
総括
FX「米国は南アに関税30%賦課、ランド弱含む」南アランド見通し
「通貨8位、株価5位」
「予想レンジ 南アランド円7.9-8.4」
(ポイント)
*トランプ米大統領、南アからの対米輸出品に30%の関税課す
*ランドは月間8位、年間8位と低迷
*今後の重要指標は
*GNU亀裂問題は続くが修正の兆しも
*6月製造業PMIはマチマチ
*今年のランドを支えるのは資源価格の上昇
*アフリカ開発銀行、南ア成長予測を半分に引き下げ
*S&P、南アの2025年の成長予測を下方修正
*インフレターゲット引き下げで進展あり
*次回政策金利は7月31日
*イスラエル問題で米国と対立
*1Q・GDPは前年同期比0.8%増
(月間8位、年間8位と低迷)
7月はトップスタートであったが、先週は伸びず月間8位、年間8位へ後退した。
南ア株価指数は年初来15.61%高と強い、10年国債利回りは9.88%。
(トランプ米大統領、南アからの対米輸出品に30%の関税課す)
トランプ大統領は7月7日、ラマポーザ大統領宛ての書簡を自身のSNS上に投稿し、対南ア貿易での「大幅な貿易赤字」は「わが国の経済、ひいては国家安全保障にとって大きな脅威」だと主張し、8月1日から南アからの対米輸出品に30%の関税を課すと通知した。
南アの関税・非関税障壁、貿易障壁が米国に巨額の貿易赤字をもたらしており、追加関税はこれらの障壁を取り除くために必要な措置だとしている。なお、南アに今回通知された税率30%は、当初4月に発表した相互関税措置と同じだった。
南アにとって、米国は中国、EUに続く第3位の輸出相手国で、南アの輸出全体の6.9%を占める。主要な輸出品の白金などの金属・鉱物資源は今回の措置の対象外だが、農産品や自動車なども多く輸出しており、今回の措置が実際に発動されれば、こうした産業への甚大な影響が懸念される。既に当地のメルセデス・ベンツ南アは7月末まで自動車生産を停止することを発表している。
(30%課税へ南アの反応)
一方、南ア大統領府は7月7日、「南アは米国とのより均衡のとれた互恵的な貿易関係の構築に向けて、外交努力を継続する。米国との交渉が終結次第、30%の関税は変更される可能性があるという米国政府の表明を歓迎する」とするラマポーザ大統領の声明を発表した。
しかし、トランプ大統領は前日に発表されたBRICS首脳宣言を念頭に、「BRICSの反米政策に同調する国には10%の追加関税が課される」とも警告しており、南アへのさらなる課税に対するリスクも指摘されている。
(今後の重要指標)
今週は5月小売売上高、来週は6月消費者物価の発表。7月31日に政策金利の決定がある
(GNU亀裂問題)
ラマポーザ大統領はステーンホイゼンDA党首に厳罰を突きつけ、国家対話に関する省庁間委員会からの離脱は不服従とみなされると警告した。ただDAが主張するANC側の大臣は更迭される動きも出てきている。