
総括
FX「7月月間トップ。5月対米輸出過去最高。USMCA、BRICSは」メキシコペソ見通し
予想レンジ 7.6-8.1
(通貨3位、株価4位)
(ポイント)
*7月は月間トップ維持
*6月消費者物価 コアが高い
*関税賦課にもかかわらず、メキシコの対米輸出は5月に過去最高を記録
*前回0.5%利下げの議事要旨は
*米の銅関税50%への対応検討
*USMCA見直しへ
*BRICS首脳会議のオブザーバーへ、トランプ大統領は批判
*年初来高値更新(対円)
*フィッチ、メキシコ経済の縮小を「軽度」の景気後退に修正
*米との論点=関税、麻薬、移民、LA騒乱、送金課税、USMCA、司法等々
(7月は月間トップ維持)
7月は月間トップを維持。年初来では3位で対円4.11%高。対ドルでは10.68%高。
ボルサ株価指数は年初来14.6%高と先週と比べると伸び幅縮小。10年国債利回りは9.25%。
(6月消費者物価 コアが高い)
6月消費者物価上昇率は前年同月比4.32%と、前月の4.42%から鈍化。ただコアインフレ率は加速し、5月の前年比4.06%から4.24%に加速し、昨年4月以来の高水準を記録した。
コアインフレは、住宅、食品サービス、季節的な航空運賃上昇による持続的な圧力から依然として粘着性がある・
ただ中銀は年内あと2回、政策金利を引き下げる可能性がある。これらの引き下げは8月と9月に行われ、いずれも0.25%幅になると見込みだという声が強い。
(直近の指標はやや弱い)
6月消費者信頼感指数は45.4で予想は46.9、前月の46.7を下回った。
6月S&P製造業PMIは46.3で前月の46.7を下回った。
この低下は新規受注の急減を反映しており、企業は需要の低迷、プロジェクトの延期、そして特に輸出に対する米国の関税の影響を示している。だが次項のようにメキシコの対米輸出は5月に過去最高を記録した。
(関税賦課にもかかわらず、メキシコの対米輸出は5月に過去最高を記録)
トランプ大統領が課した関税が続いているにもかかわらず、メキシコの米国への輸出は5月に過去最高を記録した。米国の総輸入額の14.6%を占め、年率6.2%の成長率を記録した。輸出総額は463億ドルに達した。
(米の銅関税50%への対応検討)
シェインバウム大統領は、トランプ米政権による関税を回避するため、通常、米国に輸出している銅を他国に振り替えることができるとの考えを示した。メキシコは米国以外の輸出先を検討する可能性があるとした上で、「銅は世界中の多くの場所で必要とされているため、いくつかの選択肢がある」と指摘。一方、担当者が貿易、安全保障、移民を巡る協議のため、11日にワシントンを訪問する予定だと述べた。
トランプ大統領は8日、輸入する銅に50%の関税を課すと述べた。メキシコは第5位の米国向け銅供給国。
(議事要旨、4-1で0.5%利下げ)
前回の4-1の投票で0.5%の政策金利を引き下げた議事録では、ヒース副総裁がインフレが小幅上昇していることから政策金利を据え置く意向を示していた。
ただ理事会は全体的な観点から、現在のインフレ圧力は長続きしないとした。
ほとんどのメンバーは、中期的なインフレ低下に言及し、現在直面している圧力は長くは続かないことを示唆した。
(USMCA見直し)
メキシコはカナダとともにUSMCAを構成する国なので域内関税非課税などのメリットはある。ただ2026年のUSMCA見直しに向けて今週から米・メキシコ・カナダで準備会合が開催される。そこで米国がより自国に有利な調整を主張してくるかが焦点だ。