フリーランスの仕事の取り方は? 最新データや方法別のメリットを紹介
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働き方が多様化するなか、フリーランスとしての働き方に注目が集まっています。しかし、「どうやって仕事を取ればいいのかわからない」という悩みを抱えている方も多いことでしょう。本記事では、フリーランスが仕事を得るためのさまざまな方法を詳しく解説します。

直接営業、クラウドソーシング、フリーランスエージェントなど、それぞれのメリット・デメリットを比較し、これからフリーランスを目指そうとしている方や、すでにフリーランスとして働いている方にもおすすめの内容となっています。

さらに、成功するフリーランスになるための具体的なステップや、注意すべき点についても解説します。

フリーランスの半数以上は「人脈」と「取引先」で仕事を獲得

一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会のアンケート結果によると、半数以上のフリーランスは「人脈」または「過去・現在の取引先」から仕事を獲得しています。

以下のデータは、同協会が公表した「フリーランス白書2024」を参考に、「直近1年間で仕事獲得に繋がったことのあるもの」の割合をまとめたものです。

「仕事はどのようなところから見つけますか?」に対する回答内容 回答割合(n=1,242)
※複数回答可
人脈 61.6%
過去・現在の取引先 58.9%
自分自身の広告宣伝活動 33.2%
エージェントサービスの利用 23.2%
クラウドソーシング 18.7%
求人広告 15.9%
シェアリングサービス 2.2%
その他 3.5%
参考:一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス協会【フリーランス白書2024】

「人脈」や「過去・現在の取引先」の回答割合が高い一方で、「(自身のSNSやブログを使った)自分自身の広告宣伝活動」「エージェントサービスの利用」「クラウドソーシング」から仕事を獲得するフリーランスも一定数います。

自分が属する業種や保有しているスキル、獲得したい案件の特性によって適した方法は変わってくるため、必ずしも周りと同じ方法を選ぶ必要はありません。どのような仕事の取り方があるのかをきちんと把握し、目的に合った方法を選ぶことが重要です。

フリーランスの仕事の取り方7選|それぞれのメリット・デメリットも解説

上述したようにフリーランスの仕事の獲得方法は多岐にわたります。何も一つの方法に固執する必要はなく、さまざまな方法を組み合わせ、仕事を獲得することで、フリーランスとして安定した収入基盤を築くことができます。

しかし、闇雲に方法を組み合わせるのではなく、自分の強みや市場ニーズ、理想のワークスタイルを考慮した戦略的なアプローチが重要です。それぞれの方法にはメリット・デメリットがあることから、自分にあった最適な方法を見極めることが効率的な案件獲得につながります。

本章では、実績のある7つの仕事獲得方法の概要とメリット・デメリットを詳しく解説します。

1.以前の職場や知人から紹介してもらう
2.企業のサイトから直接営業する
3.クラウドソーシングを利用する
4.フリーランスエージェントを活用する
5.SNSで営業活動をする
6.コミュニティや異業種交流会に参加する
7.求人サイトを利用する

1.以前の職場や知人から紹介してもらう

先ほどの「フリーランス白書2024」にもありましたが、すでに広い人脈がある場合は、案件を紹介してもらう方法があります。すでに構築している人脈は、仕事獲得において大変有利に働きます。特に、以前の職場や業界の知人は、あなたのスキルや実績を理解しているため、あなたにあった案件を紹介してくれる可能性が非常に高いです。

そのため、正社員からフリーランスになる場合など、退職の際には丁寧な情報共有と引き継ぎを行い、良好な人間関係を維持しておきましょう。そうすることで先々、案件の獲得につながる可能性が高くなるでしょう。

<メリット>
・求人サイトのように膨大な案件に目を通す必要がない
・相手がどれくらい信用できるか、自分がどれくらい信用されているか予め分かっている
・長期かつ継続的な仕事につながりやすい

<デメリット>
・条件に合った仕事を紹介してもらえるとは限らない
・あらかじめ人脈や信用を築いておく必要がある
・関係性によっては、仕事や注文を断りづらい場合がある

2.企業のサイトから直接営業する

企業の採用ページは、フリーランスの仕事探しに役立つ貴重な情報源です。多くの企業が、自社サイトでさまざまな職種を募集しています。フリーランスのライターや編集者、イラストレーター、エンジニアなどを募集している企業も多いようです。

フリーランスを募集している企業に対して、電話やメールなどで直接営業をしてもいいでしょう。仮に仕事に結びつかなかったとしても、企業に自身の存在を覚えてもらうことで将来の仕事につながるかもしれません。

また、企業の採用ページには応募要件などが記載されているため、需要があるスキルや必要な実績などの情報収集に役立ちします。企業の採用ページの検索を行う際にはキーワードに「地名+職種」「メディア名+職種」とするなど、工夫をしながら目的のページを探すようにしましょう。

<メリット>
・関心がある企業に直接アプローチができる
・存在を認識させることで、将来の仕事獲得につながる可能性がある
・リサーチをするだけでも情報収集につながる

