人民元見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「米中関税合意で市場はどう反応したか」人民元見通し

(通貨10位、株価11位=上海、香港ハンセンは3位)
予想レンジ 人民元/円 20.0-20.5

(ポイント)
*米中関税交渉豪合意でリスク選好、人民元とドルは密着
*米中共同声明で関税は?
*4月貿易統計、輸出が予想を大きく上回る
*依然、デフレ圧力が続いている
*米中首脳会談はあるか
*年初来、人民元は10位、ドルは11位と弱い
*4月のPMIはすべて悪化
*世界の貿易の米中の占める位置は?(前号)
*中国は関税戦争が世界経済の秩序損なうと主張
*1Q・GDPは予想を上回る5.4%の伸び
*成長目標5%前後維持 財政出動で内需拡大

(米中関税交渉豪合意でリスク選好、人民元とドルは密着)
 米中関税交渉豪合意でまずは株価が上昇した。前週末から5月14日までで
ハンセン指数は3.38%高、上海総合指数は1.85%高
 人民元円は1.39%高、ドル人民元は0.41%安となっている。どこまでリスク選好が続くか。今後の米中貿易交渉の詳細の詰めに注目したい。
(ナスダックは6.79%高、NYダウは1.94%高、ドルインデックスは0.78%高、日経平均は1.67%高)
年初来では人民元が12通貨中10位、対円で4.99%安、ドルが11位で6.62%安。

(米中共同声明)
米中経済貿易ハイレベル会談の共同声明により、これまで米中双方が課していた関税措置が5月14日から部分的に緩和されることとなった。中国側は、米国商品に対する追加関税34%のうち24%を90日間停止とし、残りの10%の関税は適用を継続するとした。また、追加関税(計91%)は廃止するとした。

米国は中国に課している125%に達した相互関税率を米国は30%に引き下げる。これには違法薬物フェンタニルの流入に絡む20%関税も含まれる。今後は、協議継続のための枠組みを設置する。

(4月貿易統計、輸出が予想を大きく上回る)
4月の貿易統計では、輸出が予想を大きく上回るペースで増加し、輸入は予想よりかなり小幅な減少にとどまった。トランプ政権による90日間の上乗せ関税停止期間中に対米輸出を急いだ海外メーカーからの需要が寄与した。一方、輸入は予想よりかなり小幅な減少にとどまった。
輸出は前年同月比8.1%増。予想は1.9%増。輸入は前年同月比0.2%減と、3月の4.3%減から大幅に改善した。予想は5.9%減。政府の景気下支え措置により内需が回復しつつあることが示された。
4月の貿易収支は961.8億ドルの黒字。

(依然、デフレ圧力が続いている)
 4月の消費者物価(CPI)は前年比で3カ月連続小幅に下落し、生産者物価(PPI)は過去6カ月で最大の下落率となった。住宅市場低迷や雇用不安を背景とする個人消費減退に加え、米国との貿易戦争も影を落とした。
CPIは前年比0.1%下落で3月と変わらず。予想と一致した。PPIは前年比2.7%下落。3月は2.5%下落、予想は2.8%下落。
依然、デフレ圧力が続いている。