通じて人生の可能性を広げるインフラをつくる」をミッションに掲げ、「働きたい時間」と「働いてほしい時間」をマッチングするスキマバイトサービス「タイミー」を展開。2024年9月現在、導入事業所は29万7000拠点、ワーカー数は900万人を突破している。2024年7月26日、東京証券取引所グロース市場への新規上場を達 成。

目次

  1. 現在までの事業変遷について
  2. 貴社におけるNo.2の役割について
  3. No.2が意思決定の際に重要視をしている点について
  4. No.2の思い描いている貴社の未来構想について
  5. ZUU onlineユーザーならびにその他投資家へ一言

現在までの事業変遷について

ーーまず、これまでの事業の変遷についてお伺いできますでしょうか?

株式会社タイミー 取締役CFO・八木 智昭氏(以下、社名・氏名略) 「タイミー」は2018年8月にサービスを開始した、「働きたい時間」と「働いてほしい時間」をマッチングすることで、時間や場所に制約されない自由な働き方を提供するスキマバイトサービスです。多角的に事業を展開しているわけではなく、「タイミー」が中心となっています。最近では「タイミーキャリアプラス」といった新サービスも始めましたが、まだ全体からすると小さな割合です。

株式会社タイミー
(画像=株式会社タイミー)

ーー創業からの資金調達も順調に進んでいるようですね。

八木 はい、そうです。シリーズAやシリーズBで資金調達を行い、主にユーザー獲得に注力しました。当初は飲食業界のお客様が中心で、ワーカーも学生が多かったですね。2019年末にテレビCMを放映したことで、ワーカーの登録者数が一気に増加しました。

ーーその後、コロナ禍の影響はどのように乗り越えたのでしょうか?

八木 コロナ禍で飲食業界が大打撃を受け、一時成長が停滞しました。しかし、物流業界が逆に成長していたため、そちらにシフトしました。2020年を境に、飲食から物流業界へのサービス提供を強化したのです。この決断がなければ、会社自体が厳しい状況になっていたかもしれません。

ーー物流業界への転換は簡単ではなかったのでは?

八木 おっしゃる通りです。最初は多くの企業が「面接・履歴書のないスキマバイトなんて無理だ」と考えていました。しかし、実際に導入してみると「意外と助かる」という声が増えていきました。我々の営業チームが現場に入り込み、業務のオペレーションを調整したことが成功の鍵だったと思います。

ーーその後の成長はいかがでしたか?

八木 2021年9月にシリーズDで53億円(デット含む)の資金調達を行い、さらに事業を拡大しました。現在では、回復してきた飲食業界と物流業界の両方でバランスよく事業を展開しています。今後も人手不足は続くと予想されますが、タイミーとしては様々な業界でのサポートを強化していきたいと考えています。

貴社におけるNo.2の役割について

ーー八木さんはタイミーでどのような役割を担っていらっしゃいますか?

八木 私は取締役CFOとして、会社の運営面を担当しています。現在、タイミーの取締役は私と代表の小川の二人だけです。小川が創業者としてビジョンやミッションをリードする一方で、私は組織全体の運営や成長戦略の具体化を担っています。

ーー具体的にはどのような責任を持たれているのでしょうか?

八木 CFOとしては、エクイティファイナンスやデットファイナンスの戦略立案・実行など、企業の成長を支えるための攻めの役割を担っています。また、資金をどのように使うか、採用やマーケティングにどう活かすかといった判断も重要な責任です。小川と二人で、会社全体の成長を見据えながら、リソースを最大限に活用しています。

No.2が意思決定の際に重要視をしている点について

ーー意思決定の際に重要視しているポイントについて教えていただけますか?

八木 二つ重要なポイントがあります。まず一つ目は、中長期的な視点を持つことです。今すぐの結果だけでなく、3年後、5年後にその判断が適切だったかどうかを見据えます。会社の成長ビジョンに沿った決定ができているかどうかを常に確認しています。

二つ目は、ワーカーの視点を重視することです。タイミーのミッションは「『はたらく』を通じて人生の可能性を広げるインフラをつくる」ことです。ですから、意思決定の際にはワーカーさんがどう感じるかを常に考えます。実際、私は定期的にタイミーを使って自らバイトをし、現場の状況を把握するようにしています。

ーー現場に立つことで意思決定に深みを持たせているんですね。

八木 はい、合理的な判断とワーカーへの配慮、この両者をうまく融合させることが経営の鍵だと思っています。

No.2の思い描いている貴社の未来構想について

ーー八木さんが思い描いている貴社の未来構想についてお聞かせください。

八木 短期・中期では、既存クライアントとの取引拡大や新しいマーケットへの進出を目指しています。飲食や物流以外にも、小売やホテル、介護といった新しい領域への進出や、全国的なサービス展開を計画しています。

長期的には、タイミーを単なるスキマバイトのプラットフォームではなく、ワーカーのデータや信用評価を活用した多機能なサービスを提供できる「データプラットフォーム」に発展させたいと考えています。また、将来的には海外展開も視野に入れています。

ーー高齢者の労働参加についてはどのようにお考えですか?

八木 シニア層がタイミーを利用する例も増えています。短時間のバイトは適度に体を動かすことができ、社会とのつながりを保つ上でも重要です。人生100年時代において、どのようにして社会とつながり続けるかが大きな課題となるでしょう。タイミーはそういった課題解決にも貢献できると考えています。

ZUU onlineユーザーならびにその他投資家へ一言

ーー最後に、ZUU onlineユーザーや投資家の方々へメッセージをお願いできますでしょうか?

八木 タイミーは7月26日に上場したばかりですが、私たちの取り組みには非常に大きな意義があると考えています。日本の最も大きな社会課題の一つである「人手不足」に対して、タイミーは業界を問わず使えるプラットフォームを提供しています。

タイミーに投資していただくことは、間接的に日本全体の人手不足解消に貢献することでもあります。私たちは中長期的な視点を持ちつつ、今後も事業の成長を進めていきますので、ぜひ長期的な目線でタイミーの株式に投資していただければと思います。これからも、皆さまのご支援をよろしくお願いいたします。

ーー本日は貴重なお話をありがとうございました。

氏名
八木 智昭(やぎ ともあき)
社名
株式会社タイミー
役職
取締役CFO

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