主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年2月3日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼31日(金)の為替相場
(1):東京コアCPIは予想通り
(2):豪PPIは伸びが鈍化
(3):日銀総裁発言
(4):独CPIは前月を下回る
(5):米PCEデフレーターは予想通り
(6):米大統領 関税賦課の意向を改めて表明
▼31日(金)の株・債券・商品市場
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31日(金)の為替相場
期間:31日(金)午前7時10分~1日(土)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):東京コアCPIは予想通り
日本1月東京都区部消費者物価指数(CPI)は、生鮮食品を除いたコアベースで前年比+2.5%と市場予想に一致。前年2月以来の高い伸びとなった。
(2):豪PPIは伸びが鈍化
豪10-12月期生産者物価指数(PPI)は前年比+3.7%と7-9月期(+3.9%)から伸びが鈍化した。
(3):日銀総裁発言
日銀の植田総裁は「基調的な物価はいまのところ2%を少し下回っている」として「基調的物価の2%上昇に向けて緩和的な金融環境を維持する」と述べた。その上で、「経済・物価の見通しが実現していけば、政策金利を引き上げ、緩和度合いを調整していく」とあらためて表明した。
(4):独CPIは前月を下回る
独1月CPI・速報値は前年比+2.3%にとどまり、市場予想および前月(+2.6%)を下回った。一方、欧州連合(EU)基準の独1月CPIは前年比+2.8%と予想通りに前月と同率の伸びだった。なお、この日発表されたドイツの経済指標は、12月小売売上高が前月比-1.6%(予想±0.0%)、1月失業者数は1.10万人(予想1.50万人)、失業率は6.2%(予想6.1%)であった。
(5):米PCEデフレーターは予想通り
米12月個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)は前年比+2.6%と予想通りに前月(+2.4%)から伸びが加速。食品とエネルギーを除いたコアPCEデフレーターは前年比+2.8%と予想通りに高止まりした(前月+2.8%)。
(6):米大統領 関税賦課の意向を改めて表明
米ホワイトハウスは、トランプ大統領が2月1日からメキシコとカナダに25%の関税、中国に10%の追加関税を課す意向だとあらためて発表。関税の発動を3月1日に遅らせるとの一部報道で売られていたドルが買い戻された。ドル/円は上昇したが、クロス円はストレートドルにつれて反落した。