<デメリット>
・業種によっては目的のページが見つかりにくい
・複数の企業サイトを比較する必要があり、条件での絞り込みが難しい

3.クラウドソーシングを利用する

クラウドソーシングとは、インターネットを通じて、仕事を探しているフリーランスと業務委託先を探している企業をマッチングするサービスです。企業は、クラウドソーシングを通じて、翻訳、デザイン、プログラミングなど、さまざまな仕事を依頼することができます。

企業は必要なときに必要なスキルを持った人材を迅速に確保でき、フリーランスは自分のスキルを活かして多様な企業の仕事に携わることができます。代表的なサービスとしては「クラウドワークス」や「ランサーズ」があり、多くの案件が掲載されています。

これらのサービスでは「職種」や「報酬」などの条件を絞れるため、スムーズに目当ての仕事を探せる可能性があります。そのほか、未経験から始められる案件が多い点、サービスによってはハンドルネームで活動できる点なども、クラウドソーシングならではの特徴でしょう。

一方で、業務内容や報酬面などは委託する企業が決める形になるため、いわゆる 「単発で低単価の案件」も少なからず存在しています。契約をしてからトラブルが起きないように、委託元の信頼性や条件面は細かく確認することが重要です。

<メリット>
・業種によっては膨大な案件を比較できる
・条件面での絞り込みが容易
・未経験から始められる案件も多い

<デメリット>
・フリーランサー側に手数料がかかるサービスもある
・委託元の信用や条件面の確認が必須
・企業に自分をアピールするためのプロフィールページを作り込む必要がある

4.フリーランスエージェントを活用する

フリーランスエージェントとは、企業とフリーランスの仕事のマッチングを専門に行う仲介サービスです。エージェントが企業から案件を収集し、登録したフリーランスに適切な案件を紹介します。

経験やスキルに応じた案件の選定、単価交渉のサポート、契約書の作成など、煩雑な手続きをエージェントが代行してくれる利点があります。また、優良な案件を紹介してくれるため、高単価な報酬が期待できます。

クラウドソーシングに比べると案件の専門性が高く、「エンジニア向け」のように業種を絞っているサービスが多いです。また、サービスによってはキャリア相談や日程調整などのフォローも充実しており、さまざまな角度からフリーランスをサポートしてくれます。

高単価かつ長期的な案件の割合が多いため、実績やスキル次第では収入の安定につながります。

<メリット>
・自分のスキルに合った案件を紹介してもらえる
・営業や条件交渉などのサポートを受けられる
・高単価や長期間の案件の割合が多い

<デメリット>
・基本的には高い専門性やスキルが求められる
・職種によっては専門のエージェントサービスが少ない
・一般的にクラウドソーシングより手数料は高い(企業側)

5.SNSで営業活動をする

X(旧Twitter)、Instagram、LinkedInなどのSNSも、フリーランスの仕事探しに役立つツールです。SNSならではの方法として、ハッシュタグを活用して、自分がターゲットとする層に情報を届け、共感を得ることで仕事に繋げていく方法もあります。

イラストレーターやフォトグラファーなどは、描いたイラストや撮影した画像をInstagramに載せることでスキルのアピールになり、仕事の獲得につながる可能性が高まります。

LinkedInは世界最大級のビジネス特化型SNSです。同業他社や異業種の人々とのつながりを深め、ビジネスチャンスを広げることに役立ちます。例えば、プロフィール欄に実績やスキルを詳細に記載し、「案件を募集している」といった旨の掲載をすることで、案件依頼のアプローチがあるかもしれません。

また、SNSで「フリーエンジニア 募集」などのキーワードで検索し、フリーランスを募集している投稿を探す方法もあります。ただし、SNSには悪質な勧誘をしているアカウントも存在するため、メッセージを送る前には相手が信頼できる相手かを確認することが重要です。相手が所属する組織やバックグラウンドは慎重に確認しましょう。

<メリット>
・自身の実績やスキルについて、自由に情報発信ができる
・内容によっては拡散される可能性がある
・フォロワーを増やすことで自身のブランディングにもつながる

<デメリット>
・仕事探しに特化したツールではない
・相手とのやり取り次第ではトラブルに発展する危険性がある
・相手が信用できる相手かを確認することは必須である

6.コミュニティや異業種交流会に参加する

コミュニティや異業種交流会への参加は、新たな仕事につながる有効な手段といえます。これらの場では、同じように働くフリーランスだけでなく、多様な業界の人々と出会うことができます。

直接的な仕事依頼だけでなく、フリーランス同士のコラボレーションの機会が生まれることも少なくありません。また、日々の悩みを共有したり、スキルアップのための情報交換をしたりすることも可能です。

コミュニティや異業種交流会で人脈を広げることで、自分の存在をアピールする機会が増え、将来的にクライアントと出会う機会を増やすことが期待できるでしょう。単に顔を出すだけでなく、積極的にコミュニケーションを取り、周りとの信頼関係を築くことが大切です。

<メリット>
・幅広い人脈を築ける可能性がある
・相手と直接会ったり話したりしながらお互いに信頼関係を築ける
・新しい市場や業界外の企業に向けてもアプローチできる

