ナラティブの意味とは? 注目される背景とビジネスに活用するポイントを解説
(画像=Miha Creative/stock.adobe.com)

現代のビジネスで注目される考え方に、ナラティブと呼ばれるものがあります。

ナラティブとは、一人ひとりのユーザーに寄り添うことを重視した概念であり、「ナラティブアプローチ」や「ナラティブマーケティング」などの派生語が誕生しています。

なぜナラティブの考え方が浸透してきたのでしょうか。本記事では、ナラティブの意味や語源に加えて、ビジネスに活用する方法やポイントを解説します。

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ナラティブ(narrative)の意味

ナラティブ(narrative)とは、日本語では「物語」や「語り口」と訳される言葉です。1960年頃になると、フランスにおいて文芸分野における新しい理論として定着したといわれています。

具体的には、語り手自身が主人公として物語を描くアプローチでしたが、現在では医療や教育などの他分野にも広がりました。医療分野を例にすると、医師ではなく患者自身が主人公となり、病気や体調との向き合い方を考えていきます。

また、この用語は異なる専門領域でも使われるようになっており、代表的なものを以下で紹介します。

<ナラティブの派生語>
・ナラティブアート:物語性をもつ美術作品のこと。
・ナラティブセラピー:患者を主人公とした物語をもとに、心理療法を行うこと。
・ナラティブアプローチ:ナラティブを重視して課題や問題を解決すること。

上記のほか、製薬業界では患者などの症例経過情報を「ナラティブ情報」と呼ぶことがあります。

これに関連して、株式会社シーエーシーはナラティブ情報を自動生成する『Narrative Gen(ナラティブジェン)』を提供しており、製薬業界の安全性情報管理業務をサポートしています。

参考:株式会社シーエーシー「ナラティブを含む症例報告文章を自動で生成!ナラティブ自動生成ツール「Narrative Gen」

ストーリーとの違い

ナラティブとストーリー(story)は「物語を描く」という点で似ていますが、厳密には異なる意味を持つ言葉です。

ストーリーとは、主人公を中心に起承転結で話が展開される物語です。筋書きや内容自体を指す言葉であるため、決まった語り手や聞き手は存在しません。また、最初から最後まで物語が決められている点も特徴になります。

一方で、ナラティブの語り手は主人公自身であり、現在進行形の物語が自由に紡がれていきます。ナラティブの物語には終わりがなく、時間の経過とともに内容が変化していきます。

【ナラティブとストーリーの主な違い】

項目 ナラティブ ストーリー
定義 物語を語る行為、または語られた物語
物語に終わりがなく時間とともに変化する
一連の出来事を繋ぎ合わせた物語
起承転結があり終わりがある
特徴 主観的で、語り手の視点が強い 客観的で、事実や出来事を中心に描く
範囲 ストーリーを含む、より広い概念 ナラティブの一部
自伝、ブランドストーリー、企業のビジョン 小説、映画、神話

ナラティブがビジネスで注目される背景

ナラティブは文芸分野から広がった言葉ですが、現在では心理学、社会学、看護学に加えて、ビジネスの分野にも活用されています。ここからは、ナラティブがビジネスで注目される背景を説明します。

1.品質面での差別化が難しくなってきている

現代は、多くの企業がテクノロジーや最新技術を活用しながら、多様な商品・サービスを生み出しており、モノがあふれています。その結果、機能面や品質面の差がなくなるコモディティ化(商品やサービスが差別化されなくなり、価格競争が激化する状態)が進み、マーケティングや広報宣伝活動も一方的な情報発信だけでは差別化を図ることが難しくなっています。

このような状況下でも、ナラティブはユーザーの心に響くメッセージを伝えられる有効な手段です。ユーザーの声に耳を傾け、一人ひとりを主人公として商品やサービス、ブランドなどを展開するため、現代ビジネスならではの課題を解決できる可能性があります。

2.SNSなどの影響でブランドイメージが変わるようになった

SNSなどの台頭によって、以前よりもユーザーの声が拡散されやすい時代になりました。また、双方向のコミュニケーションの活性化により、ユーザーと企業との距離も近づいたため、ユーザーの声でブランドイメージが変わる業界も増えています。

このような業界において、一人ひとりのユーザーに寄り添うナラティブは、有効なブランド戦略になる可能性があります。あくまでもユーザー視点でプロダクトを開発し、心に響くメッセージを届けることができれば、良いイメージが広く拡散されることも考えられます。

3.一方通行の情報はノイズと捉えられてしまう

Web上に多くの情報があふれている点も、現代ビジネスならではの特徴です。ユーザーは日々大量のニュースや広告、映像にさらされており、企業の一方通行の情報発信はその中でノイズとして埋もれてしまいがちです。

その点、ナラティブはユーザー目線で物語を展開するため、一人ひとりの関心を惹きやすくなるでしょう。特にプロダクトの開発や改善、マーケティングに取り入れると、顧客満足度を高める効果が期待できます。

ナラティブアプローチとは?

