内閣府は、12月11日「機械受注統計調査報告(平成26年10月実績)」を発表した。「船舶・電力を除く民需」の受注額は、5カ月ぶりのマイナスとなり、設備投資に対する不透明感がGDPの発表に引き続きさらに強まった。
同報告書によると、受注総額は、9月が2兆3246億円だったのに対し、10月は、2兆2563億円と対前月比で2.9%減となった。需要者別にみると、民需は、9月が1兆346億円だったのに対し、10月は、9532億円と対前月比で7.9%減となった。このうち、民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」は、9月が8316億円だったのに対し、10月は、7780億円と対前月比で6.4%減となった。いずれもマイナスであるが、内閣府は「緩やかな持ち直しの動きがみられる」としている。
機械受注統計は、主要機械メーカーの機械受注額をまとめたものであるが、この中でも民間企業からの受注実績を示す「民需」は、民間企業の設備投資の先行指標として重視されている。もっとも、民需に含まれる船舶と電力については、規模が大きく景気の動向にかかわらず、耐用年数との関係で発注されることが多いので、景気判断の指標としては、「船舶・電力を除く民需」の数字が使われることが多い。
設備投資は、コンスタントに行われるというものではないので、多額の発注がなされた翌月には発注額が下がるという傾向がある。したがって、今月、マイナスになったからといって、先行きを悲観するのはまだ早い。