
総括
FX「対米亀裂もランドはドルより強い。ただ円には引き離される」南アランド見通し
「通貨3位、株価8位」
「予想レンジ 南アランド円7.8-8.3」
(ポイント)
*対米亀裂はあるが、南アランドはドルより強い。ただ円には引き離されている
*ランドは12通貨中3位、株価指数も年初来5.73%高
*内憂外患あり
*援助打ち切りの米に代わり中国が支援約束
*南アの原発入札にロシア、イランが参加か
*4Q失業率は改善、12月小売売上もまずまず
*今週は1月消費者物価などの発表
*計画停電再び実施
*トランプ大統領は、南アへの支援を停止する大統領令に署名
*南ア産出の鉱産物価格が上昇
*南アは「投資適格」を目指す
*今年秋のAGOA法(南アから米国への免税輸出)の見直しが焦点
*リセッションとなるか。3Qはマイナス成長
(3位と健闘。内憂外患あるも株価もまずまず)
トランプ大統領の南アの「収用法」問題からの経済支援停止などの攻撃はあるが、ランドは健闘、ドルより強く年初来で3位(2.56%高)、ただ最強の円には離される(2.52%安)。南ア全株指数は年初来5.73%高。10年国債利回りは10.59%。
(内憂外患)
*国内=収用法、付加価値税引き上げで連立政権を組むDA党と対立
*国外=米国からの援助打ち切り、南アがイスラエルをジェノサイドでICCに提訴したことを米国が批判、米国が収用法を批判、米国がG20に参加せず
(援助打ち切りの米に代わり中国が支援約束)
ラモラ外相は、トランプ大統領が南アへの資金援助を打ち切ったのに代わり、中国が支援を約束したと語った。米国の支援打ち切りは、土地所有での人種間格差に対処することを目的とした土地改革法と、イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザへの攻撃をジェノサイドと主張していることを理由としている。
中国を含めた多くの国からの支援を強化するために二国間会合を設定していると説明。その上で「中国は私たちと連帯し、できる限り貿易関係や課題への支援を約束する用意があると申し出た」と語った。
(4Q失業率は改善、12月小売売上もまずまず)
4Q失業率は31.9%で前期の32.1%から改善した。12月小売売上は前年比3.1%増、前月の7.6%増より下回ったが予想の2.6%増を上回った。
(今週は1月消費者物価など)
今週は1月消費者物価、 卸売物価、1月貿易収支などの発表がある
(計画停電再び)
電力公社エスコムは1月31日、計画停電を実行した。約10カ月ぶりの計画停電で、複数の発電所の故障と緊急予備電力の枯渇が原因だった。その後も計画停電が行われている。
(原発入札にロシア、イランが応札か)
南アのマンタシェ鉱物・石油資源相は、原子力発電所の能力を拡大するための入札でロシアもしくはイランの応札を受け入れる可能性があると述べた。こうした姿勢を貫けば米国と南アの亀裂が深まり、両国の戦略的エネルギー協定の更新がさらに遅れる可能性がある。