
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年7月16日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 中村勉
目次
▼15日(火)の為替相場
(1):中国 経済指標発表
(2):独ZEW景気期待 好不況の分岐点上回る
(3):米CPI 関税の影響受ける
(4):FRB高官ら インフレ圧力と慎重な金融政策を強調
▼15日(火)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:米PPI次第では150円へ/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
15日(火)の為替相場

期間:15日(火)午前6時10分~16日(水)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):中国 経済指標発表
中国1-3月期国内総生産(GDP)は前年比+5.2%と予想(+5.1%)を上回った。同時に発表された中国6月小売売上高は前年比+4.8%と予想(+5.3%)を下回った一方、同鉱工業生産は+6.8%と予想(+5.6%)を大きく上回った。
(2):独ZEW景気期待 好不況の分岐点上回る
独7月ZEW景気期待指数は52.7と市場予想(50.4)を上回り前月(47.5)から改善した。ZEW(欧州経済センター)のワムバッハ所長は「過去2カ月間の力強い改善を受け、前向きな心理がより確かなものとして定着しつつある」との見解を示した。
(3):米CPI 関税の影響受ける
米6月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.3%、前年比+2.7%となり、前年比は市場予想(+2.6%)を上回った。また、食品とエネルギーを除いたコアCPIは前月比+0.2%、前年比+2.9%となり、前月比は予想(+0.3%)を下回ったものの前月(+0.1%)から伸びは加速した。家具や玩具など、関税の影響を受けやすい一部の品目で上昇が確認された。その後、トランプ米大統領は「消費者物価は低い。米連邦準備制度理事会(FRB)は今すぐ金利を引き下げろ!」と自身のSNSに投稿した。
(4):FRB高官ら インフレ圧力と慎重な金融政策を強調
米リッチモンド連銀のバーキン総裁は直近のインフレ統計を巡り、「一部で価格上昇圧力が見られ、今後さらに強まる可能性がある」との見解を示した。また、次期FRB議長に関して「米経済にとって最善の金融政策を目指すと信じている」とした一方で、「連邦公開市場委員会(FOMC)は必ずしも議長の方針に従う必要はない」と語った。 その後、コリンズ・ボストン連銀総裁は「全体として堅調な経済状況が続いており、FRBが幅広いデータの慎重な精査に時間をかけることを可能にしている」とし、自身の見解では「金融政策に『積極的に慎重な』アプローチを取ることが引き続き適切だ」と語った。