経済的回復を自己評価
これまで大統領自身ではほとんど口にしなかった米国の経済的回復の評価に関しても今回明確にその実績を強調した。実際、 株価に関してはオバマ氏が大統領に就任したリーマンショック後の最悪の状況からリーマン前を越して過去最高値まで上昇している点、失業率に関しても、10%以上あったものが5.6%まで低下した点を今回明確に成果として強調している。
国内GDPは伸びても必ずしも国民の可処分所得は伸びていないといった問題は抱えているものの、国全体が景気回復感を評価しそれを謳歌していることが伺われる状況となっている。
TPAが取得できるかどうかが残された2年で成果を残せるかどうかの分かれ道
日本にとっても大きな問題となるのがTPP・環太平洋パートナーシップ協定の合意に関する問題だ。オバマ大統領はこの演説でもその合意に強い意欲を表明している。この合意をめぐってはオバマ大統領に対してTPA(大統領貿易促進権限)を議会が付与するかどうかが最大の焦点となっている。
共和党はもともと自由貿易推進派が多くTPA容認の動きが進んでいるにもかかわらず肝心の与党民主党に反対者が多いというねじれ状態が続いているため、どのような決着が図られるのかが注目される。オバマ大統領自身はこの演説の中で中国がアジアで貿易を含めて新たなルールを作ろうとしていると厳しく指摘し、それに対抗すべき方法としてTPPが欠かせないことを強調している。
残りの2年弱どこまでプレゼンスを発揮できるかが課題
このように一般教書演説でかなりの自信を取り戻し、1年前とは別人のようであるとの評価を得ているオバマ大統領だが、実際には残り2年の中でやれることはもはや限られているといえる。キューバとの国交回復なども依然反対者は多いものの、評価する向きも増えている。
こうした歴史に残る部分に力を入れていこうとしていることは間違いないようだ。そのひとつがTPPの成立であり、これが成就できるのかどうかは評価の大きな分かれ目になりそうだ。
ただ、TPPの内容が明らかになるにつれ、全米の自動車労組や大手メーカー・フォードなどは鮮明にTPPに反対の意向を示しており、米国内の産業にもこの交渉締結にかなり否定的な業界が増えつつある。締結できるかどうかにはまだまだ紆余曲折がありそうな状況といえよう。
(ZUU online)
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