民需の業種別動向は?

次に、民需の業種別動向を見てみると、製造業からの受注額は、9月が3637億円だったのに対し、10 月は3438億円と5.5%減となった。船舶・電力を除く非製造業からの受注額は、9月が4783億円だったのに対し、10月は、4426億円と7.5%減となった。製造業、非製造業共に設備投資額が減少しているので、製造業、非製造業による傾向の違いはみられない。

さらに、10 月の製造業の受注を業種別にみると、前月比で増加したのは15 業種中、鉄鋼業(39.4 % 増) 、金属製品(34.7 % 増) 、情報通信機械 (28.5 % 増) 、精密機械(20.1%増)、化学工業(17.3%増)等の8業種で、石油製品・石炭製品(74.7%減) 、パルプ・紙・紙加工品(68.8 % 減) 、電気機械(21.2 % 減) 、非鉄金属(12.3%減)等の7業種は減少となった。増えている業種と減っている業種の数がほぼ同数であることから、製造業全体として減少しているというよりも、伸びているところもあれば減っているところもあるという拮抗した状況にある。

一方、10月の非製造業の受注を業種別にみると、前月比で増加したのは12 業種中、運輸業・郵便業(46.7%増)、農林漁業(24.8%増)、金融業・保険業(21.1%増)等の5業種で、不動産業(44.8% 減)、通信業(35.9% 減)、電力業(31.7% 減)、リース業(16.0%減)等の7業種は減少となった。若干減っている業種の方が多いものの、こちらについてもほぼ拮抗しているといえる。


緩やかな上昇傾向は見られる

機械受注統計は、3月、6月、9月、12月といった節目の月には増える傾向があり、先月の9月も船舶・電力を除く民需が、前月比で7.3%増加していることを考えると、今月のマイナスは、反動減による調整という見方はできると思われる。また、その裏付けは、業種別の数字を見ると半数程度の業種では機械受注数が増加していることから全業種にわたる減少ではないということがわかる。

しかし、景気回復の勢いが強い場合には、継続してプラスとなる場合もあるので、現状は決して景気回復が勢いよく進んでいるという状態でないことは確かである。受注額の推移を見る限り、ごくわずかではあるが、緩やかな上昇傾向はみられるので、景気後退局面とまではいえないが、設備投資に関しては、今後、十分注視していく必要がある。内閣府では、10−12月の船舶・電力を除く民需の見通しとして、0.3%減を予想しているので、11月、12月合わせて6.1%以上増加するかまずは見守る必要がある。

(ZUU online)

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