1月14日、アンジェスMG <4563> は、遺伝子治療技術を応用し、エボラ出血熱対策医薬品として抗血清製剤の開発を国内で開始することを発表した。エボラ出血熱ウイルスのタンパク質をコードするDNAワクチンをウマに接種して得られる、ウイルスタンパク質に対する抗体を精製して製造する。
同社では、「DNA ワクチン技術を用いることで、病原ウイルス自体を取り扱わないため安全に、かつ短い期間で製造できることから、緊急の対策を必要とするエボラ出血熱治療薬として適している」としている。また、同社代表取締役社長の山田英氏は「罹患者の治療用や、感染リスクの高い医療従事者等の携帯用等、緊急対策用の医薬品として位置付けられることが想定」されると述べている。
エボラ出血熱に対する治療薬としては富士フイルム ホールディングス<4901> 傘下の富山化学工業が開発した抗インフルエンザウイルス薬「アビガン ® 錠200mg」が先行している。昨年10月にはエボラ出血熱対策として海外での使用を目的とした追加生産を決定しており、世界からの注目が高い。
また、東京都内に拠点を持つカイオム・バイオサイエンス <4583> は、昨年12月にオリジナルADLib®システムを用い、エボラウイルスに対する抗体を短期間にて作製することに成功したと発表した。同社では、ウイルスによる感染症の脅威である変異に対しても迅速に抗体作製できる体制を整える研究を行っている。
アンジェスMGは大阪大学の基礎研究を基に1999年に設立された、次世代のバイオ医薬品である『遺伝子医薬』の開発と実用化を目指すバイオベンチャーだ。アンジェスMGに加え、カイオム・バイオサイエンス、富山化学工業など世界が未知の感染症に怯える中、日本企業の医療技術が光っている。
(ZUU online)
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