
(画像=「セブツー」より引用)
アパレル大手のTSIホールディングス(以下、TSI HD)が、7月14日に「フリークス ストア(FREAK'S STORE)」などを展開するデイトナ・インターナショナルを約283億円で買収すると発表し、この買収発表を受け、TSI HDの株価が上昇している。発表当日の終値は1,115円だったが、翌15日の取引開始後に一時10%近く値を上げる場面があった。300億円近い大型の買収だが、市場は本件をポジティブに捉えており、グループ全体のブランド構成や収益力向上への期待が広がっているようだ。
デイトナ・インターナショナルは、「フリークス ストア」を中心に、米国・NY発の「ノーティカ(NAUTICA)」や長谷川昭雄がクリエイティブディレクターを務める「カウラム(CAHLUMN)」といったブランドを手掛けており、現在は約60店舗を展開している。デイトナ・インターナショナルの2025年2月期決算は、売上高393億3900万円、営業利益5億3900万円、当期純利益は7000万円の赤字で、3期連続で最終赤字を計上している。
TSI HDの2026年2月期の第1四半期決算は、売上高は356億500万円(前年同期比9.4%減)だったものの、営業利益は15億1400万円(同48.7%増)、純利益は19億6600万円(同260.1%増)と、大幅な増益を達成した。一方で、アパレル関連事業の売上高は前年同期比で9.6%減の341億5600万円にとどまり、依然として構造改革が求められる状況にある。
TSI HDは今回の買収を通じて、グループのブランド力強化や若年層との接点拡大、新たな成長基盤の構築を狙う。特に、「フリークス ストア」のようなライフスタイル提案型業態とのシナジーが注目されている。