ジェットコースター


ジェットスター・ジャパンが国際線に進出

格安航空会社(LCC)ジェットスター・ジャパンは、2015年2月より関西空港=香港線の就航を行うことを発表した。週3往復6便で運航をスタートし、その後段階的に増便を行う予定だ。

ジェットスターグループとしては7路線の国際線をすでに運航しているが、日本に本社を構えるジェットスター・ジャパンはこれが初の国際線となる。3年連続の赤字となり、直近では最終損益で111億円の赤字を計上するなど業績低迷が続く。国際線の就航により機材の稼働率を向上させ、2年以内に黒字化達成を目指し起死回生を図る。


LCC誕生3年目

国内で本格的なLCCが誕生し、2014年で3年目に入った。LCCは格安運賃による航空サービスを提供することで、消費者の選択肢は確実に広がっている。大手航空会社よりも運賃は格安、新幹線での移動よりかは時間の短縮になる、ということで利用者数は年々増加傾向にあり、2014年3月時点ではシェア7.5%(国土交通省調べ)を占めるほどになっている。LCCは欠航や遅延が多いという印象があるため、ビジネス目的での利用というよりかは時間に余裕をもって使える観光目的が6割を超え、ビジネス目的・観光目的といった利用目的に合わせた棲み分けができつつある。

では、経営は順調かというと、まだまだ軌道に乗っているとはいえない。ピーチ・アビエーション、バニラ・エア、ジェットスター・ジャパンの3社のうち黒字なのは、ピーチ・アビエーション1社のみとなっている。ピーチ・アビエーションが黒字を達成したのは、2014年、つまり3年目になってからだ。ピーチ・アビエーションは売上高306億円、当期純利益10億円、一方、ジェットスター・ジャパンは売上高291億円、当期純損失111億円と対照的な数字になっている。ジェットスター・ジャパンの財務基盤強化および国際線就航のため、大株主である日本航空と豪カンタス・グループは70億円の追加出資を実施している。

また、LCC各社は、ピーチ・アビエーションとバニラ・エアはすでに国際線を運航しており、さらに春秋航空日本も国際線への参入を表明している。このような状況下でジェットスター・ジャパンは国際線に進出するが勝算はどこにあるのだろうか。