ナラティブの派生語であるナラティブアプローチは、ユーザーの物語を通じて課題解決を目指す考え方です。もともとは臨床心理学の分野で1990年代に誕生し、現在はビジネスにも活用されています。

ナラティブアプローチの手法については、駒澤大学の教授である荒井浩道氏の著書「ナラティヴ・ソーシャルワーク“〈支援〉しない支援”の方法」で以下のように紹介されています。

1.ユーザーのドミナントストーリーを聞く
2.ユーザーの問題を本人から切り離し、外在化する
3.反省的質問をする
4.例外またはユニークな結果を探す
5.例外的な事実を深堀りし、新たなオルタナティブストーリーを構築する

出典:荒井浩道「ナラティヴ・ソーシャルワーク“<支援>しない支援”の方法」新泉社, 2014年

基本的にはユーザーの物語に耳を傾け、抱えている問題を十分に話し合いながら、新たな事実を見つけてストーリーを再構築する流れになります。

ナラティブアプローチのポイント

ナラティブアプローチを上手く活用するには、一人ひとりのユーザーが描く物語を的確に捉えて、プロダクトやマーケティングに反映することが必要です。ここからは、ナラティブアプローチの5つのステップとそれぞれのポイントを解説します。

1.ドミナントストーリーにきちんと耳を傾ける(ユーザーのドミナントストーリーを聞く)

ドミナントストーリーとは、ユーザーが最初に語る物語です。アプローチ全体の軸になるため、一人ひとりの声にきちんと耳を傾ける必要があります。

プロダクトなどに関して否定的な意見があったとしても、そのまま素直に受け入れる姿勢が求められます。ユーザーの語る偏見や思い込みも自社の課題につながる要素なので、受け入れ、丁寧な質問でユーザーの本心を引き出しましょう。

2.問題を客観的に捉える(ユーザーの問題を本人から切り離し、外在化する)

顕在化した問題をそのまま話し合うと、ユーザーや企業の主観が介在してしまいます。例えば、企業から見ると「ユーザーの個別の使用環境に問題がある」といった結論になる可能性があるため、ユーザーの問題は外在化する(本人から切り離す)ことが重要です。

心理学の分野では、相談者が語った悩みに自身で名前をつけさせて、問題を外在化する方法が一般的とされています。このステップを挟むと、自分事として捉えていた問題が相談者から切り離されるため、客観的な分析や考察が可能になります。

プロダクト開発やマーケティングにおいても、顕在化した問題はユーザーから切り離して分析しましょう。

3.関わっている人物や出来事、経験などを明確にする(反省的質問をする)

反省的な質問とは、物語の詳細を聞き出すための質問です。ドミナントストーリーに関わっている人物や背景を明らかにするために、「以前はどのような出来事があったのか」や「どのような経験が影響しているのか」などの質問を繰り返します。

ケースによって質問内容は変わりますが、「問題の解像度を上げる」というゴールは共通しています。ひとつずつ問題を深堀りし、ユーザーと一緒に原因や解決のヒントを模索しましょう。

4.例外に目を向けて深堀りする(例外またはユニークな結果を探す)

反省的質問を繰り返すと、本人でも気がつかない例外的な結果を見つけられることがあります。例としては、辛い経験の中にあった気づきや学び、使いにくいプロダクトにあった一部の便利な機能などが挙げられます。

このような点がユーザーの本質的な課題に結びつく可能性があるため、例外的な結果はさらに深堀りをしましょう。特にユーザーが否定的な意見をもっている場合は、例外的な結果の深堀りによって、偏見や思い込みであることをユーザーに自覚させる効果も期待できます。

5.ポジティブな物語に置き換える(例外的な事実を深堀りし、新たなオルタナティブストーリーを構築する)

オルタナティブストーリーとは、主流や既存の物語とは異なる、もう一つの視点や解釈の物語のことです。オルタナティブストーリーを構築するステップでは、反省的質問によって得た例外的な結果をもとに、新たな物語を作っていきます。最終的には問題解決を促す必要があるため、ポジティブな物語に置き換えることを意識しましょう。

例えば、全体としては満足度の低いプロダクトではあるものの、「一部に便利な機能があった」「競合品より安かった」などの例外的な結果があったとします。この場合は、不要な機能を削ったり価格をさらに下げたりすると、満足度向上につながるポジティブな物語を展開できる可能性があります。

ナラティブマーケティングにも応用できる

ナラティブアプローチをマーケティング分野に活用する手法は、「ナラティブマーケティング」と呼ばれています。ナラティブマーケティングでは、構築したオルタナティブストーリーをもとに広告・宣伝を行うことで、ユーザーの共感を得やすくなる特徴があります。

基本的な手順やポイントについては、ナラティブアプローチと変わりません。本質的な問題を捉えてオルタナティブストーリーを構築し、その内容をしっかりとマーケティング戦略に反映することが重要です。

<ナラティブマーケティングのポイント>
・双方向コミュニケーションの機会を増やしドミナントストーリーを聞く
・ユーザー目線で本質的な問題を見極める
・経営理念やプロダクトの説明など、企業が伝えたい情報を無理に発信しない
・オルタナティブストーリーをもとにユーザーから共感される戦略を考える

ナラティブマーケティングでは、関心が高まっている社会課題に目を向ける方法も有効です。例えば、ユーザーの物語を社会課題と紐づけて質問をしたり、SNSなどで問題提起をしたりすると、より共感されやすくなる可能性があります。

自社に関連するトピックを調査した上で、どのような機会を設けるべきか検討してみましょう。

ナラティブは現代のビジネス環境に適したアプローチ

ナラティブの活用は、現代のビジネス環境に適したアプローチです。ユーザーの本質的な課題をドミナントストーリーから抽出し、オルタナティブストーリーをもとに解決策を考えるため、プロダクトの完成度や顧客満足度を高められる可能性があります。

また、ナラティブをマーケティングにとり入れると、ユーザーの共感も得やすくなります。

本記事で紹介したポイントを押さえて、さまざまな企業戦略にナラティブを活用してみましょう。

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