
総括
FX「関税戦争も人民安定。香港株好調。待たれる米中首脳会談」人民元見通し
(通貨7位、株価17位=上海)
予想レンジ 人民元/円 20.9-21.4
(ポイント)
*相変わらず人民元は、ドルより強からず、弱からずの位置で管理されている
*米中政治対立も、人民元はドルに抱きつき批判されないようにしている
*株価持ち直す、特に香港ハンセン指数がテック株主導で強い
*1月CPI上昇も季節的要因あり
*対面の米中首脳会談が待たれる
*安いディープシークとBYDが世界に影響
*米中関税戦争、中国は報復と提訴
*GDP、24年は5%成長
*トランプ氏大統領就任前の駆け込み輸出が増加 12月
*利回り低下する国債のリスクに警告、人民銀行
(ドルと一心同体。ドルより上に立たず、ドルより下に落ちず)
いつもの様にドルと併走。ドルが年初来9位、人民元は7位。対円で1.45%安、対ドルで0.35%高。元はドルに寄り添い、ドルより上に立たず、ドルより下に落ちず。
(香港ハンセン指数は好調)
上海総合指数は年初来で0.16%安、香港ハンセン指数は8.96%高、テック株と不動産株が上げを主導した。アリババ<9988.HK>は8%を超える上昇で4カ月ぶり高値を付けた。米アップルがAI開発で同社と提携し、中国向けiPhoneに共同開発したAIを搭載するとの報道が背景。日経は2.33%安。
10年国債利回りは1.63%で下げ止まっている。
(消費者物価は上昇も季節的要因あり)
1月の消費者物価は前年比0.5%上昇した。伸び率は昨年12月の0.1%から加速、5カ月ぶりの高水準。予想は0.4%上昇。
内需押し上げに成功しない限りデフレ圧力は今年も続くと予想している。消費者物価は緩やかに上昇すると予想されるが、工業製品の生産能力過剰が続いているため、生産者物価が短期的にプラスに戻る可能性は低いようだ。
今回の統計は季節的要因により歪められた可能性がある。旧正月という中国最大の連休が、昨年の2月に対して今年は1月に始まったため。消費者が食料品などを買いだめすることから、物価は旧正月に向けて上昇する傾向にある。
(公的資金による中国株支援策は)
中国当局が、苦境にある株式市場の復活とリバランスを支援するよう、大手金融機関に指示している。ただ、この計画には一定のメリットがあるが回復を促すかどうかは疑わしいとの声がでている。
中国当局は以前にもこの手法を使ったことがあり、その時はある程度の成功を収めた。しかし現在は、株式市場と低迷する経済が互いに食い合い、個人消費と民間投資を妨げるという悪循環に陥っている。
(米中首脳電話協議、良好な個人的関係)
トランプ米大統領は1月20日の就任以降に中国の習近平国家主席と電話で協議したと明らかにした。「彼と話をした。彼の側近とも話をした」と答え、「われわれは非常に良好な個人的な関係を築いている」と述べた。 ホワイトハウスと中国外務省はコメント要請に応じていない。
トランプ氏は先週、米中間の貿易摩擦が激化する中、習氏との会談を急いでいないと述べた。 両氏はトランプ氏の就任直前に電話会談し、中国系動画投稿アプリ「TikTok」や貿易、台湾を巡る問題について協議した。