パルグループホールディングス(以下、パルグループHD)は4月8日、2025年2月期の通期連結決算を発表した。売上高は2078億2500万円(前年比7.9%増)、営業利益は236億5600万円(同27.1%増)、親会社株主に帰属する通期純利益は118億4800万円(同7.8%減)と、減益だったものの営業利益と経常利益は3期連続で過去最高を更新した。
パルグループHDは、衣料事業において多ブランド展開を推し進めており、2024年3月1日付けでレイ・カズン社から「レイ・カズン(Ray Cassin)」、9月1日付けでウェアーズ社から「ダブルクローゼット(w closet)」のそれぞれ一部店舗やEC関連の事業などを譲り受けた。一方で昨年6月には不正アクセスによるサーバートラブルが発生し、仕入金額や発注数の抑制、一部商品の納期ずれの影響で販売機会のロスが生じた。また、創業者で取締役の井上英隆氏の退任に伴い、特別功労金として31億5800万円を特別損失として計上したことから、最終利益は前年比で7.8%減だった。
成長著しい雑貨事業の「スリーコインズ(3COINS)」の売上高は、前年比12.5%増となる709億3000万円と好調を維持しており、店舗数は344店舗まで拡大した。「スリーコインズ」は「100円ショップ」だけではなく、「ハンズ(Hands)」や「無印良品」などともアイテムの展開領域がオーバーラップしてきており、支持層をさらに拡げている。
業績が好調なパルグループHDは、2026年4月に入社する新入社員の初任給の引き上げも発表しており、大学・大学院卒は改訂前の234,000円から300,000円に引き上げる。66,000円の増加で、28%の引き上げ率だ。短大・専門学校卒は改訂前の227,000円から293,000円に引き上げる。66,000円の増加で、29%の引き上げ率。
パルグループHDの2026年2月期通期の連結業績予想は、売上高は2310億円(前年比11.2%増)、営業利益は264億円(11.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は168億5000万円(同42.2%増)としている。4期連続で過去最高の営業利益を目指すパルグループHDの株価も続伸しており、決算を発表した翌9日の株価は、6.0%の上昇だった。