<デメリット>
・コミュニティや会によっては費用や時間がかかる
・短期での成果は期待しづらい
・積極的なコミュニケーションが求められる

7.求人サイトを利用する

「リクナビNEXT」「マイナビ転職」「エン転職」「Indeed」といった一般的な求人サイトにも、フリーランスを募集する案件が掲載されています。リモートワークが中心の案件であれば地域が限定されることもありません。

なかでも大規模な求人サイトには多くの情報が掲載されており、業種によっては膨大な案件を比較しながら選べます。年収などの条件で案件を絞れる点も、求人サイトを利用するメリットです。

応募したい案件が正社員募集の求人だったとしても、フリーランスとしての業務委託で請け負えないか企業に連絡してみてもいいでしょう。ただし求人サイトは、エージェントサービスのようなサポートは備わっていないため、情報収集から書類の準備、交渉まで自身で行う必要があります。

<メリット>
・業種によっては膨大な案件を比較できる
・条件面での絞り込みが容易
・登録なしで案件を探せるサービスも多い

<デメリット>
・人気の案件は競争率が高くなりやすい
・フリーランス向け以外の求人情報も含まれる
・情報収集から交渉まで、全行程を自力で行う必要がある

フリーランスが効率的に仕事を増やすコツ

フリーランスが効率的に仕事を増やすためには、案件を探す前の下準備が必要です。また、自分ができそうな仕事が選べる場合は、将来につながる「仕事の選び方」も意識しなければなりません。

ここからは、効率的に仕事を増やす3つのコツを紹介します。

【フリーランスが効率的に仕事を増やすコツ】
1.スキルやポートフォリオ(実績)を整理する
2.市場調査をして目標や方向性を決める
3.実績になる仕事を優先する

1.スキルやポートフォリオ(実績)を整理する

フリーランスが条件に合う仕事を探すように、クライアントである企業側も条件に合った人材を探しています。企業側には契約前に「人材選定」のステップがあるため、スキルやポートフォリオをきちんと整理して、自分自身を企業側にわかりやすく伝えることが重要です。

ポートフォリオについては、これまでの経歴や受賞歴などのほか、可能な範囲でこれまでの「成果物」を記載しましょう。実際に製作したものを掲載すると、わかりやすい形で知識やスキルを示すことができます。

なお、「成果物」は基本的にそれを依頼したクライアントに権利があるため、ポートフォリオとして記載できるかは事前の確認が必要です。

2.市場調査をして目標や方向性を決める

複数の案件から自身に合った仕事を選ぶには、あらかじめ目標や方向性を決めておく必要があります。例えば、「月収30万円」や「時給換算で2,000円」などの目標があると、それを基準に仕事を選べるようになります。

目標を決める前段階として、「市場調査」に取り組むことも重要です。「現在のスキルでどれくらい稼げるのか」や「どのようなスキルの需要が高いか」などを把握しておかないと、適正な目標を立てることができません。

SNSやニュースサイトなどでトレンドを調べたり、実際の案件にも目を通したりしながら、関連する業界の市場動向を確認しましょう。

3.実績になる仕事を優先する

効率的に稼ぐことは重要ですが、人によっては報酬面より「実績づくり」を重視することが望ましい場合もあります。特にポートフォリオの情報が少ない場合、実績として公開できるような仕事を優先してみましょう。

実績を増やしてポートフォリオが充実すると、クライアント側から声をかけてもらえる可能性や、応募できる仕事の幅が変わっていきます。ただし、成果物の品質は維持する必要があるので、自身の能力を超えた仕事は引き受けないように注意してください。

IT人材なら「WithGrow」も選択肢に

WithGrow(ウィズグロウ)の仕組み
WithGrow(ウィズグロウ)の仕組み

IT系のフリーランスが仕事を探す場合は、人材シェアリングサービスの『WithGrow(ウィズグロウ)』も選択肢になります。

WithGrowは、デジタル化やIT化に向けて高度人材を探している企業と、プロフェッショナルIT人材(フリーランスや副業者など)をマッチングするサービスです。

豊富なIT経験をもつコーディネーターが間に入り、プロジェクトが円滑に進むように両者をサポートしてくれます。

地方中小企業を中心に幅広い案件を取り扱っており、地方に活躍の場を求める方にもおすすめです。専門的な仕事をスムーズに探したいフリーランスのエンジニアは、WithGrowの利用を検討してみてください。

参考:株式会社シーエーシー「WithGrow Service Site - WithGrowサービスサイト

理想のポートフォリオを意識して仕事を見つけよう

フリーランスの仕事の取り方は、個人のスキルや実績によって変わります。基本的には人脈や取引先が仕事につながるケースが多いですが、他にも多様な仕事の探し方、獲得の仕方があります。

理想のポートフォリオを意識しながら、実績につながるような案件にも目を向けることが重要です。フリーランスとして長年活躍する姿をイメージしながら、自身に合った方法で仕事を見つけましょう。

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