毎年、新たに発売されるビジネス書は約6,000冊といわれています。いったいどの本を読めばいいのか、迷ってしまう方も多いでしょう。
このコーナーでは、読書家が集まる本の要約サービス「flier(フライヤー)」で注目されているおすすめの書籍をランキング形式でご紹介。さらにその中からアクセスの多かったトップ3の書籍について本文で詳しく見ていきます。
まずは2024年12月にビジネスパーソンから最も読まれた10冊の書籍の発表です!
1位:『こうやって頭のなかを言語化する。』(荒木俊哉/PHP研究所)
2位:『上手に「説明できる人」と「できない人」の習慣』(鶴野充茂/明日香出版社)
3位:『親子で学ぶ どうしたらお金持ちになれるの?』(橘玲/筑摩書房)
4位:『「ToDoリスト」は捨てていい。』(佐々木正悟/大和出版)
5位:『努力は仕組み化できる』(山根承子/日経BP)
6位:『無駄ゼロ!自分時間が増える 超・時短ハック』(鈴木真理子/明日香出版社)
7位:『「時間術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(藤吉豊,小川真理子/日経BP)
8位:『ほんとうの日本経済』(坂本貴志/講談社)
9位:『精神科医Tomyの人づきあいはテキトーでいいのよ』(精神科医Tomy/日本実業出版社)
10位:『「悩まない人」の考え方』(木下勝寿/ダイヤモンド社)
※本の要約サービス「flier(フライヤー)」の有料会員を対象にした、2024年11月25日〜2024年12月24日の閲覧数ランキング
言語化力=聞く力
2024年12月の月間ランキング第1位は、『こうやって頭のなかを言語化する。』でした。「今年の新語 2024」で大賞に選ばれた「言語化」の注目が、ランキングにも反映されたようです。著者である荒木俊哉さんは、電通のコピーライターであり、名だたる賞を多く獲得してきた言語化のプロフェッショナル!本書では自分で自分の話を聞く習慣をつけることによって言語化力を磨く方法を指南してくれます。
そのうち今日から1日たった3分で実践できる、自分で自分の話を聞く習慣トレーニングは次の3ステップ。
ステップ1は「できごと+感じたこと」をメモし、「ためる」こと。ステップ2では、自分の言葉に耳を傾けて、頭に浮かんだ言葉をノートに書きだします。ここで大事なのはステップ1で書いたメモに「のはなぜか?」の6文字を足して問いをつくることです。「資料作り完了。満足したのはなぜか?」などとすることで、自身に言語化を促すことができます。最後にステップ3では、書きだした内容をもとに、「資料作りで満足したのは、お客さんの質問に答えられるから」などと、現時点での「結論」を1行でまとめます。
この3ステップを毎日の習慣にするだけで、様々なテーマについて自分なりの「結論」が、端的に自分の中にストックされていきます。2025年、まずはこのステップを毎日の習慣にしてみてはいかがでしょう?
上手に説明できる人はたとえ話で始めない
第2位は、『上手に「説明できる人」と「できない人」の習慣』。会議や商談といった様々なシチュエーションにおいて、複雑な物事をコンパクトかつ的確に伝え、相手を気持ちよく動かす人は何が違うのかーー。そうした疑問に明確な答えをくれるのが本書です。
本書では「上手に説明できる人」と「できない人」の習慣を比較しながら、さまざまなシーンで役立つ説明のコツを示してくれます。
なるほどと参考になったのが、上手に説明できる人は似た経験を聞き、できない人はたとえ話をするという項目。たとえば友達に今通っているヨガ教室を勧めるとき、「ヨガは、まるで川の流れのようなもので……」などとイメージ説明しようとするのは著者によるとNG。話し手と聞き手に齟齬が生まれ、意図通りの説明にならないからです。
一方、説明が上手な人は「ストレス解消や体調を整えるために、取り組んでいることはある?」という質問から、相手の回答を聞いた後に「……そうなんだ。その経験を聞かせて。それを踏まえて、ヨガの良さを説明するね。」と、相手の経験を基に説明を組み立てていきます。
話の核となる部分を一通り説明したら、相手の「経験」を聞き出してみる。そうすることで相手があなたの説明に参加しやすくなるのだとか。実際に試してみることで、相手とのコミュニケーションがかわるのが実感できるはずです!
人生という「リアルなゲーム」の攻略法はこの一冊から!
第3位は、『親子で学ぶ どうしたらお金持ちになれるの?』です。
1+1=2。この当たり前の足し算ができない大人がいる――。そんな衝撃的な言葉からはじまる本書。もちろん「1+1=2」というのは比喩であり、「経済合理性」を述べています。「宝くじでいつか大金を当てる」「1年後には10倍になる株」などーー。冷静に考えればわかるような「1+1=100」を本気で信じている大人は意外と世の中に溢れています。だからこそ、「1+1=2」という現実をちゃんと知っておくことが大事だと、著者の橘玲さんは主張します。
本書は小中学生向けに、市場経済の仕組みをわかりやすく説いた一冊ですが、紹介する内容はトレードオフ、金利と複利、限界効用の逓減といった、経済学の必須項目ばかり。子どもだけに閉じるのではなく、まさに親子で学ぶ、経済の入門書として利用するのもおすすめです。
名だたるお金持ち達はどのように市場におけるルールを遵守し、そしてその中でいかに儲けているのか。ぜひ楽しみながらマネーリテラシーを身につけてみてはいかがでしょう。
いかがでしたか?
ランキングの上位を見てみると、言語化や説明といった、考えをまとめたり伝える方法をアップデートしたいという読者の姿が反映された結果となりました。どの書籍も決して難しい内容ではなく、明日から毎日を変えられるヒントがたくさんあるので、ぜひ試してみてください。
少しでもあなたに合いそうな1冊があればお手にとっていただければ幸いです。 来月はどういった書籍が読まれるのでしょうか。ぜひ皆様も予想してみてください。
flier編集部
本の要約サービス「flier(フライヤー)」は、「書店に並ぶ本の数が多すぎて、何を読めば良いか分からない」「立ち読みをしたり、書評を読んだりしただけでは、どんな内容の本なのか十分につかめない」というビジネスパーソンの悩みに答え、ビジネス書の新刊や話題のベストセラー、名著の要約を1冊10分で読める形で提供しているサービスです。通勤時や休憩時間といったスキマ時間を有効活用し、効率良くビジネスのヒントやスキル、教養を身につけたいビジネスパーソンに利用されているほか、社員教育の一環として法人契約する企業も増えています。
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