外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。

作成日時 :2025年4月7日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼4日(金)の為替相場
(1):中国 報復関税発表
(2):米雇用統計 NFPが市場予想を大幅に上回る
(3):FRB議長「不確実性は高い」
(4):株価が大幅下落

▼4日(金)の株・債券・商品市場

▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:リスク回避のドル買いと円買いが交錯/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント

4日(金)の為替相場

外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

期間:4日(金)午前6時10分~5日(土)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム

(1):中国 報復関税発表

中国政府は、4月10日から米国からの全輸入品に34%の関税を課すと発表。トランプ米政権が2日に発動した相互関税への報復措置と見られ、税率は米国の中国に対する相互関税と同率となる。これを受けて世界的な貿易戦争への懸念が強まると、欧州株が下げ幅を拡大。リスク回避の円買いが活発化した。

(2):米雇用統計 NFPが市場予想を大幅に上回る

米3月雇用統計は、非農業部門雇用者数が22.8万人増と市場予想(14.0万人増)を大幅に上回った。一方、失業率は4.2%となり、前月から横ばいの4.1%を見込んでいた市場の予想を上回った。ただ、労働参加率が上昇したこともあって追加的なドル売り材料にはならなかった。なお、平均時給は前月比+0.3%、前年比+3.8%だった(予想+0.3%、+4.0%)。

(3):FRB議長「不確実性は高い」

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、トランプ政権が2日に打ち出した関税措置について「不確実性は依然として高いが、関税の引き上げは予想よりも大幅に大きくなることが明らかになりつつある」「経済への影響についても同様に大きくなるだろう。その影響にはインフレ率の上昇や経済成長の鈍化などが含まれる。大きさやどのくらいの期間に及ぶかは依然として不透明だ」との認識を示した。一方で「不確実性が高まり、下振れリスクが高まっているものの、経済は依然として良好な状態にある。インフレ率もまだ2%の目標を上回っている」などとした上で、「われわれは急ぐ必要はないと感じる。金融政策の適切な方向性について結論を出すのは時期尚早だ」として、利下げの判断を急がない姿勢を強調した。なお、これより前にトランプ米大統領は「パウエルFRB議長が金利を引き下げるには絶好のタイミングだ。議長はいつも遅れているが今ならそのイメージを覆し、素早く行動できる」とSNSに投稿した。

(4):株価が大幅下落

貿易戦争による世界的な景気悪化への懸念からNYダウ平均株価が2231ドル安(-5.5%)で取引を終了。S&P500やナスダックも5%を超える大幅安となった。米3月雇用統計やFRB議長講演の影響もあって一時147円台に反発していたドル/円は146円台に押し戻された。一方、株安を背景とするリスク回避の円買いとドル買いが交錯する中、クロス円は軟調推移が続いた。